2017年06月
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velocraft流組立て基本編 vol.18

いよいよ組立ても仕上げの段階に入ってきました
今回はバーテープを巻いていきます


バーテープはツーリング車の基本とも言って良いVIVAコットンバーテープを使用します

今回の様な小さめブレーキレバーを使用する場合は、コットンや同じくVIVAのアースバーテープの様に薄めのバーテープが似合います
機能上問題は一切ないのですが、コルク製などの厚めを選んでしまうと、ブレーキレバーと比べて、見ためハンドルバーが極端に太く見えてしまう為、シルエットが若干崩れてしまいます


バーテープを巻き始める前に、ブレーキレバーバンド部に印を付けておきます
バーテープを巻いている最中にブレーキレバーバンドの位置がズレテしまっても修復できる様に保険を掛けています


ハンドルからブレーキワイヤーを外して、ステムをフレームから取り、作業台に固定します
velocraftで使用している作業台は、クルクルと回転してくれるので、フレームにハンドルバーを取り付けた状態で作業するよりも、数段作業が簡単になります


次にブレーキレバーバンド部に巻く為にバーテープを切り、ブレーキレバーバンドに貼り付けます
このバーテープの粘着力で、ブレーキレバーバンドを固定するので、力が加わると簡単にズレテしまいますから、先ほど油性インキで印をつけた訳です

そうしたら、ブレーキレバー本体をハンドルバーが外します
これで、下準備はOKです


エンドキャップの大きさとハンドルバー内径の相性を確認したら、ピッタリとエンドキャップが収まるのに必要な分のバーテープをハンドルバー外に出してから巻いていきます

つまり、エンドキャップが変わるとバーテープの巻き方が変わるということで、この作業をしておかないと、バーエンドキャップが緩いor入らないということが起きてしまいます

例えば、今回使用しているニットウB135ハンドルなら、VIVAのプラ製バーエンドキャップなら、コットンバーテープを1周分裏側に折り込んで丁度良いですが、ニットウのアルミ製バーエンドキャップですと、一切ハンドル裏側に折り込みません
バーエンドキャップを他種に交換する時はご注意ください


バーテープを1~2周巻いたら、バーエンドキャップを取付けます
この時点で、キチンとバーエンドキャップが装着出来、バーテープにも無駄なシワが無く、ハンドルバーが剥き出しになっていないかを確認します

コットンバーテープの場合には少ないですが、大槻の場合コルク製ですと5回に1回位、革製ですと5回に4回位、満足のいく仕上がりになっておらず、やり直します
自転車屋になって25年、バーテープも数千本は巻いていて、苦手な作業という訳では無いのですが、この位の確率でやり直す必要がある箇所です

よく、雑誌やメンテナンス本を見ると、バーテープを全て巻き終えてからバーエンドキャップを装着する様に書いてあることが多いですし、バーテープに付属している説明書にも同様に書いてある場合が殆どです

なんででしょうね?????


後は等間隔で巻いていき、ブレーキレバーバンド部はたすき掛けにします
ブレーキレバーの内側に入る箇所ですし、ブレーキレバー全体をたすき掛けにする訳では無いので、比較的簡単なやり方だと思います

バーテープの重なり具合を均一に近づけたいので、重なり具合を調整しながら、ピッタリくる様に何度も巻き直しますが、コットンバーテープの場合、テープ自体が伸びると伸びっぱなしになるので、なるべく1~2回の巻き直しで済むように慎重に行います
巻き直しをせずに1発で決まることは殆どありません

イメージですが、0.5mm単位で重なりを調整する必要がありますので結構シビア

勿論、ご要望があればブレーキワイヤーやシフトワイヤーがハンドルバーに沿う現代的なタイプでも、同様にバーテープを巻くことは可能ですが、自転車組立て全体の作業順序は変わりますし、比較的時間が掛かるので、UPチャージを頂いています


ブラケットを超えたら、また均一に巻いていき、最終箇所はハンドルバーの真下で真っ直ぐに切り終了です

最後の巻きが太くならない様に、重なり具合を調整して巻き終わりが真下に来るようにしてください

コットン以外のバーテープでは、巻き終わりに飾りテープやビニールテープを巻くことが多いですが、コットンの場合は基本切りっぱなしです
麻糸を巻いて補強するのを、アメリカメーカーを中心に見かけますが、ご要望がある場合にのみ作業しています


巻き終わったら、ブレーキレバーを戻して、最終チェックです
この時点で不具合が見つかると最初から全てやり直しですから、緊張の一瞬です


作業がすんだら、バーテープをラップで包みます
この後も作業は残っていますし、今回は展示用に組み立てていますので、汚れやすいバーテープを保護する意味合いがあります


反対側も作業して、フレームにハンドルを戻してワイヤーを掛ければバーテープ巻きは完成!

大槻が集中して作業するとバーテープ巻きは基本30~40分位で出来上がります
見ためがキレイではなくても、重なりが不均一で段差があっても、事故に繋がる様な部分ではありませんので、メンテナンスをこれから自身で始めようという方に、まず挑戦して頂きたい箇所
おおよそ片側1時間、両側2時間位の時間は最初必要だと思いますので、チャレンジしてみてください

さて、次回はサドル取付け~最終チェックをしていきます
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.17

今回はカンチブレーキの調整です

チドリとアーチワイヤーを使用することで、純正品のみの取付けでは出来ない様々なセッティングにすることが出来ます

まずは、今回のセッティング方法をご紹介します


普通のセッティングにする場合には2つの事をまず確認しておきます
1・前後のカンチ台座の幅
2・Y型ユニットリンクのアーチ部角度

今回のフレームはフロントのカンチ台座幅が73mm・リアが82mmでした
Y型ユニットリンクの角度は約80°

この2点が決まれば、セッティングは簡単です
カンチ台座の幅はBR-CT91の場合には約65~90mmの台座幅に無理なく対応出来ます
※台座幅は経験値です シマノのお客様相談窓口に以前問い合わせたところショップには教えない方針とのことでした

台座幅がフロント73mmですからシューの突出しは短めのシューシャフト長の1/3程度で、リア82mmですからシューの突出しは2/3程度すれば良さそうです
Y型ユニットリンクの角度は80°ですから、今回使用のアーチワイヤーも約80°にセッティングしてあげればOK

この2点のみで、簡単にセッティングの位置が全て決まります
後はそれに合わせて上げれば・・・



簡単に調整は終了です

以上、終わり!

インナーワイヤーはシフト同様に脚に当たっても簡単に取れてしまわない様にシッカリと止めて、飛び出している部分は折り曲げておきます



ちなみに、チドリの位置を変更するとブレーキフィーリングは大きく変化します

ブレーキの絶対的な制動力を上げたいなら、チドリの位置を下げたセッティングにします
ブレーキシューの移動距離が短くなり、制動力が上がります
但し、ブレーキシューの潰れやフレームの開きでグニュッとしたフィーリングになりますし、泥つまりが多くなり、オフロードには向きません

逆にチドリの位置が高いと、制動力が落ちてカチッとしたフィーリングに変化します
泥つまりが少なくなりますので、オフロードの使用に向いていますが、シクロクロス的な使用方法に限定されます
制動力が弱まっていますので、長いオフロードダウンヒルでは握力が無くなってしまいますからね
シクロクロスレースの写真を色々見て頂けると解ると思いますが、どれもチドリ位置が極めて高いセッティングになっていると思います
※最近はディスクブレーキが増えてしまっていますが・・・

よくマファック・クリテリウムの効きが悪いというご相談を頂くのですが、大体セッティングはチドリ位置が高い状態になっている場合が殆ど
クリテリウムの場合、あまりチドリを下げるとブレーキ本体とアーチワイヤーが干渉して切れやすくなってしまうので、チドリ位置を本体に当たらないギリギリ下にセッティングするだけで、大幅に制動力は改善しますので、ご参考まで

これで、メカニカルな部分は終了し、次はバーテープ巻きをしていきます
完成までもう少し、続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.16

今回から2回に分けてブレーキを取り付け調整していきます

ブレーキが終わればメカニカルな部分が終了し、バーテープとサドルを取付ければ組立ては終了ですから、先は見えてきました


ブレーキアーチは前述のシマノBR-CT91を使用しますが、このカンチブレーキには上写真にあるY型ユニットリンクと呼ばれる、チドリとアーチワイヤーがひとつの部品になったものが付属されています

このパーツを使用することで、ブレーキシュー調整やレバーのストローク調整が簡単に済むのですが、ブレーキワイヤーを外してハンドルバーを抜くタイプの輪行方法ですと、作業が難しくなるので使用しません



昔ながらのチドリとアーチワイヤーを使用します
上写真はどちらもダイアコンペ製の一般的なパーツですので、費用の追加も多くは掛かりません

このタイプにすることで、ブレーキ本体からアーチワイヤーの片側を外すと、Y型ユニットリンクよりもワイヤーの自由度が高くなりますので、ブレーキレバー側でのワイヤー着脱に向いています

また、カンチブレーキはチドリとアーチワイヤーの調整で、様々なブレーキフィーリングにすることが可能になり、パニックブレーキ優先やコントロール性優先、カチッとしたフィーリングやフニャッとしたフィーリング等、ユーザー個人のフィーリングに近づけることが出来ます

但し、今回は普通に組み立てるので、一般的な調整に留める予定です


ブレーキレバーのアウター受けは基本アウターを受けるだけなのですが、今回は上写真のアジャスト機能が付いたタイプに変更します

乗車していると徐々にブレーキシューが擦り減りストロークが長くなっていきますので、乗車中でもブレーキストロークの調整が出来る様にこのタイプを採用します

今回の自転車はフロントアウター受け(コラム部)にもアジャスターが付いているので、フロントの意味は少なくなってしまいますが、リアアウター受けはフレーム直付けのアジャスター無しなので、リアブレーキには特に有用になってくれます

使用するパーツが揃ったら、ワイヤーを取り付けていきます

今回はシマノのSLRブレーキアウターとステンレスインナーワイヤーを使用します

シマノ製は最近人気の日泉製ワイヤーと比べて、コシが有り固めですので、ブレーキング時のフィーリングがダイレクトで、制動力のロスが少なくブレーキが良く効く様になります

よく、古いブレーキワイヤーを使用している方が「ブレーキの制動力をもっと上げたい」とご相談頂くことも多いのですが、ブレーキワイヤーをインナーアウター共にシマノ製に変える事を第1歩としてオススメしています

カンチブレーキの本体を交換するよりもずっと制動力が変化することも多いと思います


アウターワイヤーにはシマノのロゴがプリントされていますので、アウターの長さを決める時にロゴが綺麗に見える様にセッティングしています
SHIMANOが上下逆に見えたらみっともないですよね 勿論性能に違いは出ませんが・・・

ロゴマークが付いているのはヤダという方も多くいらっしゃると思いますが、その際には日泉のワイヤーはロゴがプリントされていませんので、スッキリと出来ます

自転車の組立てで最も難しいのがアウターワイヤーだと思っています
※修理で一番難しいのは「パンク修理」

アウターワイヤーの色は?長さは?ワイヤーのカーブとアウターの許容範囲は?アウターの縮み量は?等、検討する課題は多岐に渡ります

店頭におりますと、ホイール組立てや泥除け取付けの作業をご依頼頂くことが多いですが、確かに、この様な作業も簡単という訳ではありませんが、ある程度の法則と作業手順が決まっていますので、悩む事は皆無です
しかし、アウターワイヤーの長さはコレといった正解が無く、今回の様なブレーキレバーの場合には本来使用するバッグにもよりますし、車種・フレームサイズ・ブレーキレバーの向き、配色のバランス・フレームとの相性等、毎回大いに悩んでしまいます

いつまで悩んでいても仕方が無いので「基本的なセッティング」をご紹介します


ステムをMAXまで上にした状態でハンドルバー上からブレーキアウターの頂点までの距離を11cmにしています
勿論、全ての自転車のアウター長さを統一しているわけでは無く、状況で変化させています

ロードバイク・・・9cm
スポルティフ・・・10cm
ランドナー・・・11cm
キャンピング・・・12cm
ロードバイクの場合にはフロントバッグを付けませんから短くてOKですし、キャンピングの場合には重厚感を出したいので、長めに取っています

ここから、フレームサイズで調整していきます
500mm未満・・・マイナス1cm
560mm以上・・・プラス1cm

左右のワイヤーの交差によって更に調整していきます
左右のブレーキワイヤーが交差しない・・・マイナス1cm


ハンドル上部でブレーキワイヤーが交差するかしないかはフレームアウター受けの位置で決まりますし、アウター受けの位置は使用するバッグの形状で変化します(フロントバッグのフタが前開きなのか後開きなのか等)場合によってはベルの位置によっても変化します

今回の場合は・・・
ランドナー+フレームサイズ560mm・ハンドル上部で交差しない=11cmとなります

勿論、この式が全てではありません
キャンピングの大きめフレームサイズであっても、ハンドル下部を肘をしっかり直角程度まで曲げて、峠をアグレッシブに下る方は恐らく14cmもハンドル上部からワイヤーが出ていると顎にワイヤーが当たってしまうかも知れませんし、ワイヤーは短い方がブレーキの効きが良くなりますから、超小型のフロントバッグを使用したスポルティフならロードバイクと同じ程度にアウターを短くした方が良いこともあります

しかし、大槻としては、店頭に並べている展示車のアウターワイヤーの長さばバラバラなのはキレイでは無いと思っていますし、ご購入頂くユーザー様にvelocraftの組立て方法をご理解頂き、展示車と納車のイメージがなるべく同じになる様に寸法を決めています
ご購入の場合は、ご指示頂ければ勿論ソレに合わせますので、「コダワリ」では無くイメージ作りなんだとご理解ください

さて、これでワイヤーが通りましたので、次回はブレーキ調整に入ります
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.15

15回目はハンドル周辺のパーツ選び

無数にあるハンドルやステムですが、普通のWレバーを使用したランドナーバーに絞って紹介致します


ランドナーバーはニットウ製のみオススメしています

ハンドルや種類だけでなく、ハンドル幅サイズも多種存在します
しかし、velocraftでオススメしているハンドルバーの種類は非常に限定的だと思います

1・B135 420mm幅
一番ポピュラーなランドナーバーだと思います
サイズは420mmの他に390mmと450mmがありますが、特殊な場合を除き(身長2m前後orオーストリッチF106をランドナーバーで使用時のみ450mm)420mmをお勧めしています
身長が低めの方ですと、ついつい390mmを選んでしまいがちですが、ツーリング車のアイデンティティーでもあるフロントバッグが装着出来なくなってしまう為、選ぶことはありません
ブレーキレバーで一般的なフーデッドレバーの場合にはこれを選択します

2・B136 400mm
身長が160cm程度の方にはB136がおすすめ
ハの字に広がるランドナーバーの中で最も垂直に近い広がりでエンド部とブレーキレバー部の幅の違いが少なく、幅が400mでもB135の420mmとほぼ変わらない幅を持っています
レバー部の幅が同じでもエンド部の幅が狭いので、小さ目のフレームサイズでも違和感無く、装着することが出来ます

3・B132 410mm
リーチが長く、ギドネットレバーとの相性が良い
他のランドナーバーと比べて、20mm位リーチが長いので、ギドネットレバーとの相性も良く使いやすい形状
コチラも幅390mmもラインナップされていますが、フロントバッグが装備しにくくなるので、ご提案することはありません
またリーチが長いので身長が大きい方でも、無理にトップチューブやステムを長くする必要が無くなるので、バランスが取れたシルエットが演出出来ます

今回はB135 420mmを使用します


ステムは上写真の3種類から選択します


1・ニットウ NTC-150
最もポピュラーなタイプで、どんなツーリング車にも対応しやすいと思います
グランボアから発売されているFバッグサポーターも取り付け出来ますので、機能としても申し分ありません
コスト最優先の場合に最適です

2・ニットウ NPステム
パールからマイナーチェンジしたNPステムは、NTCよりも高級品にしたい方に最適
サイズもNTCはΦ25.4mmのみですが、NPステムはΦ26mmもラインナップされていますので、ロード用バーとの組み合わせもしやすくなっています
グランボアとニットウからFバッグサポーターもラインナップされています

3・グランボア クロモリステム
クラシックな雰囲気を求める方や乗り心地を柔らかくしたい方にオススメ
ニットウのアルミ製と違いクロモリ製にメッキ処理ですので輝きが違いますから、よりクラシックさや高級感を出したい時にオススメです
このステムはアルミ製ステムと比べてタワミが大きいので、よく言えば乗り心地が柔らかい、悪く言えばブレーキング時に前にツンノメルという差があります
その形状からFバッグサポーターの高さ調整がしやすいので、大きめサイズのフレームに特に相性良く使用出来ます

今回はニットウNTC-150 80mmを使用します


フーデッドレバーはダイアコンペのDC204Qを使用します
その他高級版のGC202Qもありますが、「普通」のランドナーに似合うフーデッドブレーキレバーはこの2種類しかありません

カラーは基本204がブラックorブラウン、202がブラウンorホワイトとなります
(場合により、他カラーを選択出来る場合もあります)

これで、ハンドル・ステム・ブレーキレバーが決まりました
そのセッティングはどうしましょう

ハンドル下端の延長線上にブレーキレバー先端

ハンドル下端の延長線上からブレーキレバー先端が上2cm

ハンドル下端の延長線上からブレーキレバー先端が上4cm

セッティングで重要なのが、ブレーキレバーの取付け位置でしょう
上写真で解りやすく3種のセッティングをしました
どれが正解でどれが不正解という訳ではありませんが、大事なのはフードの上から手をかぶせた時のブレーキレバーの握りやすさとハンドルバー下を握った時のブレーキレバーの握りやすさのバランスでしょう

ブレーキレバーが下に付いているとハンドルバー下を握った時にはブレーキが掛けやすくなりますが、フードの上に手を置いた時には手首が後に返ってしまい、握りやすいとは言えません
積極的に下ハンを握る方に向いているセッティングです
よくハンドルの高さとサドルの高さが同じか若干ハンドルの方が高い極端にハンドルバーが高い方がいますが、これはハンドル下を積極的に握る方のセッティングで、ブレーキレバーが下方に付いていることが多いですよね

逆に上に付けると、フードの上に手を置きやすくなりますが、下ハンドルは握らないというセッティングですね
カンチブレーキやセンタープルの様に近年のサイドプルやディスクブレーキと違い制動力が弱めのブレーキの場合は下り坂は厳しくなります
フード上からのブレーキングではスピードコントロール程度は可能ですが、パニックブレーキはほぼ不可能だと思います(握力によりますが)

過去に自転車専門誌(どの雑誌だったか忘れました(汗))に寄稿したことがありますがスポーツバイクの場合ブレーキに求められる性能はスピードコントロールとよく言われています
しかしパニックブレーキも非常に重要です
いくらコントロール性が良くても絶対的な制動力が無ければイザという時に止まりきれませんからね
ブレーキを製造しているメーカーさんの話しでもコントロール性と制動力は相反する箇所があり、そのバランスは各個人で感覚が違い、万人に受け入れられる性能バランスを出すのが設計で最も難しいと仰っていました
正にその通りだと思います

その為、レバーを4cmも上げる様なセッティングをした自転車は峠に行く様なことがない、平地用のセッティングとなり、ツーリングバイクとしては使えないセッティングと言えると思います
但し、近年のロードバイクは制動力が極端に上がっていますので、フード上からのブレーキングのみで、強力な制動力を持っています
強力なパニックブレーキ性能を保持しながらスピードコントロール性も考慮しているという印象で、パニックブレーキ側に重きを置いていると感じています
レバーを上げるセッティングは強力なブレーキングパワーがあるブレーキシステムのみとしてください

っということで、基本的にvelocraftでは上写真真ん中のハンドルバー下端の延長線上からプラス2cm位で組み付けています(オーナーの指示があればソチラを優先します)


ステムにはコレ以上コラム内に埋め込まなくてはならないラインが書いてありますので、ラインぎりぎりのところでフレームに固定します
つまり、一番ハンドル位置が高い箇所ということです
これはブレーキワイヤーの長さを決める為に、そうしているだけなので、ステムが一番高い位置で乗るという訳ではありません


ハンドルバーの角度は、先ほどのブレーキレバー取付と同じで、前上げにし過ぎるとハンドルバー下が持ち難くなりますので、ハンドルバー底面が地面に対して平行~前上げ5°程度としています

次はブレーキのセッティングです
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.14

今回でギアシフト系のパーツアッセンブルは終了します

シマノやカンパニョーロ等のコンポーネントで制作する場合は、ギア比以外はさほど考えて制作する必要は無いのですが、サードパーティメーカーを採用すると、とたんに難しくなるのが自転車パーツ

ツーリング車用のコンポーネントはありませんから、基本的にメーカー推奨や縛りに頼らずに自らの経験と技術でアッセンブルしなければいけません
ビンテージパーツを採用する場合がその極め付けだと思いますが、現行品であっても多くのデータが必要です


シフトレバーはシマノのWレバーSL-7900を使用します
左・フリクションの右・インデックスの10段タイプとしてシマノ製唯一の製品です

その他代表的なWレバーにマイクロシフトとダイアコンペがありますが、マイクロシフトはバーコンをダウンチューブに取り付ける様な形状で好きになれませんし、ダイアコンペはラチェットタイプのフリクションですから、インデックス機構が無く、操作は指先の感覚に頼ることになります

5段や6段ギアでしたら、フリクションタイプでもテクニックで操作可能だと思いますが、10段ともなると、僅かなレバー操作でギア選択を行いますので、シフト操作を1発で決めることはほぼ不可能

ギア変速をする度に微調整が必要になりますので、ハンドルバーから手を放す時間が長くなり、安全で使いやすいとは言えないと思います

「フリクションなら調整が狂っても操作し続けられる」と言われることもありますが、調整が狂ったなら調整し直せば良いだけですし、調整が狂った時の為に平常時に操作感の悪さを我慢する必要はないと思います

どうしてもフリクション機能を残したいなら、9段仕様のSL-7700や旧モデルの10段仕様のSL-7800を使用する手はあります

勿論「操作感の悪さを楽しむ」という遊び心は、大槻として大いに賛成出来る考え方です
「シングルスピードの固定ギア」「前後のブレーキを外してトリックをするBMX(公道以外専用パークでの使用)」「FATバイクで舗装路」なんかと同じ考え方ですよね
最近のBMXですと、あえて「前輪をはずす」なんて人も出てきています(笑)


Wレバーは左は手で締め込むだけで、右はマイナスドライバーで固定するだけで簡単に取付け出来ます

Wレバー台座は塗装されていないことが殆どですから、薄くグリスを塗布しておきます


このフレームはBB裏にM5ネジを切っていますので、プラスティック製のワイヤーリードを取り付けておきます

この時に気を付けるのが取付ボルトの長さで、長すぎるとBBと干渉してしまいますので、適正な長さに合わせる必要があります

おおよそ10~12mmの長さで緩み止め用のスプリングワッシャーを取り付ける様にしています

BBを取り付ける前にワイヤーリードを付けてしまうと、BBを傷つける可能性があるので、通常はこの段階で作業していますし、BBを外す時は先にワイヤーリード固定ボルトを緩めてから作業しています


リアディレーラー部アウターワイヤーもWレバーに付属していますので、長さを合わせておきます
アウターキャップはフレーム側が黒いプラスティック製でディレーラー側はシルバーのアルミ製を使用します

ディレーラー側はアウターのカーブがキツくアウターキャップが変形しやすい為です
アウターワイヤーのロゴマークも出来るだけ合わせておきましょう


インナーワイヤーも通したら、シフト調整を行います

マイクロシフトのディレーラーには英語の説明書が付属していますので、トルクを含めてそれに合わせて調整すればOKですが、ほぼシマノ違いがありませんので、オンラインで公表されているシマノの説明書を参考にしても良いと思います


調整が終了したら、余分なインナーワイヤーをカットします
大槻は15~20mm位の長さにカットしています
上写真は15mm残してカットしたものですが、比較的短めだと思います
リアディレーラー側はあまり気にしなくて良いのですが、フロントは脚に近い場所なので、少しでも当たり難くする為で、当たりやすいとインナーキャップが取れて解れたワイヤーが脚に刺さることを少しでも減らすことが目的です


その為、インナーキャップは手で引っ張ったくらいでは取れない様にすこし大げさすぎる程度に固定しています

これで、シフト系はおしまい、次はハンドルからのブレーキ系です
続きます・・・

各店舗 定休日情報

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CWS吉祥寺

<6月>
・6月7日(水)
・6月14日(水)
・6月21日(水)
・6月28日(水)

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velocraft

<6月>
・6月7日(水)
・6月14日(水)
・6月21日(水)
・6月28日(水)

*大槻不在日 6日(火)・13日(火)・20日(火)・27日(火)
 PM14:00まで不在 22日(木)
※オーダー車の受付けご相談等は、大槻在店時にお願い致します
 (ご予約承ります)

*喜田不在日 9日(金)・23日(金)
※電動アシストの修理・ご相談は喜田在店時がお勧めです
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CWS池袋

<6月>
・なし

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※営業時間は各店異なります。店名をクリックして各店舗の情報をご確認ください。

velocraft流組立て基本編 vol.13

次はペダルとチェーンを取付けますが、実際の取付けは一瞬で終わってしまいます

取付け方法と言うよりもvelocraftでのパーツの選択方法のご紹介がメインになります

ペダルは基本3種類から選択しています
1・両面踏みでトークリップ無 2・片面踏みでトークリップ有 3・ビンディングペダル
仮採用や最初の1台の方には1を、スニーカーや軽登山靴で乗られるツーリストには2を、その他全ての方に3をオススメする様にしています

オーダーメイド車を制作する場合には、ペダルとシューズが決まっていないとフレームの正確な設計が出来ませんので、ご注意ください
特にシューズが決まっていない場合、velocraftではフレーム寸法は大よその予測で設計しています
※イメージとして、5mm単位が10mm単位になる感じです


両面踏みペダルはMKS・ツーリングライトSとシルバンツーリングをご用意しています

シルバンツーリングが販売量は圧倒的に多いですが、より高品位をお求めの方にはツーリングライトSをオススメしています

両面踏みタイプですが、トークリップの装着も勿論可能ですので、自転車に慣れてきたらトークリップという方にも良いと思います


片面踏みタイプはカンパニョーロに近い形状のシルバンロードとリオタープラットフォームに近い形状のアーバンプラットフォーム
どちらも、必ずトークリップやハーフクリップを取り付けて使用してください

近年はスニーカーで自転車に乗る方が多いので、踏み面の広いアーバンプラットフォームが特に人気があります

シルバンツーリングはツーリングロードやサイドプルブレーキを採用したスポーティなスポルティフに似合うと思います
昔ならカンパ・レコードを採用していたであろう車種というイメージでしょうか


ビンディングシューズはシマノ・PD-M324とPD-M520をご用意
ビンディングシューズでしか乗らない方には両面ビンディングのPD-M520をお勧めし、ビンディングとスニーカーを併用する方や初めてビンディングという方には片面ビンディング・片面フラットのPD-M324をお勧めしています

最近はトラディショナルなツーリング車でもビンディングペダルの使用率が上がってきています
ロードバイクからツーリング車に乗り換える方も多いので、ビンディングペダルへの恐怖感も薄らいできているのでしょう
乗り味の追求や正確なポジショニングや歩行のしやすさでビンディングペダルは、有用だと思います

以上の6種がvelocraftでオススメしているのですが、実際には一部のペダルにはカラーバリエーションや仕様の違いがあります



シルバンツーリング&ロードにはプライムシリーズという高品位タイプがあります
主にシャフトの仕上げの差なのですが、上写真の左側がノーマルタイプで右側の少し輝きが有る方がプライムになります
表面の仕上げの違いから、よりスムースな回転をしてくれますので、プライムシリーズの方が人気が高いと思います


アーバンプラットフォームとツーリングライトSにはEZYスーペリアという着脱式タイプもラインナップされています

チョットの操作で簡単に左右ペダルが着脱出来ますので、輪行時に大変便利ですし盗難防止に自転車から離れる際にペダルを外しておくことも出来ます

また、着脱可能なEZYというタイプのペダルもあるのですが、着脱の際にプラスティック製のリング状パーツも着脱しなければならず、冬場には良くそのパーツが割れてしまうので、あまり使いやすいとは言えず、基本店頭に在庫はしていません
有名なところではアラヤ・スワローランドナーに採用されているタイプです


今回は基本編ということで、シルバンツーリングのプライムシリーズ(プライムシルバンツーリング)をトークリップ無しで取付けます

シルバンシリーズは座面(クランクと接触する箇所)が15mmレンチで固定する様になっており、フランジの無い切りっぱなしの形状ですので、そのまま締め付けるとクランクに傷が付いてしまいますので、ペダルワッシャーを使用して固定をします
ネジ部には固着を防ぐ為にグリスも塗布しています

後は締めつけるだけですが、締付けトルクの指定が特に説明書に記載されていません
MKSの他種には35~40Nmとありますし、MKSホームページには30Nm程度とあります
どちらなのでしょう??
ちなみにシマノの説明書には35~55Nmとなっています
そこで、通常velocraftでは40Nm「程度」で締めつけています

ペダルの場合に悩むのが、メーカー指定トルクで締めつけても、ペダルから異音がすることがあるということ
「メーカー指定組み付け方法で異音が発生=不良品」と言えなくはないかもしれませんが、少しオーバートルクで締めつけると異音が消える場合が殆ど
常識の範囲内ですが、そんな時はオーバートルクで締めつけてしまいます

この辺の塩梅はショップによって異なるところでしょうか?

ペダルの締め付けトルクを計測するには15mm薄口スパナ形状の専用工具が必要な場合が多いですが、上記の殆どのペダルは取付けネジの裏に6mmアーレンで締め付ける為の穴が開いていますので、アーレンキタイプの工具でトルク管理出来るのが魅力です
但し、EZYスーペリアは構造上アーレン用穴は無いですし、15mmスパナも超薄口でないと取付けが出来ないので、専用工具もアクセス出来ませんからトルク管理は行っていません


チェーンはシマノ製を使用しますが、10S用チェーンは3種類あります

左からCN-6701(HGフロントダブル用)CN-6600(HGフロントトリプル用)CN-HG54(HG-X用)

今回のパーツ構成では正直どれを使用しても問題ありません
シマノの純正パーツはスプロケットだけですが、スプロケットにHGとHG-Xの違いが無いこと、フロントダブルですが、フロントトリプル用のCN-6600はダブルでも使用可能です

その為、どれでもそれなりに変速してくれます
勿論、シマノ推奨の組み合わせではありませんから(クランクもディレーラも他社を使用している)基本的には自身での判断となります

今回は単純に軽量なCN-6701で組み付けることにします



チェーンをインナーxトップに通していきます
気を付けるのがチェーンの向きですので、上写真をご確認ください

チェーンは左右板と中央部ブロックをピンで繋ぎ合わせていますが、クランク側に左右板・リアディレーラ―革に中央部ブロックにします
そうすることで、チェーン切れが少なくなります
シマノの説明書でも、この仕様を「強く勧めます」と記載されていますので、ソレに合わせるのが普通でしょう

その後チェーンの長さを決めるのですが、velocraftでは「ディレーラーのキャパシティ以内なら」インナーxトップでリアディレーラーのバネが効くギリギリ緩い位置に合わせて、「ディレーラーのキャパシティを超えているなら」アウターxローでチェーンの長さがギリギリ足りる長さにしています

シマノの説明書と違う設定方法なのですが、この方法が一番簡単に長さ設定が出来て、トラブルも少ないと思います(シマノをフルセットで使用する場合には説明書に合わせていますし、キャパシティを超えるセッティングもしません)


後は専用工具とアンプルピンでつなげばOK

さて、ペダルとチェーンが付きましたので、次回はWレバーからのシフトワイヤーですね
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.12

第12回は、クランク周辺の取付けです

基本的には説明書通りに組み付けていけばトラブルになることは無いと思いますが、フレームとの相性もありますので、チェックしながらの取付けが必要です

まず、今回使用するクランクセットですSUNXCDのクランクとチェーンリングでクランク長は165mm・リングは46-30Tを使用していきます

ロードバイクと比べてツーリングバイクの場合にはペダリングによる大きなトルク変化は少なく、急加速をするわけではありませんので、比較的短めの165mmを採用することが殆どですが、ロードバイクのペダリングを求めている方へ若干長めにすることもありますし、身長に合わせて160cm以下なら160mmや180cm以上なら170mmなど変化させることもあります

勿論、オーダーメイドの場合には使用するクランクやギア比等に合わせてシートアングルを変化させますし、マスプロ車ならフレームとの相性で使用出来るクランク長が決まってしまう場合もあります

SUNXCDのクランクは昔のシクロツーリストや49D等と同様のアウターリングがスパイダーを兼ねているタイプですので、8S以下のリアギアの場合にはTA社の5VISリングを使用することも可能ですが、今回は10Sですので純正のSUNXCDリングを使用します

クランクとチェーンリングの取付けは難しくはありませんが、まずアウターとクランクを取り付けてからインナーを取り付けてください
先にチェーンリング2枚を取り付けてしまうとクランクとアウターの取付けボルトが干渉してしまい、取り付ける事が出来ません

また、取付ボルトはクランクとアウターは9mmレンチと4mmアーレン、アウターとインナーは4mmアーレン2本を使用しますが、ボルトと工具の掛かりが浅い設定の為、ボルトに傷を付けない様に慎重に行ってください


クランクを取り付ける前に防錆の為、BBシャフトにグリスを薄く塗布しておきます

スギノのCBBALはシャフトが黒仕様なので、銀色にメッキされたBBシャフトと比べて若干サビ易い傾向があります

グリスはホンの少しでサビの進行を遅らせてあげられます


クランクは14mmのソケットレンチで固定出来ます
SUNXCDの場合には特に説明書も無く、指定トルクは解りませんがシマノの説明書によるとスクエアテーパーBBのフィキシングボルトの締め付けトルクは35~50Nmですので、今回は40Nmで固定しています

トルクが緩いとネジの緩みが気になるますし、締めすぎはクランクの取付け部が広がってしまったり、割れてしまったりが気になりますので、メーカーには適切な締付けトルクやグリスの有無をしっかりと明示してもらいたいですね

フィキシングボルトを固定したら、クランクキャップを取付けます
SUNXCDはアルミ製のネジ込みタイプが付属しており、恰好は良いですが、取付けの5mmアーレン部はかなり弱いので、ちょっとオーバートルクになるとナメてしまいます、注意してください



クランクを取付けたらフレームとの相性をチェックします
SUNXCDクランクの指定BBシャフト長は110mmなので、そのサイズで今回は組み付けています(チェーンライン43.5mm)

インナーチェーンリングとフレームとの隙間は約4mm、クランクとフレームとの隙間は約9mm開いています

この隙間がチェーンリング側で2mm以下フレーム側で5mm以下になると、ペダリングの際にフレームがタワミ、パーツとフレームが干渉してしまいます
今回は最低箇所が4mmですので、通常使用に問題になることはありません


しかし、通常使用が問題無ければそれで良い訳ではありません
外装式ギアの場合には、どんなに調整してもどんなに丁寧に乗車してもチェーンが外れる場合があります

チェーンの切れ端を用意して、チェーンが外れた際のフレームとの干渉をチェックします

チェーンが外れる事を前提に自転車を組み立てるなら、インナーとフレーム側は4mmしか隙間がありませんが、チェーンの厚みは約5.9mmありますので、チェーンがインナー側に引っ掛かりフレームにダメージを与えてしまいますから、BBシャフト長を長く変更させる必要があります
そうすると、チェーンラインは外に広がってしまいますので、多少なら使用上問題は無いのですが、アウターxローギアでチェーンを逆転させるとチェーンが落ちてしまう等の別のトラブルが出る可能性もあります

今回は「極普通」に組み立てるのがテーマですので、メーカー推奨の110mm長のままで進めていきます
※でも本当は113mmの方が良いと思います

フレームとチェーンリングの隙間はフレーム・チェーンステーの潰し方とラグ形状で決まりますので、オーダーする場合にはチェーンリングの大きさを決めておく必要があります
逆にオーダーの際にチェーンリングサイズを聞いてこない事があったら、適当に制作されてしまうこともあり得ますので、ご注意ください
場合によっては、ビルダーにパイプの潰し方を指定する必要もあります
ロードバイクの場合でしたらインナーギアは39~42Tの間でしょうから、そこまで気にする必要はありません



取付けるフロントディレーラーはマイクロシフトのR52SFです
このタイプは直付けタイプしか輸入されていませんので、別売のFDバンドと併用して取り付けます
使用するSUNXCDのバンドは前面が平らなので、FDに付属しているカラーを外してから取り付けます

マイクロシフトのFDはカラーが外れるタイプなので、ベストなFDバンドですが、カンパニョーロのFDはボルトとカラーが外せない機構ですので、別メーカーのFDバンドの方が(ダイアコンペ等)相性は良くなっています


FDの取付けは極標準的で難しくは無いと思います
平行に気を付けて、FD高さをアウターチェーンリングの上端から約1.5mmの位置にしています

さて、これでFDとクランクセットが付きましたので、次回はペダルとチェーンを取り付けていきます

velocraft流組立て基本編 vol.11

組立て紹介も、もう11回目
いよいよパーツをアッセンブルしていきます

まずは、前回紹介のギア系を付けていきます
先にハンドルバーを付けてしまうと、作業中に回転してフレームを傷つけてしまうかもしれませんし、サドルはダミーのシートピラーを付けていますので、作業手順としてはギア系が効率よく作業出来ると思います


まずはスプロケットを取り付けますが、今回使用している5800系105のリアハブは基本11段用ですから、10段スプロケットを装着する場合には上写真の専用スペーサーをフリーボディ奥に入れておく必要があります
スペーサー自体はハブに付属していますので、箱から出したときに無くさない様に


スプロケットをハブに差したら専用の工具で固定していきます

シマノの指定トルクには幅があるのですが、velocraftでは基本中間位の40Nmでトルクレンチを使用して固定しています

最近は自転車店ではトルクレンチの使用も当たり前になりましたよね
逆に一般ユーザーの方も普通に使用しますので、コスト的な負担は増えてしまいました


BBはスギノのCBBALを使用します
タンゲ・LN-7922やシマノなどからも対応BBは販売されていますが、スギノは最初から緩み止めが塗布されていて、緩みやキシミが少ない様に感じます
転がり抵抗は計測した訳ではありませんが、各社そんなに違いは感じません

また、スギノの同タイプは他社よりも中央部の直径が小さいので、ダイナモコードやシフトワイヤーを通す際には非常に有用なBBです
※毎回現物確認をしています 不可の場合もあります


BBのネジと左ワンの内側にグリスを塗布します

スギノの説明書にはグリスを塗布するとも塗布しないとも記載されていませんので、どちらでも良いのかも知れませんが、防錆効果を意識して今回は塗布しています

シマノのBBはグリスを塗布するタイプと、してはいけないタイプがありますし、近年のカンパニョーロは塗布してはいけない物が多いので、取付けの際にはお気を付けください

昔ながらの自転車組立てのイメージだと「BB取付けネジ=グリスを塗布」なのですが、近年は昔の常識が非常識になってきているので、戸惑うこともしばしばありますね

各社説明書がありますので、その都度説明書でご確認ください
説明書の内容だけでは解らない事もあるので、その際はメーカーに直接問い合わせるのがベストですが、、同様のシマノ部品の説明書を確認して、それに合わせてしまうこともあります


BBネジの取付けは必ず最初のうちは(今回の場合緩み止め直前まで)手のみで締めていきます

最初から工具を使用してしまうと、ボルトが捻じれてナナメに締ってしまうことが多い為です
BBのネジは非常にネジピッチが細かく、ナナメに入りやすいので特に注意が必要です

大槻もBBがナナメに入った自転車や、それが原因で廃車になった自転車を数多く見てきました
恐らくユーザーが考えている以上に多く起こるトラブルだと思います
※新車のメーカー完成車でも充分起こり得ることなんです・・・


今回のBBは右側から締め付ける必要がありますが、ボルトを締めていくと、塗布したグリスと元々付いていた緩み止めがはみ出してきます


BBを締め切るチョット前の段階で一旦止めて、はみ出た緩み止めとグリスを拭っておきます

折角BBフェイシングをしたのに、こんなゴミが間に挟まっていたら何の意味も無いですからね


勿論最後はトルクレンチで固定します
今回はメーカー指定の中間値60Nmにしています

トルクレンチを使用する場合は、ネジの目立てがしっかりしていないと雄雌ねじ同士の摩擦て適切な軸力が得られません
ネジの摩擦が大きすぎると適正なトルクで締めても適正な固定力にはならない事をご承知置きください

大槻が仕事をし出した頃は「ネジはキツイ方が緩まなくて良い」なんて言っていたのですが、完全に間違いですよね


次にリアディレーラーを取り付けます
使用するマイクロシフトのディレーラーは取付けボルトがアルミ製ですので、適切なトルク管理が必要です

5mmアーレンキ1本の作業なので、ココは簡単ですよね



リアディレーラーを付けたらリアホイールをハメて、この段階で、トップ位置とロー位置の調整をしておきます

そうすることで、チェーンの取付けが容易になりますし、シフトワイヤーを張った状態でのディレーラー調整でリアホイールとの干渉も防げます

まずはパーツを全て取り付けてから調整では無く、必要な箇所は取付けと同時に調整が必要です
勿論、現段階での調整は仮調整なので、最終的な調整は後で作業することになります

とりあえず今回はこの辺で、続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.10

前回までで、最も時間が掛かる泥除け取付けとホイール組立てが終了しました

これからは、コンポーネントと呼ばれるギア系やブレーキ系・ハンドルやサドルを取り付けていきます

ホイールや泥除けに比べて作業は楽なのですが、パーツのチョイスで自転車の基本性能や格好良さは大きく変化しますので、どんな部品のどんなサイズを取り付けるかが重要ですし、シマノやカンパニョーロなど、の基幹部品メーカーは「ツーリング車用パーツ」は一切販売していませんから、ロード用やMTB用のパーツとサードパーティのパーツを上手くミックスさせてアッセンブルしていく必要があります

最近はニットウやサンエクシード・アラヤ・ダイアコンペ等ツーリング車に取り付けて恰好良くて使いやすい部品がかなり増えていますので、選択肢が出来て楽になってはきました

velocraftがオープンした当時では考えられない位の種類が新たに発売されたりリバイバルされてきました

今回使用するパーツを紹介していきます


まずは、クランク
SUNXCDのクランクは往年のTAシクロツーリストやストロングライト49Dやスギノプロダイ等と同じ規格で、アウターチェーンリングがスパイダーを兼ねている形状です

見ためもシルバーでスッキリとしたデザインで、どんなツーリングバイクにも似合いそうですし、velocraftでも現在は圧倒的な人気を誇るクランクです


チェーンリングもSUNXCDを採用します
44T・46T・48Tのアウターと28T・30T・34Tのインナーがラインナップされていて、スポルティフ的な自転車からキャンピング的な自転車まで幅広く対応しています

このチェーンリングは基本的にリアギアが10段用に設計されているので、リアギアは10段で組立てていきます

ちなみにメーカー推奨では無いかもしれませんが、9段や11段での取り付け実績もあり、問題はまず無いと思います


アウターとインナーを固定する専用PINですが、ボルト・ナット・スペーサーの他に0.5mm厚の非常に薄いスペーサーもセットで付属しています

この0.5mm厚スペーサーは9~11段で使用する時には使用せず、8段以下で使用する場合にチェーンの厚さが増す分の逃げとして使用します

つまり、5~11段までSUNXCDのチェーンリングは使用出来ることになります
但し、相性がありますので、全てOKという訳にはいきません
経験上ですが、カンパのチェーンとの相性は良く無く、特に10段のチェーンは「つかえない」レベルの相性の悪さでした

8段以下を採用される方は、現在も販売されているTA社の5VISチェーンリングにすることが圧倒的に多い傾向があります
26T~40Tまでのインナーと44T~52Tまでのアウターがあり、SUNXCDに比べてラインナップの幅が広く、ダブルだけでなくトリプルにも対応しているメリットがあります


フロントディレーラーはマイクロシフト社のFD-R52SFを使用します
輸入元のダイアコンペさんのカタログや商品の化粧箱に記載されている情報とは違いますが、経験上velocraftでは「対応アウターギア36~48T キャパシティ16T」で使用しています

SUNXCDのチェーンリングはアウターが44~48Tですので、全てのサイズに対応していますし、44-28T・46-30T・48-34Tの組み合わせでキャパシティもクリア出来ますので、非常に使いやすくなっています

勿論、ダイアコンペのカタログにある様に「48T使用時にはキャパシティ18T対応」としても使えるので、48-30Tという超ワイドギアにすることも可能です
若干アウターからインナーに落とす際にチェーン外れが多くなりますが、チェーンウォッチャー等で充分対応可能な範囲ではあります


スプロケットはシマノCS-HG500-10を使用します
ツーリングバイクでは、ワイドなギア比を求められる方が多いので、12-28Tか11-32Tのどちらかを使用することが殆どです

自分なりのギア比で組みたいという方向けにTAから1枚づつ選択出来るタイプも販売しておりますが、近年の多段化傾向では、特殊な選択肢だと思います


スプロケットのローギアを28Tにする場合はリアディレーラにマイクロシフトのRD-R47Sを多く選択しています

シマノのティアグラは新モデルの4700系とシマノのWレバーとの相性が悪く上手く動きませんし、ガンメタカラーでツーリングバイクに似合うとは思えません

そこで、マイクロシフトの「シルバーカラー」を使用する訳です


ローギアが32Tの場合には上記マイクロシフト・RD-R47Sではキャパシティが足りないので、SUNXCDのリアディレーラーを使用しています
ローギアが28~34Tに対応していますので、12-28Tを採用した場合でも使用出来るのですが、ディレーラのゲージは短い方が恰好良いと思っているので、基本使用しません

ローギアの最大歯数が34T対応ですから、必要ならば11-34Tのスプロケットを使用することも出来ますが、実際選ぶ時にスプロケットの大きさが気になってしまい、ご要望が無い限りご提案はしていません


こんな感じのパーツセットがvelocraftでの基本構成です

つまり、フロントギアが44-28T・46-30T・48-34Tのいずれか、リアギアが12-28T・11-32Tのいずれかで、計6種類の選択肢があります

現代のツーリング車では「登りでキツかったら、押して歩けばよい」は通じません
大槻自体は、疲れたら直ぐに自転車から降りて歩いてしまうのですが、(疲れ切る前に計画的に降りて歩き、筋肉がほぐれたら乗車して漕ぐイメージ)
「押して歩くのが恥ずかしい」という方が大半の様な気がします

そこで、なるべく歩かない様に、ローギア設定が重要だと思いますし、最も多く使う常用ギアも重要です

下りでは筋肉がコワバッてしまわない様に下っている時もペダルを回して欲しいのですが、下りは惰性でしか進まないという方が大半なので、トップギアが考慮に入れません

上表は、常用速度での時速と最低速度での時速をメジャーなタイヤサイズを例にして算出しています

常用速度時はフロントがアウターでリアが10段ギアの真ん中周辺を使用した時の数値です

走りはじめは常用速度時のギアから2枚分軽くしておき、スピードに乗ったら2回シフトアップで常用速度になる様にしています

走りはじめはスプロケットのトップギアから7枚目か8枚目になるはずですから、アウターギアでも無理ない程度のチェーンの捻じれで、停車中のペダル逆回転でもチェーンが落ちる心配は、ほぼ無いと思います

上記表を見て頂くと解ると思いますが、常用速度は20km/h台前半で、最低速度は6~7km/h台に大体収まっています

つまり、上記6種はどんなギア比を選択しても実際の走行速度への影響は少ないと考えています
一番重たいギア比の34-28T・700x32Cの場合では最低速度が7.85km/hですが、ペダル回転数を40rpmまで落とせば、6km/h台前半まで速度は落ちます

疲れ切った時にはそれ以下まで速度は落ちますので、より軽いギア比を選ぶというのは間違いでは無いですし、確実に楽に走れますので、適切だとは思いますが、実際の速度に変化はほぼ無いと考えています

ではvelocraftではどこでギア比を決めているの?っと言いますと、スバリ・・・

車種とフレームサイズ

スポルティフ系だからフロントは48-34Tでリアが12-28Tとか
フレームサイズ470mmだからフロントは44-28Tでリアが12-28Tとか
フレームサイズが560mmだからフロントは46-30Tでリアが12-28Tとか
今回はコレ↑↑
フレームサイズが600mだからフロントは48-34Tでリアが11-32Tとか
キャンピングだからフロントは44-28Tでリアが12-28Tとか
オフロード系パスハンターだからフロントは44-28Tでリアが11-32Tとか
モチロン、体力に自信が無いからフロントは44-28Tでリアが11-32Tは有り

そんな感じ(笑)

ギア比はそんなに悩みながら決めてないのが大槻流(?)です

次回は、上記組み付けに入ります

続く・・・