お客様のご注文で、こんなツーリングバイクを制作致しました
何と言っても今回の特徴はブルホーンバーを採用したこと
通常velocraftではツーリングバイクにブルホーンバーをオススメすることはありません
通常のドロップハンドルの様にハンドル下部を握ることが出来ないので、しっかりとした前傾姿勢を取ることが出来ず、峠の下り坂等で重心を下げた安定したコーナーリングがし難く転倒の可能性が高くなると考えているからです
当車のオーナー様は数々のオーダー車やツーリングバイクを所有しているベテランの方ですので、メリットデメリットをご理解頂いた上で制作しています
平地をユックリと流す様な走り方でもしっかりとブレーキング出来ることを狙っています
ニットウ製のブルホーンバーに便利ホルダーを装着してフロントバッグを装着しています
通常の設計ですと、ドロップハンドルに比べてブルホーンの方がハンドル位置が遠くなってしまうので、ステムは60mmと極端に短くしてあり通常のFバッグサポーターですとバッグ位置が後になり過ぎてしまうので、約70mm程バッグを前に出せる便利ホルダーでFバッグの位置を出しています
便利ホルダーは単純な丸パイプですので、リクセンカウルのアタッチメントを中央部に付けて、スマホホルダーや小物入れ等を追加出来る様にしています
但し、取り付けたFバッグは後ろ開きタイプですので、スマホホルダー等を取り付けるとバッグの開閉はし難くなります
勿論、オーナー様のご了承済みで取り付けてあります
最終的にはオーダーメイドでバッグを制作する予定なので、「仮」のフロントバッグとお考えください
また、ワイヤーはブレーキ・シフト共に日泉のクリアを使用しています
日泉のアウターは見た目の良さは勿論ですが、シマノやカンパと比べてしなやかで、急激な曲がりにもある程度対応してくれます
ブルホーンバーにデュアルコントロールレバーを取り付けるとレバー付近のアウターの曲がりがかなりきつくなるので、しなやかな日泉はかなり向いていると思います
しなやかな分、縮みも大きいのでブレーキングタッチやシフトフィールは純正ワイヤーと比べると若干落ちると思いますが、実用上はそんなに問題はありません
ギアはフロントが44-28Tリアが12-34Tの10段仕様です
体力を考えなるべく軽いギアを装着して「押し歩き」を極力減らした設定でありながら、MTBパーツを使用せずに実現できるなるべく軽いギア比を選んでいます
また、チョイ乗りでも活用しやすくする為にクランクにはディズナのチェーンガードを装着して、裾の巻き込みを抑えています
ブレーキはフロントディスクブレーキにしてあり、確実な制動力を狙っています
フレームがメタリックオレンジなので、PAULのワイヤー引きディスクにして、シルバー&オレンジで統一しています
リアはフロントに合わせてPAULのブレーキを装着していますが、リアキャリアとの相性を考えてカンチブレーキにしています
Fキャリアはveloorangeの市販品を採用しています
カンチ台座用のキャリアですので、フォークにカンチ台座を装備して、ディスクorカンチを使い分けられる様にしていますが、現行ディスクブレーキなので自作でカンチ台座のカバーを制作しました(カバーを制作しなくても取付けは可能なのですが)
勿論専用のキャリアを制作した方がスッキリとまとまるのですが、今回の自転車を組み立てるにあたり、キーワードを「オレンジ」にしました
なので、キャリアやハブ・リム等でスタイルがあまり崩れない程度にvelo「orange」を使用したかったのです
勿論、費用的な理由もあります
フロントライトは別注のシュミット・エデュルクスⅡハンギング
単純にシュミットライトを裏返しに使用すると、配光パターンが変化してしまい、適切に路面を照らしてくれなくなりますので、本体形状はそのままで内部のミラーを上下逆さまにした「裏返し専用」ライトを装着しています
テールライトは泥除けを分割していることもあり、ハブダイナモからの電源供給では無く、バッテリー式のライトにしましたが、正直ココは妥協の製品にしてしまいました
もっと恰好良い、泥除け取付け用テールライトがあると良いのですが・・・
velocraft制作のツーリングバイクとしては、スローピングフレーム・ブルホーンバー・サスピラーなど、かなりアバンギャルドなルックスになりましたが、自転車の特性を知り尽くしているオーナー様の拘りと大槻の「遊び」がミックスされて完成した1台だと思います
オーナー様 どうぞ良い旅を・・・
【参考価格】約50万円