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TOEIフルオーダー考察 vol.6

TOEIに限らずトラディショナルなツーリングバイクには、チェーンステーガードを取付けますが、最も一般的なのが「ゴム帯」と呼ばれるゴム板を右チェーンステー上にフックを用いて装着するパターン

フック形状にもいくつか流派がありますが、TOEIの場合は細い棒を外側から内側に曲げてゴム帯は内側から差し込むタイプ(¥1,900-)が多いですね

ランドナー以上の重厚感あるフレームでしたら殆どの方が取り付けていますが、シルエットに大きく影響が出るので、好き嫌いが出やすい箇所でもあります


その為、上写真の様に針金リングタイプと呼ばれるチェーンステー中央部に針金状のガードを取付ける場合もあります

2012年までのオーダーシートには針金リングタイプも価格表に記載されていたのですが、現在は価格表には記載されていない裏メニューになってしまいましたが、比較的ポピュラーな工作と言えると思います(時価)

勿論、スッキリと見せる為にチェーンステーガードを取付けないという選択もあります

ゴム帯にしても針金リングにしても、完璧にチェーンステーをガードすることは出来ないですからね

写真にシフトアウター受けが見えていますが、特に指定が無い場合は同形状のカップが標準となります

割りの角度は基本下向きにセットされていますが、場合に寄っては、割りが左向きになっていることもあり、意外とマチマチ

気になる方はアウター受けカップの割り角度の指定も必要です

東叡社としては、割りが下向きの方が何かにぶつけた時にカップの変形が少ない・割りが左寄りの方が割り箇所が見えにくく恰好良いとは思うと考えている様です

この辺もオーナーの細やかな気配りが必要になりますね

また、カンパ型とか、ダイバーヘッドと呼ばれる小さめのアウター受けを選択することも可能です
その場合には段付きのアウターキャップ(外径Φ4mm)が必要になりますが、シマノなどからも販売されていますので、入手はそんなに苦労することはないでしょう
但し、いままでカンパのワイヤーセットを購入するとセットで付属していたのですが、最近は付属しなくなった様ですから、今後少なくなっていくのかも知れません


BB付近のワイヤーリードはBB下回しパイプリード(¥2,000-)としていて、スタンダード含めて最もTOEIではポピュラーな仕様です

使用上の問題は無いと思っていますが、近年の10段とか11段の変速システムはとてもシビアになってきているので、専用のワイヤーリード(プラリード)を使用しないと、変速性能の保証はありません

その為、シマノやカンパのワイヤーリードを装着する為にM5穴を開ける事も稀にありますが、velocraftでは限定的
実際変速の不備を感じたことはありません

少しでも変速性能を上げようと、プラスティック製のライナー管をパイプリードに入れることもありますが、velocraftでは摩擦で直ぐに擦り切れてしまうし、変速性能の向上も期待できないので、オーナーのご指示が無い場合は装着することはしていません


カンパニョーロで以前に有ったBB上ワイヤーリードを選択することも可能です(¥2,500-)

カンパらしいシフトワイヤールーティンになるので、カンパパーツで組み立てるのに恰好良いですし、チェーンステーの上をシフトインナーが通るので、簡易的なチェーンステーガードの役目も持つことが出来ます

針金リングタイプのチェーンステーガードとの相性も良いと思います

その他、旧サンプレや現行デュラエースにも採用されているフロントディレーラーにアウター受けが付いている場合は、ワイヤーリードを使用せずにダウンチューブ下部にアウター受けを取付けることもあります

その際には何も指定をしなければ、上記のアウター受けカップが取り付きますが、正直チョット大きすぎますよね


そこで、松葉型アウター受けに使用されているお椀型の小さめアウター受けにすることも可能です

小さい為アウターが動く様な箇所には、コレ一点では支えとして弱いと思いますが、アウター受け付きフロントディレーラーならアウター自身が動くことは殆ど無いので、このタイプでも充分だと思います

どんな形状のフロントディレーラーなのかによっても形状を検討してください

バンド式でしたら必要は無いのですが、直付けの場合には使用するフロントディレーラーの他にアウターチェーンリングの大きさも最初に決めておく必要があります

現行のシマノ等に使用されている直付けの場合(¥2,500-)は台座が楕円形状ですから3~4Tの歯数差はカバー出来ますがユーレー等のバンドタイプを直付けに変更するタイプはディレーラーの高さの変更は一切出来ませんから、特にご注意ください(¥6,000-)

また、velocraftでも過去に一度しか承ったことが無い位レアなケースだと思いますが、ユーレー・ジュビリーの直付けタイプ等特殊な直付け台座が必要な場合には、都度ご相談ください(時価・又は場合に寄り不可)

話しも段々と細かな箇所になってきました
マダマダ続きます・・・

TOEIフルオーダー考察 vol.5

ツーリングバイクではいかり肩のクラウンを使用することが一般的
TOEIフルオーダーの場合にはボカマ型と呼ばれるタイプ(¥4,000-)と剣先と呼ばれるタイプ(¥7,000-)の2種と、1・3/8用(内側寸法約48mm)と42B用(内側寸法約55mm)の2種類の計4種類が一般的です
勿論、使用するフォークブレードはΦ23OVAL

今回入荷のフレームは、剣先タイプで650x38Bですが、42B用の幅広クラウンにしています
使用する泥除けは未定ですが、幅が狭い1・3/8用クラウンですと本所工研のH50(幅約51mm)を使用すると、どうしてもフォークブレードの内側と泥除けが干渉してしまいます
僅かな干渉なので、泥除けを凹ませたりそのまま見て見ぬふり(驚)でも気にはならないのですが、H50を使用するなら42B用クラウンの方が良いと思います


人気は剣先クラウンですが、剣先というと上写真のタカハシテクノのクラウンを思い浮かべる方もも多いと思います
velocraftでは単品での販売もしていますが(¥3,720-)、生産は終了していますのでいずれは無くなってしまう部材ではあります

良く見て頂きたいのですが、タカハシテクノのクラウンよりもTOEIの方が中央のヒゲが長く先端が鋭くなっていますよね

ボカマタイプと剣先タイプでは同じクラウンを使用しており、剣先の場合は後からヒゲをつなぎ目が解らない様に継ぎ足しています
その為、2種での価格差が大きくなっています

このピンッと尖ったヒゲをフォークブレードにピタッとロウ付けするのって、凄い技術力なんですよ
クラウンサイドの厚みは僅か1mm程度ですし、尖っている部分は質量も小さいですからロウ付けの為に火で炙ると直ぐに温まってしまいます
クラウンの上部は、その時にはまだ温まり切りません

そうすると温まったヒゲの部分は反り返る様にフォークブレードから離れて隙間が出来てしまいます
反り返りを防ぐ為に適度に板金用の小さなハンマーで叩きながらロウ付けを行い、更にロウがヒゲの周辺からはみ出さない様に調節しないと、綺麗な形に浮き出てくれません
勿論ロウが足りずに隙間が空いてもいけません

温度調節・形状維持・ロウ材調節の3つを同時に行わないと、この綺麗なラインは出てきません
しかも大きな熱量が必要なクラウン付近ですから尚更です
東叡社の職人さん達にとっては当たり前なのかもしれませんが、本当に難しい箇所だと思います


また、今回のクラウンは「補強板無し」で製作しています
見ためはスッキリしますが、見方に寄っては物足りなく見えるかもしれません

補強とはクラウンの裏側に鉄板を一枚追加することで、クラウン周辺の剛性感を強くする工作です(¥3,000-)


補強版を入れると上写真の様になります

殆どの方が剛性感よりも見ため重視で選ばれる傾向が強いですが、実際には裏側ということもあり、泥除けやホイールで組み立てると殆どみえません(涙)

また、補強版自体に約1mmの厚みがありますので、左右で2mm程内側のクリアランスは狭くなりますので、泥除けの選択如何によっては泥除けと補強版の干渉という問題も出てくることがあります



クラウン裏にもチェーンステーブリッジ・シートステーブリッジにも補強版を追加することが出来ます(各¥2,500-)

ドチラも菱形の鉄板をステーとブリッジの間に挟み込みロウ付けされています

特にチェーンステー側の写真をご覧頂きたいのですが、補強版を変形させてシートステーの潰し加工の位置も完璧に仕上げられています

チェーンステー側はBB周辺の剛性感、シートステーはブレーキの剛性感に違いが出てくるはずですが、その差は限定的だと思っています


今回のフレームはシート&チェーンステー共に、補強板は入れていません

また通常では補強版とブリッジは直角に角が立つように付いていますが、丸みを帯びさせる為に補強版とブリッジの境をフィレット加工の様にロウ付けすることも可能です(時価)


補強版は剣先クラウンだけでなく、ボカマタイプでも可能です

剣先は恰好良いと思っていますが若干主張し過ぎる傾向もあるので、あえてオーソドックスなボカマタイプにするのも良いかもしれませんね

スタンダードフレームでは基本ボカマタイプのクラウンが装着されてきます
※場合により他種のクラウンの可能性もあります スタンダードでは使用部材の指定は基本出来ません


Φ24OVALのクラウンは、この様なスロープタイプが1種のみ選択可能です(¥4,500-)
基本ロードバイク用ですので、幅は狭く内側寸法は35mm程しかありませんので、ツーリングロード等で、同クラウンを使用して泥除けを取付ける場合は35mm以下の泥除けを選ぶ様にしてください

スロープ形状はセンタープル台座を取付ける事が出来ませんので、この点も注意が必要です

その他のクラウンを使用したい場合には持込でご依頼ください(時価)

Φ23mmOVALフォークブレードの場合には古物(本物のボカマやナベックス等が人気ですね)以外のご依頼は極めて少ないのですが、Φ24mmOVALでは持込も多くなります

丈夫なフォークにしたい為にΦ24mmOVALを使用したいが、スロープ形状は好みでは無かったり、幅が広い物が必要だったりと目的は様々

その中でも特に人気なのが、通称nagasawa crownと呼ばれるクラウン
枻出版社・西山氏のTOEIスポルティフにも採用されていましたね
※大槻のSW WATANABEにも使用しています

Φ24OVALのスポルティフ用クラウンとしては、最強だと個人的に思っています
写真も実物も今はありませんが、ネット検索して頂ければ簡単に見つかると思いますので、探してみてください

角の立ったいかり肩で、シンプルなルックスに裏側補強板付きで恰好良くがっしりとしたつくりが特徴です

中央部のヒゲレス形状ですが、このクラウンを使用してヒゲを追加加工して剣先クラウンにするなんて言う裏メニューも可能です(時価)

その他、ボカマタイプも含めて、完全に中央部分を削り落としてしまい、剣先の換わりにTOEIの「T」の文字をあしらった飾りを入れることも可能です(時価)

フォーククラウンはフロントフォークという大きな部品の「顔」となる部分ですから、実用面と装飾面どちらも妥協せずに決めたいですね

続きます・・・

TOEIフルオーダー考察 vol.4

TOEIで使用されるエンド(ドロップアウト)は主に3種類
泥除け用のアイレットが付いたオリジナル(¥8,000-)、キャリアダボも付いたダブルアイレットのタカハシ型(¥8,000-)(タカハシテクノ製では無いそうです)の2種類はストドロと呼ばれるアジャスト出来ないタイプ
ロードバイク等のアジャストタイプはカンパのショートエンド(¥8,500-)

ツーリングバイクでは主にストドロタイプが使用されて、キャリアダボの要不要で2種のどちらかを選ぶのが一般的

但し、大型の荷物を積まないリアキャリア(パニア台)の場合には、アイレットひとつに泥除けステーとリアキャリアを共に固定する場合もありますし(上写真)、フロント側は泥除けステーを2本取り付ける場合もありますので(下写真)絶対ではありません

オーダーの前にキチンと決めておく必要がありますね

またダボ数だけでなく、フレームサイズによっても変化する場合があります
例えば、センターステーを取付ける6本バッグのフレーム(スタッカードやミキスト)はどうしてもリアエンドのところに左右3本づつのパイプが取り付きますが、フレームサイズが小さくTOEIエンドですと、スペースが足りずに使用出来ない場合があります
BBドロップやホイールサイズにより変化はありますが、6本バックの場合470mm以下のフレームの場合にはタカハシ型のエンドを使用せざるを得ない場合もあります

ちなみにTOEIエンドはフレームサイズが530mm位の時に丁度良い角度になる様に設計されているそうです

ロードバイクでダボ穴が不要な場合ストドロを選択すると、タカハシ型のエンドのダボを切り落として使用しています

velocraftの実績として、TOEIエンド8:タカハシ型2位の割合で圧倒的にTOEIエンドを採用される方が多くなります

タカハシ型を選ばれるのはキャンピングやグランツーリズムを製作される方と、使用目的がまだ曖昧で「ひょっとすると大型のキャリアを取付けるかも」と言う方限定

TOEIエンドに比べてタカハシ型の方が前後共に厚みが1mm程薄くなっており、チョット華奢なイメージ
使用上の問題は無いのでしょうが、大きな荷重が掛かるキャンピング系のフレームの方がエンドの厚みが薄いので、本当は厚みのあるエンドがあると良いですね




今回入荷のフレームはスタンダードでは承れないメッキ処理をしていますが、そのUP写真

表から見た時は綺麗にメッキが乗り輝いていますが、裏側はどうしても細かい溝と言うかスペースが多く磨き入れません
その為、どうしても若干の曇りは出てしまいますので予めお知り置きください
殆ど見えない部分でもありますので問題は無いと思いますが

また、TOEIエンドの特徴として、ホイールと接触する部分が約1mm程突き出ています
タカハシプレスのエンドですと約0.5mm程の突出しなので、かなり出ている印象です

これは、右シートステーとチェーンとのクリアランスを稼ぐ為と泥除けを固定する際のダルマネジのナット部分が逃げやすい様に加工されている為です

写真のフレームはエンド幅130mmですのでトップギアがかなり外側に取り付く為に、このクリアランスでもダルマネジナットとトップギアが干渉してしまいますので、泥除けダボの内側を削り込んでナットが外側に付く様になっています


ご指示が無い場合はエンド幅が120mmや126mmの場合には内側は削り込みません
リアエンド幅が広くても(例えば130mmや135mmエンドに7段ギア)削り込みが必要無い場合は、しっかりと指示を出す必要がありますし、逆に120mmでも削り込みたい場合も指示をお願い致します

その他、ダルマネジのハカマ部分を省略してギロチンネジ部とナットのみで、泥除けステーを固定する様に泥除けダボの内径を広げる工作も可能です

TOEIエンドのみの承りとなりフレームへ直に泥除けステーが接触する為、塗装フレームの場合には塗装剥がれが置きますが、見ためスッキリとしますので、人気の工作です(¥2,000-)
その際には本所等のアーレンダルマやコケシダルマ等は使用出来ませんのでご注意ください

次回に続きます・・・