2017年05月
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
velocraft流組立て基本編 vol.16

今回から2回に分けてブレーキを取り付け調整していきます

ブレーキが終わればメカニカルな部分が終了し、バーテープとサドルを取付ければ組立ては終了ですから、先は見えてきました


ブレーキアーチは前述のシマノBR-CT91を使用しますが、このカンチブレーキには上写真にあるY型ユニットリンクと呼ばれる、チドリとアーチワイヤーがひとつの部品になったものが付属されています

このパーツを使用することで、ブレーキシュー調整やレバーのストローク調整が簡単に済むのですが、ブレーキワイヤーを外してハンドルバーを抜くタイプの輪行方法ですと、作業が難しくなるので使用しません



昔ながらのチドリとアーチワイヤーを使用します
上写真はどちらもダイアコンペ製の一般的なパーツですので、費用の追加も多くは掛かりません

このタイプにすることで、ブレーキ本体からアーチワイヤーの片側を外すと、Y型ユニットリンクよりもワイヤーの自由度が高くなりますので、ブレーキレバー側でのワイヤー着脱に向いています

また、カンチブレーキはチドリとアーチワイヤーの調整で、様々なブレーキフィーリングにすることが可能になり、パニックブレーキ優先やコントロール性優先、カチッとしたフィーリングやフニャッとしたフィーリング等、ユーザー個人のフィーリングに近づけることが出来ます

但し、今回は普通に組み立てるので、一般的な調整に留める予定です


ブレーキレバーのアウター受けは基本アウターを受けるだけなのですが、今回は上写真のアジャスト機能が付いたタイプに変更します

乗車していると徐々にブレーキシューが擦り減りストロークが長くなっていきますので、乗車中でもブレーキストロークの調整が出来る様にこのタイプを採用します

今回の自転車はフロントアウター受け(コラム部)にもアジャスターが付いているので、フロントの意味は少なくなってしまいますが、リアアウター受けはフレーム直付けのアジャスター無しなので、リアブレーキには特に有用になってくれます

使用するパーツが揃ったら、ワイヤーを取り付けていきます

今回はシマノのSLRブレーキアウターとステンレスインナーワイヤーを使用します

シマノ製は最近人気の日泉製ワイヤーと比べて、コシが有り固めですので、ブレーキング時のフィーリングがダイレクトで、制動力のロスが少なくブレーキが良く効く様になります

よく、古いブレーキワイヤーを使用している方が「ブレーキの制動力をもっと上げたい」とご相談頂くことも多いのですが、ブレーキワイヤーをインナーアウター共にシマノ製に変える事を第1歩としてオススメしています

カンチブレーキの本体を交換するよりもずっと制動力が変化することも多いと思います


アウターワイヤーにはシマノのロゴがプリントされていますので、アウターの長さを決める時にロゴが綺麗に見える様にセッティングしています
SHIMANOが上下逆に見えたらみっともないですよね 勿論性能に違いは出ませんが・・・

ロゴマークが付いているのはヤダという方も多くいらっしゃると思いますが、その際には日泉のワイヤーはロゴがプリントされていませんので、スッキリと出来ます

自転車の組立てで最も難しいのがアウターワイヤーだと思っています
※修理で一番難しいのは「パンク修理」

アウターワイヤーの色は?長さは?ワイヤーのカーブとアウターの許容範囲は?アウターの縮み量は?等、検討する課題は多岐に渡ります

店頭におりますと、ホイール組立てや泥除け取付けの作業をご依頼頂くことが多いですが、確かに、この様な作業も簡単という訳ではありませんが、ある程度の法則と作業手順が決まっていますので、悩む事は皆無です
しかし、アウターワイヤーの長さはコレといった正解が無く、今回の様なブレーキレバーの場合には本来使用するバッグにもよりますし、車種・フレームサイズ・ブレーキレバーの向き、配色のバランス・フレームとの相性等、毎回大いに悩んでしまいます

いつまで悩んでいても仕方が無いので「基本的なセッティング」をご紹介します


ステムをMAXまで上にした状態でハンドルバー上からブレーキアウターの頂点までの距離を11cmにしています
勿論、全ての自転車のアウター長さを統一しているわけでは無く、状況で変化させています

ロードバイク・・・9cm
スポルティフ・・・10cm
ランドナー・・・11cm
キャンピング・・・12cm
ロードバイクの場合にはフロントバッグを付けませんから短くてOKですし、キャンピングの場合には重厚感を出したいので、長めに取っています

ここから、フレームサイズで調整していきます
500mm未満・・・マイナス1cm
560mm以上・・・プラス1cm

左右のワイヤーの交差によって更に調整していきます
左右のブレーキワイヤーが交差しない・・・マイナス1cm


ハンドル上部でブレーキワイヤーが交差するかしないかはフレームアウター受けの位置で決まりますし、アウター受けの位置は使用するバッグの形状で変化します(フロントバッグのフタが前開きなのか後開きなのか等)場合によってはベルの位置によっても変化します

今回の場合は・・・
ランドナー+フレームサイズ560mm・ハンドル上部で交差しない=11cmとなります

勿論、この式が全てではありません
キャンピングの大きめフレームサイズであっても、ハンドル下部を肘をしっかり直角程度まで曲げて、峠をアグレッシブに下る方は恐らく14cmもハンドル上部からワイヤーが出ていると顎にワイヤーが当たってしまうかも知れませんし、ワイヤーは短い方がブレーキの効きが良くなりますから、超小型のフロントバッグを使用したスポルティフならロードバイクと同じ程度にアウターを短くした方が良いこともあります

しかし、大槻としては、店頭に並べている展示車のアウターワイヤーの長さばバラバラなのはキレイでは無いと思っていますし、ご購入頂くユーザー様にvelocraftの組立て方法をご理解頂き、展示車と納車のイメージがなるべく同じになる様に寸法を決めています
ご購入の場合は、ご指示頂ければ勿論ソレに合わせますので、「コダワリ」では無くイメージ作りなんだとご理解ください

さて、これでワイヤーが通りましたので、次回はブレーキ調整に入ります
続きます・・・

« velocraft流組立て基本編 vol.15 | メイン | velocraft流組立て基本編 vol.17 »