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velocraft流組立て基本編 vol.2

ROYAL NORTON組立ての2回目はホイールを組立てていきます

650Aホイールですので、決して選べるパーツの種類は多く無いのですが、その中でもスタンダードなパーツアッセンブルを心がけていきます

ハブはシマノ・105(5800系)を使用します
オーダーメイドフレームですから、あまりチープなパーツは使用したくないですし、グランボア・ベロオレンジ等から販売されているハブは高性能シールドベアリングを採用している等の理由から若干高価

全体的はパーツアッセンブルの「格」を考慮してシマノのスタンダードコンポーネントの中で、唯一のシルバーパーツである105にすることにしました


リムはアラヤ・SP30を使用します
コチラも安価なシングルウォールですが、シンプルな形状で無駄な主張をすることなく、無難に仕事をしてくれます

650Aホイールの自転車ならどんな自転車に取り付けても違和感は少ないと思います


スポークはホシの#15(1.8mm)ステンレスプレーンタイプを使用します

アラヤ・SP-30リムは36Hしかありません
その為、若干細めの#15を使用することで、スポーク数の多さによる見ための「ウルササ」を無くす為の選択です

#15-16のバテッドスポークにして、更にスポークの存在感を薄くすることも出来るのですが、今回はノーマル仕様がコンセプトですからプレーンタイプを選んでいます

日本ではホシよりもスイスDT社のスポークを有り難がる傾向が有りますが、性能としては遜色ないと思いますし、圧倒的に入手性が良いホシをvelocraftでは全車に採用しています
※DT社をご指定の場合を除きます





velocraftで「普通」の組み方というと、上写真の様になります
1・リムのラベルは右側(ドライブ側)から読める向き
2・イタリアン6本組み(アヤの取り方)
3・バルブホールから除くとハブのラベルが見える

勿論、オーナー様から指定がある場合にはソチラを優先して組み立てています
8本組みやJIS組み等組み方は様々ですし、リムの向きは左からラベルが見える方が良いと思うこともあるのですが、リム制動(リムにブレーキシューを押し付けるブレーキシステム)の場合にはツーリングバイクに限らず、全ての車種において最も普通だと思います

また、今回のスポーク長はフロント282mm・リア右側278mm・リア左側280mmを使用して丁度良くなっています

スポークテンションは基本強めに張っています
11S用のリアハブを使用していますが、その際には特に強めに張る必要があります

リアホイールはオチョコ量が大きい為、右側をネジがなめるギリギリ手前を狙っています
そうしないと左側のテンションがかなり緩めになってしまう為です
ハブによってはお客様から「緩めに張って」とご指示頂くことも稀にありますが、このハブの場合にはそれは不可能です
チョットでもテンションを弱めると確実に左側のテンションが足りなくなり、ニップルの緩みが容易に考えられるからです
乗り心地云々よりも振れないホイールの方が断然重要ですからね

振れにくいホイールにする為には
1・全てのスポークのテンションを均一に近づける
2・オイル等が付かない様に注意する(チェーンのオイルが飛び散っている自転車を良く見かけます)
3・常識的な範囲で(1000N程度)高テンション
4・スポークに捻じれが無い

完成時に多少の振れが出ていても、それ以上振れが大きくならないなら問題は無いと思っています(振れの範囲は0.5mm程度まで)
完成時に振れが0mmである必要はありません
それ以上にスポークテンションの高張力と均一化の方が重要だと思います


組立てが終了したら、リムフラップを装着
SP-30の場合にはveloxの10mm幅コットンテープを使用しています

ゴム製やバーテープを半分にカットした物と比べて丈夫で、ニップルの露出の可能性を減らしてくれます
このリムフラップが再登場してから、幅の種類も豊富でリムフラップに関して悩むことが無くなりました
いつも愛用しているリムフラップです

但し、一回使うと再利用は出来ませんので、基本使い捨てとなります


タイヤはフレームが指定しているパナレーサー・コルデラヴィを使用します
チョットしたダートが有る場合にはサイドが強化されたアメサイドを使用しますが、今回は軽量タイプのオープンサイドを使用しておきます

フレームが決まっている=タイヤが決まっているのが、オーダーメイド車ですので、素直に従うしかありません

続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.1

約1か月半後のH27年5月にvelocraftは新宿区・高田馬場に移転致しますが、ふと気づくとオーダーメイドフレームを使った完成車の展示が無くなってしまいました

velocraftでは大槻が店頭に立つようになってから、フレーム単体での展示ではお客様が完成イメージを掴むことが難しい為、オーダーメイドフレームでも必ず1台以上は完成車にしてご提案を続けてまいりました

移転前に急いで組立てをしなくてはなりません!

展示完成車はTOEIであったりMONTSONであったりSWであったりとブランドは多種ありましたが、最も多く展示していたのがROYAL NORTONだったと思います

販売量では圧倒的にTOEIが人気のvelocraftですが、人気がある故に納品までに多くの時間が掛かったり、古来からの様式美に則った仕様にしなくてはならないという固定概念に苛まれたりと、敷居が高くなってしまっていたのも事実だと思います

そんな方へのご提案として、納期が早く・フルオーダーフレームとしては破格の価格設定のROYAL NORTONを多く販売してきました

数えてはいないのですが、オープンからの8年半で100~150台位の販売数だと思います

昔からショップオリジナルや他メーカーの下請け等も数多く手掛けているROYAL NORTONですから、オーナー様の依頼なら出来る事は何でも引き受けてくれますし(ロゴ無し塗装・他ビルダー製のフレーム修理&改造・キャリアのみの制作等など・・・)数多く扱ってきたツーリング車のノウハウも相当なもので、大槻が「こんな感じでよろしく・・・」と曖昧なオーダーを出しても、しっかりと「こんな感じ」で制作してくれます

大槻もROYAL NORTONのクセや基準を把握しているつもりですし、ROYAL NORTONも大槻のクセや美意識を把握していてくれているからだと思います

そこで、吉祥寺時代最後の展示用オーダーメイドフレームの組立てはROYAL NORTONの最もスタンダードな650Aフレームをvelocraft流の最も普通の組立てでご紹介していきます

組立ての紹介というと、特別な工作や丁寧な仕上げ等のスペシャルな組立てという場合が多いのですが、今回は「どノーマル」で「簡単」な組立てにしようと思います

特別な事をして「すごいでしょ!!」と自慢するよりも、ある程度自転車組立てに自信のあるユーザー様やツーリング車を普段取り扱っていないショップ様が、「自分でもやってみよう!」と思える程度の組み付け方法

つまり、大槻が6年程前に書いた「旅する自転車の作りかた」と同じコンセプト



まず、フレームは以前から店頭に在庫していたフレームを使用します

フレームサイズは560mmですから、175cm位の方に丁度良いランドナーフレームです

まずは、フレームの下処理から・・・


パーツを取り付けるダボ穴にタップを立てていきます
逆にダボ穴があっても取付けを行わない箇所はそのままです
使用しない穴にタップを立てると、塗装が剥がれてしまいサビの原因になります

使用しているタップハンドルは通常と違い、ブルーポイントのビットラチェットにハゼットのタップホルダーを取り付けて作業しています
写真の様に狭い箇所に多くあるダボ穴はハンドルが干渉しやすい為に上手くいかない事が多々あるので、ラチェットは大変便利

但し、片手ハンドルなので、ナナメにならない様に慎重に作業する必要があります



勿論、BBシェルも専用のタップを使用して作業します
使用しているのはホーザン製のBBタップ

専用工具=カンパニョーロ最高!というイメージがあるのですが、カンパのBBタップはホーザンに比べて、微妙に径が大きくネジのガタツキが若干増えてしまいます
その為、ホーザンを使用していますが、ホーザンのBBタップは目が詰まりやすい形状なので、こまめにタップを逆に回して、切りくずを落としていかないとならないので注意

BBのフェイシングはカンパニョーロを使用しています
今回はタンゲのシールドBBを使用する予定なので、フェイスが接触する右側のみ切削しておきます

シールドBBの場合には必ず作業しなくてはならないという箇所ではありませんので、省略しても問題は起きないと思います

カップ&コーンやホローテックⅡの場合には必ず両面作業しています


フェイシングは削り過ぎないことも大事なので、上写真の様に塗装の一部が残る程度で終わらせています

おおよそ2/3以上の面が出ていればOKにしています


カンチ台座に塗装が乗ってしまっています

大槻は#180の布ヤスリを使用しフリーハンドでカンチ台座を削っています
ココも削り過ぎに注意です


こんな感じになればOK!

とりあえずの下処理は以上となります

本来ならば、ホイールセンターをチェックしたりシートピラー径のチェックをしたりもした方が良いのですが、パーツを組み付けていく間にチェックしておけば良いと思いますし、国内のフレームビルダーの精度はピカイチですから、まず問題が起きたことはありません

つまり「下処理=余計な塗装をはがす」という程度の意味になります

続きます・・・

グランボア フロントバッグ

グランボアさんが仏・ジルベルトゥに別注している「グランボア・フロントバッグ」の大sizeが入荷致しました

大sizeは高さ23cm・幅28cm・奥行15cmとなっており、他サイズは幅・奥行は共通で18cm・20cm・27cmの計4種類

他サイズもお取り寄せにて対応出来ますので、サイズをご確認の上ご用命くださいませ

【価格】¥35,000-(税抜)

バッグの上面からハンドルにクランプするベルトの中心までが、約3cmですので、キャリア上端からハンドルバーの中心までの距離が大sizeの場合には約20cmとなっております


試しに、マスプロランドナー・アラヤTURの490mmのサイズを測ってみると・・・
※ステムを最も上に突き出した状態

丁度20cmでしたので、バッチリサイズが合いました

で実際に取り付けてみると・・・


バッグの前端が上がってしまいました(汗)

これは、キャリアの天板部後端がハンドルバーよりも前方にある為に起こってしまう現象です

当然このままでは恰好悪いですよね
なぜこの様になってしまったのでしょう


写真写りが悪いですが、ステム長は8cm(9cmに見えてしまっていますが)でキャリアはトップチューブ前端から6.5cmあります

フロントバッグの前端が浮き上がりを無くすには主に3種の方法があります

1・Fバッグサポーターを取り付ける
バッグを前に出して、キャリア天板後端部の真上近くにバッグのハンドル装着部を合わせる方法です
Fバッグサポーターの種類にもよりますが、3cm位はバッグが前方に付く計算になり、今回の場合もキレイに取付け出来るでしょう
しかし、アラヤTURに標準で装備されているステムにキレイに取付け出来るFバッグサポーターは無いので、Fバッグサポーターを取り付ける場合にはステムの交換も合わせて必要になります
ニットウやグランボアからも数種類販売されています

2・ステム長を伸ばす
約3cmステムを長くすれば(今回は11cm)、ハンドルバーが前に出るので、キレイに取り付けることが出来ます
しかし、サドル~ハンドルまでの距離が大きく変化するので、決して良い方法とは言えないと思います
Fバッグを装着する為に乗りにくくなったら、何の意味も無いですからね

3・キャリアを変更する
ヘッドチューブからキャリア天板の後端部までの距離が6.5cmありましたので、これを4cm程度のキャリアに変更します
具体的には「ニットウ・NF-21」にすれば、約4cmになります
ちなみに、Fブレーキワイヤーも通る箇所ですから、見ためを寸詰まりに見せない為にも、4cm位が最短の寸法になると思います
カンチやセンタープルで使用するFブレーキアウター受けの形状でも丁度良い寸法は変化しますので、ご注意ください
Fブレーキアウター受けはヘッドパーツの形状によっても付く付かないがありますから、ヘッドパーツとの相性も大事です

現実的には新車の場合には1か3の方法になると思います
既に乗車中のTURでしたら、泥除けとキャリアを固定する為に泥除けに穴が開けられているはずですから、キャリアを変更すると無駄な穴が泥除けに付いてしまいますので、1が良い方法だと言えると思います

ちなみに、この3種以外にもバッグに合わせてFキャリアを若干前上げの設定で取り付けたり、Fバッグサポーターが付いたキャリアに変更する等の方法もあります

フロントバッグを一つ付けるだけでも、これだけの相性を考えなくてはいけないのが、ツーリングバイクの面倒なところで面白いところ

フレームをオーダーする場合やFバッグをオーダーする場合には、全てを整合性を持って設計できますから、難しくはありません
しかし既に乗車中であったり、マスプロの完成車であったりと条件がある程度限られている場合には、どこかに無理が出たり、コストが掛かり過ぎたりと上手くいかないことも多々あると思います
そんな時は、「このバッグを絶対に付けたい」「費用は2万円以内でFバッグを付けたい」等の優先順位を付けてからパーツを選んでいきましょう