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velocraft流ライトツーリングバイク作り(記事まとめました)


SOMA SAN MARCOS

アメリカ・サンフランシスコに本拠地を置くブランド「SOMA」

アメリカンツーリングバイクというと、サーリーのロングホウルトラッカー・SOMAのサガの様な世界1周系のヘビーツーリングバイクやシクロクロスをベースにしたツーリングモデルが多く知られていますが、どれもストイックに旅を楽しむタイプが多く、ハードさの無いリラックスしたツーリングバイクは以外と多くありません

ツーリストの全てが、日本1周・世界1周をしたり、ブルベに参加したりという訳では無いと思いますし、輪行を多用した週末日帰り~短泊ツーリングという方が殆どでしょう

トラディショナルランドナーだけで無くモダンなアメリカンツーリングバイクでも、もっとリラックスした「ライトツーリングバイク」があっても良いと思います

そこで、SOMA SAN MARCOSの出番です

アメリカ・リーベンデール社のグラント・ピーターソン氏がデザインしたライトツーリングバイク

タンゲ・プレステージ・オーバーサイズパイプを使用したクロモリフレームで、小さいサイズは650B・大きいフレームは700C・超大型フレームは700C&ダブルトップチューブと、フレームサイズに合わせて、フレーム設計を変え手間を掛けています

そんな、SOMA SAN MARCOS
「ライトツーリングバイク」をキーワードにvelocraft流に組み立てますので、何回かに分けて紹介したいと思います

まずは、フレームの下処理とホイール組み立て

当ブログや雑誌などでいつも紹介していますが、フレームから組み立てる場合、いきなりパーツを取り付けることはありません

フレームやパーツを傷つけない様にキチンとパーツがアッセンブル出来る様に、フレーム精度を整えておきます


ヘッドチューブの内径と面位置を整えます


Fフォークも精度を上げていきます


BBも精度を上げていきます


各部小ネジもタッピング


下処理が終了したら、ヘッドパーツを取り付けます

ヘッドパーツは、クラシカルなデザインと軽量性を考慮して「タンゲ・レビンアロイ」を使用しました
輪行は、ヘッド抜き輪行では無く一般的なホイールを外す方法を想定しています

次にホイールです

今回のフレームは470mmサイズなのでホイールは650B
フロントハブは、電池の心配もいらず、走りも軽いハブダイナモを採用
ブランドはveloorangeです
リアハブは、定番のシマノ2200を採用しコスト面を重視しました

ハブダイナモは構造上どうしてもハブのフランジ間が狭くなってしまい、ホイールとして横剛性が保ちにくいので、36H・8本組で組み立てます
リアも、フロントに合わせて36H・8本組です
リムは、フロントハブと同じブランドのveloorangeの高剛性リム650B・ディアゴナールとしました


タイヤはリーベンデールMaxy Fasty650x34Bを採用
34mmと適度なサイズとサイドケーシングで、フワッとした軽い乗り心地を演出してくれるはずです

実は、このフレームはこのタイヤを取り付ける前提のサイズ設定となっており、抜群の相性を持っています

肩下寸法やブリッジ位置がピッタリで、泥除けもキレイに取付け出来ます

まずフロント泥除けを装着します

今回選択した泥除けは本所工研社製・幅45mmの亀甲パターンの「H31-26CJ」

泥除けに対してタイヤの幅が約75%と、幅の寸法はばっちりと合います

商品名に「J」のついているタイプはJOINT方式・分割タイプですので、輪行のしやすさを重視したチョイスでもあります

分割タイプは、最初から泥除けステーやフレーム取付け部に加工がされており、取付けは容易になるのですが、自分が思った寸法に付けることが難しくもなります


クラウン下部が潰し加工されています

クラウンとタイヤの隙間が今回は約23mmでしたので、潰し加工をそのままにしてしまうと、泥除けとタイヤの隙間が空きすぎてしまうので、加工前の状態に戻します

裏側から軽くハンマーで叩けば簡単に修正できます


加工前の状態になりました

このSAN MARCOSは、クラウン下に隠しネジは付いていませんので、クラウンダルマ(吊り金具)を装着します

クラウンダルマには、通常3mm厚のゴム製スペーサーがセットされているのですが、今回はクリアランスの大きいフレームでしたので、5mmのゴム製スペーサーを制作し取り付けます


5mmスペーサーに変更して、クリアランスを調整


その後裏側から10mmナットでクラウン下を固定します

クラウン下の取付け部は、泥除けの中で最も割れやすい箇所でもありますので、掛かる力が分散する様に、泥除けが変形しない様にΦ20mmの大型スペーサーをセットしてから締め込みます


ブレーキを取付けます

使用するブレーキ(ダイアコンペBRS202)をセットして、泥除けとブレーキアーチが干渉しないかをチェック

今回は僅かにぶつかっていましたので、泥除けに力を加えて変形させています
カンチブレーキ・センタープルブレーキの時は干渉することは、あまり無いのですがサイドプルブレーキ・Vブレーキの時は干渉することが多くなります


ダルマネジで、ステーを固定

加工済ですので、ダルマネジの取付け箇所は決まっています
穴の位置は後端部から8cm

大槻の取付け方法ですと通常は11cmの箇所・歴史的に見ると12cmの箇所が多いので、ずいぶんと下の位置に穴が開いています

ちなみにリア泥除けのダルマ取付け穴は後端部から15cmで、通常よりも上に開いています

個人的には違和感を感じるのですが、近年のNAHBSやアメリカンハンドメイドメーカーのツーリングバイクを見てみると、この位置にステーを付けていることが多くなっています

これは、ステーの角度をより多く付けたいが為だと思います
※今回のフロントステーは-25°もの角度が付きました

SOMAはアメリカンメーカーでもあるので、あえて現代アメリカンツーリングバイクのイメージを残す為、そのままの寸法で取付けました


フロント泥除け取付け完成!

トラディショナルと現代アメリカンハンドメイドツーリングバイクを、バランス良く取り入れた寸法を狙ってみました

次は加工済分割式のリア泥除けを取付けます


泥除け分割部 裏側

今回は分割加工がされている泥除けですので、分割金具の位置は最初から決まっています
チェーンステーブリッジの下をアルミ板がスライドして外せる形ですので、隠しネジの取付けは通常のボルトですと、ぶつかってしまいます
この場合には低頭タイプのボルトを使用します


使用するボルトとワッシャー

泥除けが割れない様に、フロント泥除け同様に大き目の平ワッシャーを入れたくなりますが、ワッシャーの厚みで分割金具が外れなくなるので、緩み止めのギザワッシャー(菊座)のみで締め込みます



チェーンステー側のクリアランスをチェックします

上写真の様にチェーンステーから泥除けの前端部が飛び出してしまいますし、チェーンステーブリッジ(今回は、センタースタンドマウント)からの距離も空きすぎています

前端部が下に飛び出していると、ホイールが着脱しにくくなるので適正な長さにカットします

空き過ぎているクリアランスはスペーサーを用意して位置を決めます


キレイに取付けが出来ました

アルミ製の5mmスペーサーを2枚を使用して、丁度良い位置になりました
取付けボルトは、長めの物を用意して取付けナットから飛び出さない様にカットしています


OGK カーボンボトルケージ用スペーサーセット【価格】¥210-(税込)

特に形状を気にしなければ、ボルトやワッシャーはホームセンターなどで入手出来るのですが、低頭ボルトやスペーサーは意外と入手がしにくい事があります

そんな時は、上写真のボルトセットが便利ですし、今回もこのボルト&スペーサーを使用しています

元々はボトルケージを取付ける為に販売されているものですが、5mm厚のスペーサー2枚とトラス形状の低頭ボルトM5x15mm2本がセットで、泥除け取付けの時には重宝しています

ココまで出来れば、後はいつもの様に・・・


ダルマネジでステーを取付けて・・・


ステーをカットしてエンドダボに固定して・・・

全体のバランスをチェックすれば、リア泥除けは完成です!!

次にコンセプトにマッチしたパーツを取付けていきます


スギノ アルピナ2 10S

ライトツーリング用とはいえ登り下りの多い日本の地形では、ワイドなギアが活躍します
フロントのギアは48-36-26Tのトリプルギアをチョイスします

合わせて、リアをティアグラの12-28Tを取付けて、最大ギア比4:1 最少ギア比1:1以下と、林道や大規模公園内などのラフロードを含めた様々な道に対応しやすくしました


シマノ RD-4600GS

ディレーラーはティアグラのトリプル用を選択
特にフロントギアは10段用トリプルで、48Tに対応している唯一のフロントディレーラーです


ハンドル周辺部

ブレーキ&シフトレバーのみシマノ・105にして、シフトワイヤーが飛び出ないタイプにして、フロントバッグへの対応を考慮

ステムは、首の長い日東・NTC-225の80mmとして、超アップライトなハンドルポジションを確保
トラディショナルツーリングバイクでは、あまり行わない設定ですが、フレームデザインしたリーベンデール社では、基本的なセッティング

リーベンデール社では、STIレバーはあまり使わずにバーエンドコントロール(バーコン)を使うことが多いのですが、今回はSTIレバーで

この辺のパーツチョイスはバランス感覚で、解釈により変動するものだと思います


リーベンデール社による組立て例

上半身の力を酷使せずに下半身の筋力でペダリング、上半身はハンドル操作のみ、というイメージになり、今回のフレームは、フレームサイズ470mmと小さいこともあり、ドロップハンドルの操作感に慣れていない女性にも、リラックスしたポジションで扱いやすくなると思います


B&M LUMOTEC IQ senso plus

LEDのハブダイナモ用ライトは、カタログ値60LUX(約6000カンデラ)で乾電池式のバッテリーライトでは再現出来ない高光度を実現してくれますし、電池や充電も勿論不要です

ナイトツーリングはモチロン、トンネルの中や日々の通勤・通学ライドでも威力を発揮してくれます

全てのパーツを取付けたら、ワイヤーを取付けて各部を調整していきます


バーテープを巻きます

バーテープは、VIVA・コットンを巻きました
通常STIレバー装着車はブラケット周辺にボリュームがあるので、スリムなコットンバーテープでは無く、コルクや革のバーテープを巻くことが多いのですが、今回は「リーベンデールっぽさ」を重視してコットンテープにして、終端部はヘンプコード(麻糸)巻きで処理しました

コットンバーテープは、裏の接着面がしっかりとしており、他の素材の様に終端部に解け止めをする必要は無いのですが、飾りの為にヘンプコードで縛っています

縛るだけですと解けてしまうこともあるので、上からクリアのシェラックニスをヘンプコード部のみに塗布して固めてあります

この方法もリーベンデール社では定番ですね


BROOKS B17 スペシャル

サドルは、説明不要のB17スペシャル
シートピラーは、コスト重視でカロイ・SP248(リッチータイプ)を採用

シートポストは通常の250mm長では無く300mmのロングタイプにし、スローピングフレーム特有の長く突き出たシートピラー長に対応しまとめています


キャットアイ テールライト

リアには泥除け装着用のテールライトを取付け
ソーラーバッテリー採用で、昼間に充電、夜間暗くなると自動点灯してくれる、便利アイテム

フロントライトはハブダイナモで自家発電、テールライトはソーラー充電ですので、乾電池などのバッテリは一切使用せずに前後のライトシステムを構築しています
ライトのことで頭を悩ませることはありません

・・・後は最終調整をして、バランスの良いシートピラー高に調整して

完成!!


【価格】¥310,000-(税込・完成車ペダル無)