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velocraft流組立て基本編 vol.9

前回でリア泥除けが付きましたので、ソレを分割加工していきます

折角取付けた泥除けですが、一旦全部バラしてからのスタートです


分割加工には本所工研から販売されている分割金具を使用します
勿論単品販売もしております

丸穴が2か所とM5ネジが切られた穴が1か所あり、丸穴はどちらか一方を使用しますが、カンチブレーキの今回は、内側を使用します

丸穴とネジ穴の寸法は30mm

ちなみにセンタープルの場合には外側の穴を利用します


泥除けを半分にカットする箇所にマスキングテープを貼ります

シートステーから後方に20mmの箇所を切っていきます
分割金具の穴間寸法は30mmですから、フレーム側泥除けに20mm取り外し側泥除けに10mmの位置となります

この辺は感覚で決めて頂いてよい寸法で15mmと15mmでも問題はありません

カットする時は金ノコを使用しフリーハンドで切っていますが、力強くノコ歯をたてると泥除けが変形してしまいますので、弱い力で何度もノコを往復させていく様にしてください



カットした断面はバリが出ていますから、ヤスリ等で整えてください
上写真がカット後、下写真がヤスリがけ後になっています

イメージですが、断面を指でなぞっても指が痛くない、引っ掛かりが無い程度まで、丁寧に作業してください


シートステー部に分割金具を挟んでフレーム側の泥除けを取付けます

分割金具はボルト一本で固定されているだけですから、左右に回転しますので、しっかりと分割金具が左右にズレていないことを確認してください


取り外し側の泥除けをフレーム側の泥除けに沿わせて、開けるべき穴の位置をしっかりと確認して、Φ5mmの穴を開けます

この位置はシッカリと合わせておかないとキレイなアールを描いてくれなくなりますので特に注意が必要なポイントです


分割部に取り付けるボルトを用意します

今回はステンレス製の環付きネジを用意しました

但し、環付きネジは単品で販売されておらず、本所の環付きダルマのネジを1個拝借して付けています
手で回せますし、トルクが必要な時にはコインを利用して締められるので便利ですが、なかなか簡単に入手出来ないのでネック
勿論、普通の工具で回すボルトやウイングボルトでも良いと思います

ココも泥除けが割れない様に革パッキンを用意しておきますが、他の箇所と違い厚みが必要な訳では無いので1.5mm厚程の薄い革パッキンを使用しています


一旦ボルトで固定します

この時点で、最初にピッタリと合わせたはずのアールが若干ズレていると思います
必要に合わせて再調整をしていきますが、その範囲は微調整に留まると思います

その後ステーやダルマなど全てのパーツを付けておきます



今回は泥除け止めのリフレクターを取付けます

キムラ製作所等恰好良いリフレクターもありますが、一般的なキャットアイ製にしておきます

キャットアイのリフレクターはどれもΦ45mm以上の大きさがあり、細みの自転車には似合いませんが、今回のH50泥除けは幅が51mmもありますので、さほど違和感は無いと思いますし、何と言っても非常に安価なのが魅力です

きちんと、反射面が地面に対して垂直なる位置に泥除けを穴あけして取り付けてください

ココまできたら全ての作業は終わりですので、一旦全てのリア泥除けを外してピカール等で磨いていきます

フロント側同様に狭い箇所はフレームに付いている状態では磨き込めませんので、外してから必ず作業します


作業代から自転車を外して、地面に置き、少し離れたところから全体像をチェックします

バランスは良いか、リフレクターの角度は良いか、分割部分が目立たないか、等々チェックしてOKなら泥除け取付け終了です

ココまでくれば、後はロードレーサーやクロスバイク・シクロクロスなどと作業は同じです

ホイールにタイヤをはめる・ブレーキアーチを取り付ける・ヘッドパーツを取り付ける・コラムをカットするの4点を除けば、他のスポーツバイクはココから組立て始める訳です

組立て基本編ブログも今回9回目で、撮った写真は100枚弱
如何にツーリングバイクの組立て行程が多いかがご理解頂けると思います

しかも今回は「基本編」ですから、ダイナモコードを通したり、泥除けに特殊な加工を施したりもしていません
実際velocraftのオーダー車組立ての中で最も簡単で雑(悪い意味で捉えないでくださいね)な方法でご紹介しています
複雑な工程の組立ては今回ご紹介している作業内容から3~5倍位の時間が掛かる自転車も多々あります
今回の泥除け取付けの場合、作業工賃は¥11,000-(税抜)ですが、作業工程が多い泥除けの場合には¥35,000-(税抜)位の作業工賃を頂くこともありますので、その作業時間の長さがお解り頂けると思います

これからは各種パーツを取り付けていきますが、そのパーツ選びや考え方・美的感覚を意識して組立てていきます

作業時間的には7~8割を超えた位ですが、文章量やノウハウはイッパイありますので、恐らく今回で折り返し位かな?

続きます・・・


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