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TOEIフルオーダー考察 vol.3


今回入荷のフレームはセンタープルブレーキ台座を備えています
使用タイヤを650x38Bに設定しているので、使用するブレーキは現行品ならグランボア・シュエット3642かダイアコンペのGC700(DC750も可)ですが、フレームの格を考えてシュエットの寸法にして貰っています
シュエット3642はマファック・ライドと同寸で作られているので、古物でしたらライドも使用可能です

TOEIのセンタープル台座はオリジナルの部材が使われており、スプリングの受けも直付けされています(¥7,500-)

ブレーキの種類により同じホイールサイズでもブレーキ台座の位置は異なりますし、フレームサイズによっても多少の制約があります

例えば600mmを超える様な大きなサイズで車輪径が小さいとシートステーの間隔が広くなり過ぎて、適正な幅にブレーキ台座を取付けることが出来ません
その場合にはシートステーを内側に曲げて調整するのですが、シートステーを曲げるのがシルエット的に好みで無い場合は、センタープルを諦める必要が出てくるかもしれません


上写真はダイアコンペ製のセンタープル台座ですが、スプリングの受けは別体のアルミ板を差し込む様になっています

機能的には勿論問題ないのですが、どうしても野暮ったくなってしまいますよね
折角の高級フレームなら、スプリングの受けも直付けで止めたくなると思います

TOEIでしたらオリジナル部材がありますので、なんら問題はありませんが他社ですと部材が無いことからダイアコンペの部材を使用せざるを得ないことがありますのでご注意ください

ダイアコンペ台座のアルミ板を使わずに受けを直付けでOKか?っというと、台座の長さがアルミ板分の1mm長くなってしまいスプリングの収まりが悪くなりますから、そのまま使用することも出来ません 台座長の調整も必要になります


TOEIのカンチブレーキ台座です(¥3,000-)

カンチブレーキ台座はチョット大きめで四角いタイプの台座が採用されています
部材自体はスタンダードでもフルオーダーでも変わりません

velocraftでカンチ台座で製作を承る場合、もうチョット小振りな台座にしたいとご相談を受けることが度々あります

そんな時は、ロイヤルノートンで普段使用している台座をご紹介しています


円筒っぽい形状で、スッキリして見えると思いますがいかがでしょうか?

個人的にはコレも良い台座だと思っています


コチラは単品での販売もしていますので、東叡社へ持込で製作して貰うことが可能です(前後で¥1,200-追加)

フルオーダーでは部材の持込がOKですから、東叡社に在庫が無い部材ならコチラで用意して持ち込みます

勿論、古物のマファックのカンチ台座なんて恰好良いですし、お持ちになっているかたも多いと思います(velocraftでは在庫ありません)

恐らくは大丈夫でしょうが、マファックのブレーキなら台座長は16mmですが、最近のカンチブレーキは16.5mmに設定されていることが多いので、マファック台座を使用して現代のブレーキを装着する場合は注意してください
必要があれば、ブレーキアーチを削って調整することもあります

勿論カンチブレーキもブレーキの種類やリムの幅によって、カンチブレーキ台座の位置も変わってきますので、オーダーを出す場合には「何のブレーキを何のリムに使用するのか」をしっかりとご指示頂く必要があります

カンチブレーキはセンタープルと比べればシビアではありませんが、綺麗に組み上げるならやっぱり必要な項目です

このシビアさが、価格にも反映されていますね
同じ様な部材を取付けるだけなのに、カンチブレーキが¥3,000-に対してセンタープルブレーキが¥7,500-ですから、倍以上の価格差となっています

今回はここまで、更に続きます・・・
本当は年内いっぱいで書き上げて、終わらせるつもりだったのですが、この調子ですと終わらなそうです(汗)
途中でフレームが売れたら頓挫してしまうかも??

TOEIフルオーダー考察 vol.2

シートステーの上端処理はTOEIの場合、2本巻きが一番ポピュラー(¥6,000-)ですね
製作はパイプをナナメにカットして、鉄板を貼り付けてから形状を整え先端部分を専用の治具で折り曲げて行います
寸法のデータが無いと1個1個現物合わせで先端部分がピッタリと揃う様にしなくてはならないので、大変手間が掛かる処理方法ですが、東叡社なら長年のデータの蓄積でいとも簡単に製作してしまいますし、個体差によるブレも殆どありません

シートステー上端処理は2本巻きだけでなく、幾つかの種類があります


※写真はTOEIではありません

「ハス切り」と呼ばれるタイプは平らな板をナナメに貼り付けてシートラグ又はシートチューブに先端をチョンと付ける方法です(¥3,000-)

非常にシンプルでスッキリとした見ためですし、2本巻きと比べて接触面が少ないのでフレームの剛性感が低くなるという傾向もあります


※写真はTOEIではありません

「笹葉型(マジー型)」と呼ばれる方法で、ハス切りが平らなのに対してコチラは貼り付けた鉄板がカーブしています(¥3,000-)

笹葉型にしてもハス切りにしても、鉄板の長さは35mm程度が一般的ですが、長さを〇〇mmという様に指定することも可能です
今までのvelocraftの傾向ですと40mm位まで長くしたいという方が多かった様に思います


※写真はTOEIではありません

「集合ステー」はシートステーを直接シートチューブに取り付ける工法で、高い切削精度が必要になりますが、余分な物を取付けることなく軽量に仕上がります
シートステーを大きくベントさせない限り太めのタイヤにはクリアランスが取れませんので、ロード系に採用するパターンが多いと思います

ちなみにvelocraftでの製作事例はありませんので、かなりの少数派だと思います(¥10,000-)

また、写真はありませんがクロスシートステー又はトリプルトライアングルと呼ばれるキャンピング等で良く見られる工法を採用する場合は追加¥2,000-が必要です
裏メニューで2本巻きの左右がつながった1本巻きなんてものもあります(時価)





シートラグを含めて、ヘッド上下ラグ・BBシェルは「TOEIオリジナルラグ」となっています

オリジナルラグは1個1個ハンドカットして製作していますので、非常に高価(¥55,000~)ですが、繊細な造形が魅力です

通常のイタリアンカット(¥26,000-)でも機能としては違いありませんが、TOEIフルオーダーをご注文でラグ付きの場合は殆どの方がオリジナルラグを選ばれます

以前からTOEIオリジナルラグには種類がありましたが、現状は以前からBカットと呼ばれていた写真の形状のみとなっています

ノーマルサイズだけで無く「オーバーサイズパイプ」「スタッカード」「ミキスト」「スローピング」にも対応していますので、基本あらゆるフレームにオリジナルカットラグが使用出来ます(全て時価)

また、以前あったAカットラグ・Cカットラグ・E(エルス)カットラグは現在お受けしていませんが、何台かTOEIを制作し東叡社と顔見知りになってくると製作して貰えるという噂もあります(全て時価・参考例・Eカットノーマルサイズ約¥80,000-)

勿論、お持込のラグで製作することも可能です



お持込で圧倒的に多いのがナベックス・プロフェッショナル(ナベプロ)の3点セット

TOEIの場合はヘッド上下ラグのヘッドパーツが圧入される部分の段になっているハカマ部分を削り落とし、シートラグはシートピンがハマる部分を削り落として丈夫な部材を再度取り付けることが基本になる様ですし、仕上げの荒い部分はヤスリで整えています

ご希望がある場合は的確な指示が必要になりますので、ご注意ください

また、この3点ラグは古物ながらも流通量は比較的ある様ですが、同形状のBBシェルは殆どみません

その為、ナベプロをお持込になる場合に限りオリジナルでレプリカ形状のBBシェルの製作を行ってくれますので、合わせてご注文されることをお勧めします(時価)

今回はここまで、まだラグとシートステー上端の話ししかしてませんね(笑)
続きます・・・

TOEIフルオーダー考察 vol.1

先日到着したTOEIフルオーダーフレーム
店頭に展示してありますので勤務中に眺めているのですが、惚れ惚れする程にカッコイイ!!
見ながらニマニマしてしまいます(笑)

折角店頭にフルオーダーフレームがありますので、ご紹介や考察を何回かに分けて書いていきます

まずはシートラグ付近
いきなり見るところが細かいですが、トップチューブ・シートチューブ・シートステーの4本が交差しブレーキアウター受けも直付けされる為複雑な形になりますし、TOEIらしさが出ている部分だとも思っています

アーレン止めのシートピンに2本巻きシートステー、シンプルでありながらも気品のあるTOEIオリジナルラグはBカットと呼ばれるオーソドックスなタイプ

シートピンの形状・2本巻きの形状・ラグの形状全てが、TOEIらしさを打ち出しています


シートピンは、スタンダードフレームと違い、左側が円筒形ナットが基本形
特に指定が無ければ、スタンダードと同じ9mmナットの場合もありますので、円筒形にしてほしい場合は必ず指定を出しておくことをお勧めします(共に¥1,000-)
シートピンの他クイックリリースの選択も可能です(¥1,000-)し、価格表には記載していない裏メニューも存在します(時価)

こんな細かいところまで指定が出来るかどうかで、全体の仕上がりに差が出ます
円筒ナットとスタンダードナットに性能の優劣はありませんが、見ための違いの他にメンテナンス性に違いがあります


シートピンを取り外してみました
円筒ナットには小さくくぼみが付いているのがお分かり頂けると思います
シートラグのシートピンナットが入る部分の1か所に出っ張りがあり、ナットの共回りを防ぐ為なのですが、ここの形状が個体差でかなりズレがあります
その為、シートラグ一つ一つに合わせて、ナットを手作業で削り調整をしています

スタンダードシートピンでしたらvelocraftで単品販売もしていますので、万が一折れても直ぐに交換が出来ますが、円筒形ナットは都度ラグに合わせて都度調整が必要ですので、単品販売はしておりません
東叡社に修理に出せばさほど時間も掛からずに対応してくれますし、velocraftでも対応は可能ですが、在庫はしておりませんのでお時間は頂戴しています
シートピン1本の為にフレームの持込修理というのも少々面倒だと思います


ブレーキアウター受けは松葉型と呼ばれる直付けタイプ(¥2,000-)
スタンダードでも良く行われる一般的なタイプですが、シートピンにぶら下げる後付けタイプの「吊り金具」(¥2,500-)やシートステーにアーチ型にブリッジを付けてからアウター受けカップを取付ける「アーチ型」(¥2,500-)も選択可能です
全てのアウター受けはインナーが外せる様に割りを入れるのか入れないのかを選択する必要がありますが、指定が無い場合は東叡社が「常識的に考えて」仕様を決定しています

ミキストやスタッカードフレームにはシート滑車(¥3,000-)の用意もあります
以上の中から考え手決定してください

ルータンの様にシートチューブを貫通する様な仕様や細いスチールパイプをガイドとして、アウターワイヤーを介さない仕様等の裏メニューも存在しますが、フレームの寸法や安全上問題無いと判断した場合のみになりますので、ご相談ください(時価)

今回の松葉型もそうなのですが、基本は取付け角度がシートステーと同じ角度になっています
バラバラな角度ではまとまりが無くなってしまいますから、角度の統一感を出しています

但しそれだけでは、必ずしもインナーワイヤーがシートステーと平行になるとは限りませんから、ご希望であれば、インナーが平行になる様にご指定ください
その際には、必ずブレーキアーチ本体やチドリが決まっていないとダメですし、フレームサイズの都合上、難しい場合もあります
難しい場合は、シートステーのシートラグへの取付け位置を変更させる必要があるのですが、そうすると、シートステーの上端処理方法が綺麗に出来ない等の弊害が生まれる可能性が高くなります

チョット長くなってきたので、今日はここまで
次回のシートラグ付近のお話しの続きです・・・