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ハブダイナモのジレンマ

velocraftではフロントハブが発電機になっているハブダイナモライトを強くお勧めしています

電池残量の心配が無い
乾電池式と比べて、圧倒的に明るい
フロントライトを付ければ、自動的にリアライトもON
発電抵抗もわずか

この様なメリットが有り、レースシーン以外では絶対的に有利だと考えています

実際velocraftでオーダーメイドでお作りする自転車の半数程度がハブダイナモを採用頂いています

しかし、日本のスポーツバイク業界全体ではどうでしょう?
恐らくシェア1%にも満たないのではないでしょうか・・・

レースとトレーニングにしか自転車を使用しなければ、発電式のライトは不要です
しかし、レース活動しかしていないユーザーもシェア1%に満たないでしょう
残りの99%はレースに出場することはあるかもしれませんが、サイクリングをフィットネス・レジャーとして楽しんでいるはずです

そんな方全員にハブダイナモはオススメ出来るのですが、実際のシェアは1%未満・・・

何故なのでしょうか?いくつか原因を考えてみます

1・・・コスト
自転車へ掛けられる費用なユーザーに寄ってバラバラだと思います
ハブダイナモを装備するには最低でも1.5~2万円の費用は発生してしまうので、コストを理由にバッテリーライトにしてしまうのは理解出来ます

2・・・回転抵抗
ダイナモハブを持つと重たいですし、回転もゴロ付きます
回転抵抗はほんの僅かなのですが、説明しても実際に手で感じる抵抗感は確実にあります
フロントハブの抵抗増における速度の低下は高級ダイナモハブを使用した場合、ライトOFF時は約0.04km/h・ライトON時は約0.4~0.5km/hになります(詳しい計算はランドヌールvol.3に大槻が寄稿しています)
「抵抗=悪」であるのは間違いが無いのですが、その抵抗が過大評価されていると思います
ハブダイナモの抵抗よりも、ポジションや着ているウエアの方がズッと抵抗は大きいはずなのですが・・・
また、単体でダイナモハブの重量を気にするのは無意味です
重量はハブとライトの合計重量で見る必要があります電池を含めた高光度のバッテリーライトの方が重いことが多いはずです

3・・・完組みホイールが無い
実は、これが一番の理由だと思います
ダイナモハブは完組みホイールでの販売が殆どありません(一時シマノでも販売されていましたが、一瞬でディスコンになりました)
使用したい、リム・スポークを選んで手組みと呼ばれる昔ながらの手法で組み立てるしかありません
個人で組み立てるのは、かなりの経験と工具が必要ですからショップに依頼することになると思いますが、ショップも決して楽な作業という訳ではありません
特にスポーク長は1mm単位で多種存在し太さも色々ありますし、作業時間も結構掛かります
つまり、ハブダイナモを販売するのが面倒くさいと考えているショップが意外と多いのでは?と考えています
また、完組みホイールユーザーが新たにハブダイナモにすると、フロントとリアホイールが違ったホイールになってしまいます
デザイン的にも前後のホイールを揃えたいと考えるのは普通の事だと思いますので、ハブダイナモにする為に前後ホイールを買い換えるということになり、ハードルは上がってしまいます
完組みホイールの方がホイールの性能として高いということもあります

性能が良いのに、普及しない
使えば絶対に優れていることは理解してもらえるのに、試してもらう場も無いし、使う前に先入観を取り払ってコストを掛けてもらうことは難しい
 
 
 
 
 
モヤモヤモヤモヤ・・・
 
 
 
 
 
!!!!!!!!!
 
 
 
 
 
リムドライブ式ダイナモに現代の機能を持たせたら・・・
 
 
 
 
 
あった!!!!!
 
 
 
 
 




ドイツ・VELOGICAL社から発売されているリムドライブ式のダイナモ
出力は6V-1.5Wですので、昔の6V-3Wのダイナモに比べて抵抗感も圧倒的に軽いですし、LEDタイプのフロントライトなら必要なのは1W程度ですから、テールライトも併用で使用出来ます

2芯式のコードを採用しており、現行のハブダイナモ用のライトがそのまま取り付け出来ます

これが上手く付けば、現代の高光度ライトをリムドライブ式で使用出来、ダイナモ本体はリムに当てなければ当然ライトOFF時の抵抗は0W
ホイールを変更したり、組立てたりする必要が無いので、高性能な完組みホイールが使用可能

早速、個人でサンプルを輸入し取り付けてみました


ダイナモはバンドで固定するので、Φ14~22mm程度のシートステーに装着OK
付けた見ためは恰好良い・・・・・・とは言えず(汗)
取付け方法は直付け等も含めて多いに検討の余地がありそうです

実際の回転抵抗は少なく良さそうですし、ライトも安定的に点いています
後は防水性や耐久性等をチェックしてみようと思います

上手く行けば輸入販売もしていこうと考えていますが、恐らく販売価格は2万円を超えそう・・・

とりあえず、実験台になって色々試してみようと思います
フランス・アレックスサンジェのオリビエさんも最近このダイナモを採用しているので、性能的は大丈夫だとは思いますが・・・

velocraft流組立て基本編 vol.7

前回でフロント泥除けが付きましたので、次はリア泥除けに取り掛かります

最近のツーリング車は輪行をすることが前提で「ツーリング車輪行=リア泥除け分割」とお考えの方が多いと思います

決してリア泥除けを分割にしなくても輪行は出来ますし、分割にすることで泥除けにキシミ音が出たり、割れやすくなったりとデメリットもあります

ルネエルスの自転車を見て頂けると解るのですが、分割式の泥除けは付いていないですよね
ルネエルスの場合「輪行(輪行と言う言葉はありませんでしたが)=デモンタブルフレーム」でした

分割式泥除けにしない輪行はグランボアさんが提唱している取り外し式の泥除けであったり、泥除けはつけたままでハンドルとフォークを抜く、長谷川自転車商会さん提唱の方法があります(勿論、いまでもデモンタブルフレームもあります)

しかし、今回はvelocraftで最も多い「リア泥除け分割」で組み立てていこうと思います


リア泥除けのステッカーは前方に付くのが基本です
今回使用しているH50は飾りが付いたタイプでは無く形状自体に前後は無いので、どちらでも良いと言えば良いのですが、基本に沿ってステッカー前側にします

枻出版社「スペシャルメイド自転車 ランドナーの本」で表紙を飾る編集西山さんの自転車はステッカーが後についていますが「あえて」後方にしていると記事内で記載されていますよね


まずはフロントと同じ様にフレームに泥除けを沿わせて、全体的なイメージを見ておきます

何度もしつこいですが、泥除け取付けで重要なのは「確認・確認・再確認」


リア泥除けの寸法で最も重要なのは、チェーンステーブリッジ側の位置です

チェーンステーから数cm下に突き出させる必要があります
チェーンステー上にしか泥除けが付いていないとシフトワイヤーが通るBB下のワイヤーリードが酷く汚れてしまいます

シフト不良を起こし難くする為にも、自転車を少しでも汚さない為にも、この位置を基本として作業することが重要だと思います

但し、あまり下に出し過ぎるとホイールの着脱が難しくなりますので、お気を付けください


位置が決まったら、シートステー側のブリッジに付いたダボ穴の位置に穴を開けていきます

泥除けとフレームの隙間が今回は23mmでしたので、3mm厚の革パッキンを2枚挟みますので、約4mmの間隔を開けた状態での位置を測ることが大事です
※革パッキンはボルトで圧縮されて4mmになる計算です


取付けはフロント同様に普通のステンレス製キャップボルトで取り付けます
革パッキンが2枚の場合には長さ10mmで足りるのですが、今回はシートステー部分に分割用の金具を取り付けるので、15mm長のボルトを使用します

スプリングワッシャーも平ワッシャーも極標準的なステンレス製です

今回は、あくまで基本編ですので、ボルトの恰好が悪いとかのツッコミはご遠慮ください(汗)


シートステー部に泥除けを固定したら、クリアランスをチェックして修正が必要なら革パッキンの厚みや枚数を変更します

今回はそのままでOKなのでこのまま進めます

泥除けとホイールのクリアランスが均一になる様に泥除け本体の幅を広げたり狭めたりして調整していきます

このクリアランス調整がバッチリ出来ているかどうかで、最終的な仕上がりに大きな違いがでますので、慎重かつ大胆に行います


次に、チェーンステーブリッジ位置を決めていきます

シートステー側と同様に4mmの隙間が空いた状態での位置にすることが重要で、この位置がチョットでもズレるとキレイなアールが出ませんから特に慎重に位置を出してください

もし、位置がズレて穴を開けてしまったら、穴を楕円に広げて装着してください1~2mm程度のズレであれば、誰にも気づかれません
ズレた状態で無理にボルトを取り付けると泥除けのアールが崩れますのでご法度です


チェーンステー側の泥除けに穴を開ける時に合わせてダルマネジ用の穴も開けてしまいましょう

フロント側と同じ寸法で、泥除け後端部から12cmで左右が端から内側に20mmの位置にします

人によっては後端部からダルマネジの位置まで、前後でズラして穴を開けている様ですが、velocraftでは基本前後は同じにしています

特に良くあるのが、フロント側は後端部に近く(7~8cm位)で、リアは後端部から遠く(15cm位)で、恐らくステーの角度をきつく見せたい為だと思います

お客様からリクエストがあれば合わせますが、それ以外は同じの方が恰好良いと思って作業しています

この辺もショップや作業者の考え方が強く出るところですよね


チェーンステーの間隔よりも、泥除け幅の方が広いので、泥除け左右が潰れてチェーンステー近辺だけ幅が狭くなってしまいます

太い泥除けを取り付ける時には必ず起こる現象なので、これを解消してチェーンステー部分の裏側だけ、幅を狭くする必要があります

次回はココから始めて行きます
続く・・・

velocraft流組立て基本編 vol.6

フロント泥除け取付けの続きです
今回で、フロント泥除けの取付けが終了です


泥除け本体がフォークに付いたので、次はステーの取付けです
泥除けとステーとフォークを繋ぐ為の部品はダルマネジとRクリップを使用します

ダルマネジはボルトの長さが短い8mmのタイプを使用し、泥除けとステーを結びます
今回のフレームはダボ穴にM5のネジが切ってありますので、Rクリップを使用して、フォークとステーを結びます


ダルマネジは左から、ステーが通るギロチンネジ・ステーを押さえるハカマ・プラスチック製の平ワッシャー・内歯式のギザワッシャー・緩み止めのギザが付いたフランジナットから成っています

velocraftでは、プラスチック製の平ワッシャーとギザワッシャーは使用しません

平ワッシャーは勿体無いですが処分してしまい、ギザワッシャーは他所で使用します




泥除け後端部分に2か所穴を開けておきます
位置は泥除け後端から12cmの箇所左右にΦ5mm

左右の間隔はH50の場合、左右の端から20mm内側にしています
マスキングテープ等を利用すると、平行度合が確認出来て作業しやすいと思います
勿論、泥除けの幅によって変化しますので、下記ご参考まで

H35…15mm・H30…17mm・H40…18mm・H50…20mm・H80…25mm
泥除けに溝が付いているタイプは溝の谷部分に開けています


そこに、ダルマネジを取り付けステーを通します
ステーはH50の場合にはそのままH50用を使用していますが、細見泥除けの場合には本所指定のステーよりも3~5mm幅の広いステーの方が上手く付くと思います


ステーが左右均等になっていることを目視で確認しながら、泥除けとタイヤのクリアランスが均一になっていることを目視で確認しながら、ステーの長さを決定して金ノコでカットしていきます

勿論、金ノコで切っただけではバリが出ますからヤスリなどで整えてください


Rクリップの面位置とステーの面が一致すればOKですが、最初はピッタリの位置合わせるのは難しいですから、長めになる様に2~3回に分けて徐々に面位置に合わせていく方が安心です

短くなり過ぎたら、ステーを再度用意しなくてはならないですからね


また、ステーの長さを決める時もダルマネジをしっかりと固定してから行います
ダルマが宙ぶらりんの状態では、ステーの長さが簡単に1~2mmズレテしまいますので、それを防ぐ為です

面倒と感じる事でも、毎回しっかりと手順を踏むことが大事だと思います

合わせて、キャリアと泥除けも固定します


今回仕様しているveloorangeのキャリアにはナットが容易されていますので、泥除けの裏からボルトで固定します

泥除けとキャリアのクリアランスの確認と泥除けに開ける穴の位置を確認しておきます

その後ドリルなどで、必要箇所に穴を開けてください


このナットはキャリアパイプの突き当りがありますから、ボルトの長さには特に注意が必要です
必要な長さのボルトが無い場合には長めのボルトをカットして自作する必要もあります
先程使用しなかったギザワッシャーを緩み止めとして使用しています

今回は泥除けとタイヤのクリアランスを均一にする為に2mmの隙間を埋める必要があったので、3mm厚の革パッキンを1枚間に入れています
ボルトの圧力で潰れて2mmになる計算です

革パッキンの制作は前述のゴムパッキンと同じ制作方法ですが、Φ12mmの外径としています

なぜΦ12mmかというと、通常のM5用の平ワッシャーの外径がΦ12mmだからで、小さめにΦ10mm程度にしても良いと思います

革パッキンでなく、プラスチックやゴム製のワッシャーを挟む方がいらっしゃいますが、革の適度なクッションが泥除けの割れを防ぎ、ゴム製では経年劣化が激しく、パッキン自体の割れが早い為、革製であることは大事だと思います

これでひと通りの取付けが終了ですので、一旦全ての部品を外します


研磨剤で、泥除け本体を磨いておきます
velocraftでは定番のピカールを使用していますが、どんなメーカーの物でも良いと思います

磨き終わったら、元の状態に組み付けます

面倒と感じますが、フォークに付いた状態ですと細かな箇所が磨きにくいので、一旦バラシテ磨くという作業が重要になってきます


組み付け終わったら、チョット離れたところからチェックしてクリアランスが良いか、左右のバランスが崩れていないかなどを確認します

修正箇所がある場合はもう一度バラシテ修正していきますし、OKならこれで終了です

さて、次はリア泥除けに取り掛かります
続く・・・