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始めてのオーダーメイド 後編

これから初めてオーダーメイドのトラディショナルツーリングバイクをとお考えの方へ向けた、チョットのアドバイスの後編です

自転車の完成イメージや格好良さを追求したら、次は現実に落とし込まなくてはなりませんよね
お金の問題と納期の問題

オーダーメイドのフレームビルダーのWebサイトを見ても価格が記載されていないことが殆どで、自分の欲しい自転車がいくらになるのかの目安がありませんし、納期が書いてある訳でもありません

まず納期の問題ですが、日々刻々と変化しています
フレームビルダーはフレームのオーダーを受けた順番にコツコツと作りますし、一度に1台づつ作るのでは無く、何台か纏めて制作して生産効率を上げています

複数人いる大きな工房では一度に10台以上まとめて制作しますし、1人で制作しているビルダーは1台のこともありますが3~5台位のことが多い様です

順番に制作しているということは、1台差で次の生産にまわされてしまうと、1~2か月完成が遅くなってしまいます

オーダーをした時のタイミングのチョット前に20台まとめてのオーダーが入っている事もあるかもしれません
特にOEM生産(ショップオリジナルフレーム等)をしている工房では、良く起こり得ることです

そんなことで、2~3か月位の誤差は常に付きまといますので、その前提でお考えください

ロイヤルノートン・・・4~5か月(但し、キャリア制作の場合+1か月)
TOEI・・・1年半~2年(最近チョット早くなってきました)
ケルビム・・・1年+α(但し、キャリア制作が無い場合に限る)

メインで扱っているフレームビルダーは現状(H29年8月)こんな感じの納期になっています
※組立てを含める場合には、大槻の組立て時間が更にプラスになります
 組立て時間はその時の混雑状態で大きく変化しますが2週間~1か月程度

つまり、ロイヤルノートンなら半年以内で充分に制作可能です
始めてのオーダーメイドで今現在乗車可能なツーリング車をお持ちで無い方へ、お勧めしやすい納期ですね
その他ですと、1年以上の時間が掛かりますので、注文をだしてからジッと1年以上待っているのはあまりに時間が勿体無いですから

勿論納期をご理解頂いた上で「どうしてもTOEIに乗りたい」「ケルビムじゃなきゃイヤ」という方は、それでも良いと思います
velocraftでは比較的多いのですが、オーダーを入れた時に車種の近いマスプロ車を同時に購入し、オーダー車が完成するまではマスプロ車に乗り、オーダー車が出来上がったら乗り換えるというパターンも有りだと思います

時間が掛かるオーダーメイドで重要なのは「変わらない気持ちを持ち続けること」
オーダーをしてから「ああすれば良かった」「やっぱりメーカーを変えたい」「他の物が欲しくなってきた」は承れません

フレームの制作に入る前なら多少の変更をお受けすることは致しますが、キャンセルは基本承っておりません

その覚悟がオーダーメイド車の最も高いハードルなのかもしれません

自転車を考える際に最も重要なのは、価格だと思います

凝った作りをすれば高額になりますし、パーツの価格は千差万別ですので、下限はありますが、上限はありません
オーダーメイド自転車だけではありませんが、趣味の世界の金額は興味の無い方から見たら、狂気の沙汰ですからね

トラディショナルツーリングバイクのフレームのご注文でvelocraftの標準的な価格帯は

フレーム+フォーク+小型Fキャリアの3点で
ロイヤルノートン 14~15万円
TOEIスタンダード(セミオーダー) 15~18万円
TOEIフルオーダー 25~30万円
ケルビム 35~40万円
※市販のキャリアを装備する場合は約1万円程価格は下がります

だいたいこの位ですが、工作によって変化します
特に大きな変化が生まれるのが、メッキ処理と内蔵工作
メッキをするなら、3~5万円位プラス ブレーキ&シフトワイヤーを内蔵するなら、2~3万円プラスで考えておいた方が良いと思います

そしてフレームよりも大きな価格の上下が出てくるのがパーツ関係です
勿論、TOEIフルオーダーのフレームに5万円位の完成車に付いている様なパーツを装備しても走行は出来ますので、一概に言えませんがvelocraftの場合は、フレームセット(上記金額)と同等の価格で組むことを目安としています

15万円のフレームなら15万円のパーツ、30万円のフレームなら30万円のパーツと言った具合です

フレームの品格とパーツの品格のバランスを考えると、この位が丁度良いかな?と思っていますが、絶対ではありません

更に、そこから完成車にする場合には組立て作業料を頂いています

velocraftの価格は以下となります
基本組立て・・・¥20,000-
ホイール組立て・・・¥8,500-
泥除け取付け・・・¥8,000~¥11,000-
泥除け分割加工・・・¥3,000~¥8,000-
ダイナモコード配線・・・¥4,000~¥8,000-

上記が基本価格となり、殆どの場合はこの中に納まりますが、特別な作業が必要な場合にはUPチャージを頂くこともあります
※バーテープへのシェラックニスや特殊なライト配線など

以上を合計していくと・・・
ロイヤルノートンで、基本的なランドナー制作の場合
フレーム+フォーク+Fキャリア 14万円
その他パーツ類一式 14万円
工賃(基本+ホイール+泥除け) 3.6万円
トータル 31.6万円

TOEIフルオーダーの場合
フレーム+フォーク+Fキャリア 25万円
その他パーツ類一式 25万円
工賃(分割加工+ダイナモ含む全て) 5.5万円
トータル 55.5万円

すごーく大雑把ですが、この位の価格が必要になってきます

勿論、オーダー車でもロードバイクの場合だと、ホイールは完組みのポン付けですし、泥除けの取付けもありませんから、工賃(作業料)はグンッと下がりますが、カーボンパーツ等で、パーツの費用は上がるのが一般的です


以上、2回に分けて初めてのオーダーメイドに向けて、簡易的な考え方と目安を書きました

価格や納期は、変動が激しい(最近は特に値上げ傾向が強い)ですが、制作する自転車のシルエットはパーツの違いこそあれ不変のものだと思います

是非、チョットだけ高いハードルを飛び越えてオーダーメイドでトラディショナルなツーリング車を作ってみませんか?

きっと、もっとサイクルツーリングが楽しくなるはずです!

---------------キリトリ--------------
今日(H29年8月12日)にシマノから、今期の展示会の案内はがきが届きました
例年この時期なのですが、今年は9月13日(水)とのこと

勿論、大槻も参加して来るのですが、その案内の中に「SHIMANO STEPS」のロゴがかいてありました

「STEPS」日本ではなじみが無いですが、シマノ製の電動アシスト用コンポーネントで、既に欧米では一部発売されています

・・・っということは、モーターの安全基準やアシスト力が違う日本向けの商品が遂に発売されるということでしょうか?
そうじゃなきゃ、わざわざ「STEPS」の記述はしないですよね??

これは超楽しみになりました!!!!!!

今年はアルテグラやディオーレがモデルチェンジになりましたが、既に発売もされていますし、トップグレードでも無ければ、ツーリング車に似合うパーツでもありませんから、そんなに重視していませんでした

シマノから電動アシスト(E-BIKE)のユニットが発売されて、単品で購入可能ならオーダーメイドでフレームを作って、ユニットを搭載して、泥除け付けてキャリア付けて、E-BIKEランドナーが作れちゃう!

これで、大槻もみんなでツーリングに行くときに峠の登りで遅れて、みんなを待たせる事もなくなるのでは??

どうなるのでしょうか??
9月13日の展示会が待ちきれない!

始めてのオーダーメイド 前編

始めてオーダーメイドでツーリング車を作りたいと、velocraftへご来店頂けることが多いのですが、そんな方へチョットだけアドバイスを・・・

まずはツーリングのスタイルを決めておくが最も重要です

残念ながら、万能な自転車はありません「自転車が10kg以下で、20kgの荷物を積みたい」「前後に大型のキャリアを取り付けて、輪行は車輪を外すだけにしたい」「140cmの身長で700cサイズ」等、どうしても無理と言わなくてはならないことがあります

ギア段数・フレームブランド・自転車車重は、ツーリングで重要ではありません
ギアの数が5段しか無くても、知らないブランドでも、20kgの自転車でも充分ツーリングを楽しむことは出来ます
勿論、多くのギア段数で、憧れのブランドで、超軽量で壊れないならツーリングはもっと楽しむことが出来ますが

なので、オーダーの際に最も大事なのが「今回の自転車で何をしたいか」を可能限り明確にして頂くこと

車載重量・自転車重量・ギア比・輪行時間のバランスを最適に取りながら、オーナーの身長体重・テクニックを加味して、おおまかなシルエットを決めていきます

例えば・・・
日帰り輪行で関東のオンロード峠越え・・・日帰りだけなら、大きな荷物は必要ありませんから、フロントバッグ+輪行袋をサドルへ、峠の下りにはしっかりとしたブレーキングをしたいですからドロップハンドル、ギアは舗装路のみならフロントダブルで、リアは低速に対応しやすくワイドギア

2~3泊の週末宿泊まりツーリング・・・2~3泊で冬季を含まないならフロントバッグ+サドルバッグでOK、冬季を含むなら無雪と考えても防寒着が増えるので、フロントバッグ+リアパニア台のツーリズムスタイルで、その他荷物以外は上記日帰りスタイルと同様でOKですが、パニア台やサドルバッグを含む為輪行は多少時間が必要になる

オフロードも含む峠越えツーリング・・・オフロードメインなら泥除け無しのオールラウンダーバーで70年代に流行のパスハンティングスタイルで、オンロードメインのなか、若干のオフロードなら、タイヤを若干太くする程度の日帰りスタイルとギア比以外は同様、ギアは可能な限りローギアを増やすが、見ため重視でロード互換パーツにするか、ギア比優先のMTB互換パーツにするかはオーナー次第、担ぎや押しを伴うオフロードの場合は、壊れやすくなるがなるべく軽量に仕上げる、バッグ類は自転車には取り付けないもしくはサドルバッグのみで基本はリュックサック

2~3泊程度のキャンプツーリング・・・冬季を除けば、フロントバッグ+フロントサイドバッグ+サドルバッグで対応可能になり、リアパニア台やリアキャリアを装備しなければ、輪行にも対応しやすい、女性や腕の力が無い方や多少のオフロードも想定する場合には操作性よりも転びにくさを優先してフロントバッグ+リアキャリアにする場合もあるが輪行はし難くなることもある、ギア比は極端にローギアを設定する必要も無く、ロード互換パーツでなるべくワイドギアを選択するがそれ以外は宿泊まりツーリングと大きな変化は無い

等々・・・
まずはこんな感じでツーリングのスタイルに合わせておおよその自転車のシルエットを決めていきます

その時にはタイヤサイズや、価格、使用するバッグやコンポーネント類など具体的なパーツを決める必要はありませんし、フレームの素材やサイズも考える必要はありません

最初のオーダーの場合に、パーツスペックやフレーム素材などのリストをお持ち頂くことも多いのですが、決して必須ではありません
そんな事は後回しでOKですし、100%お任せでも問題ありません

まずは「万能車は無い 1台の自転車で全ての遊びをすることは難しい」という認識と「今回の自転車は何目的」かをはっきりとさせて頂くのが、最も重量です

目的をはっきりさせる為にも、まずはクロスバイクやロードバイク等、どんな車種でも良いので、まずはツーリングを実際にしてみて、自身のスキルや体力、何に面白さを感じるのか(走った距離・峠制覇・キャンプ等々)を見極めてからのオーダーをお勧めします

つまり、最初の1台でガチガチに用途を限定してしまうと、実際に走ってみたらシンドかったor物足りないなんてことが起きてしまいます

そんな時に何十万円も掛かるオーダー車ですとリスクが高過ぎてしまいますよね

・・・っとここまでが教科書通りの説明だと思いますし正解だと思います

しかし、今の世の中そんなことは解っていても、とりあえず良いもの(高級なもの)が欲しいし、近道をしたい方が多いでしょう
情報は溢れんばかりに入ってきますしね

velocraftでのオーダー車を承るお客様の平均年齢は恐らく40歳代半ばだと思います
※中央値は50歳位かな?

そんな大人な方に「とりあえずクロスバイクでも乗ってからオーダー車にしてみたら?」では、モチベーションも下げてしまいますよね?
トラディショナルな恰好良いツーリング車が欲しいのに、クロスバイクやロードバイクに乗る(お金を出す)ことに抵抗感はあるはず

既にロードバイクに乗ってきたベテランの方でも、ツーリングの種類によって自転車が変わることに違和感を感じる方もいらっしゃいます
今までロードバイクで、レースにも日帰りツーリングにも、宿泊まりツーリングにも、グラベルにも使ってきたのに、ツーリング車だけはなぜそんなに用途を限定するのか?と疑問に思うはずです

その他「特定のツーリングでは無く、様々なツーリングで使用したい」「日帰りツーリングがメインだけど、2~3泊するかもしれないし、ひょっとしたら北海道1周位するかも・・・」
「メインは年に2回のツーリングが目的だけど、日々通勤でも使用したい」
1台の自転車であらゆる使い方がしたいという方が実際には多いと思いますし、現実的でしょう

今の時代、キャンプ道具も軽くなりましたし、バイクパッキングという「恰好良さでは無く、とにかく簡単に車載する」バッグも増えましたので、軽量なスポルティフでも日本一周位まで可能になりました
オフロードも探さなくては遭遇しない位まで道路も舗装されています

つまり、どんな車種でも日帰りツーリング~日本一周まで出来る世の中になったのです

後は、軽快に見せたいからスポルティフ、ユッタリ感をアピールしたいからランドナー等、個々人のイメージで自転車を選んでOK
昔に比べて、車種に対する意味合いは減ってきていると思います

勿論、オーナー様の意見のみで自転車を制作していたらvelocraftは必要ありませんから、適時大槻がアドバイスさせて頂きますし、危険な選択と思ったら止めます

なので、こんなこと言ったら怒られるのでは?っと緊張してご来店頂く事も多いのですが「こんな自転車作りたくない~」「もっと勉強して来い~」とか、絶対言いませんので(当たり前です)、お気軽にオーダーメイドをご検討ください

出来る限りのお手伝いはさせて頂きますし、「全てお任せ」でも「全て決めた状態」でもオーダーメイドはお受け出来ます

まずは、イメージをお聞かせください
勿論、2~3回は打ち合わせを重ねてからご注文頂くことも多いですから、その場でオーダーで無くてもOKです

長くなったので、次回は費用と納期についてお話しします

自転車の完成状態とは?

トラディショナルなツーリング車を組み立てている時に、いつも疑問に思っています

「どの状態が完成状態なのだろう?」
「ストリップ+キャリア+泥除け?」「ライトも追加する?」「バッグ類も?」「やっぱり人間が乗っている姿も含める?」

カタログの写真では


こんな形で掲載されていますよね
カタログの写真は、表記されている販売価格に含まれている全ての状態の写真ですから、完成形ではありません
だれもこの状態で使用することは無く、ライト・バッグ等を追加しなくてはなりません
つまり未完成の状態で販売されている訳です

でも「完成車」という呼び名で販売されています
全然完成されていないですよね?この状態から様々なアクセサリーの取付けが必要です
更にロードバイクやMTBではペダル別売のことも多いですから、「完成車」でも乗ることすら出来ません

絶対の答えがある訳では無いのは承知の上で、大槻は「乗車可能な自転車+全てのアクセサリーを装着した状態」と考えています

つまり、キャリアもバッグも泥除けもボトルケージもボトルもポンプもライトも全て、バッグの中身とボトルの中身以外の外から見える箇所全てが取り付いた状態が「完成状態」と判断しています

その完成状態で、どこまで機能的で恰好良いかが大事だと思います

その為例えば自転車を販売する際に「○○○○(パーツの種類)は後から考えるから、とりあえず、アクセサリーは無しで購入します」と承ると、勿論問題がある訳では無いのですが、今後のアクセサリーチョイスがチョット心配になります

アクセサリーは自転車との相性がとても重要ですから、Fフロントバッグひとつにしても適当に買ってしまうと、キチンと取付けが出来ない等の不具合が起こってしまう可能性が高いですからね

現在は費用の問題はあるかもしれませんが、様々な機能的で恰好良い製品がイッパイあります

Fバッグならオーストリッチやジルベルトゥか、velocraftでは扱いはありませんが、グーワタナベやRSAサンバッグ等のオーダーメイドバッグ
ライトならキムラ製作所のバッテリーライトやシュミットのハブダイナモライト
ボトルケージなら東叡社のハンドメイドから国産のニットウ、台湾製のveloorangeなど多種存在します

しかし、1点どうしても現行品・旧品含めて気に入る製品が無いアクセサリーがあります
それが「サイクルコンピュータ」


上写真はTOEIスペシャルメイドのフレームに70年代のパーツチョイス、ステムやハンドルバー等はアルマイトを落として指紋ひとつ許されない様なハイポリッシュで仕上げてあります

写真では解りませんが、パーツ類も様々な手を加えたスペシャルな仕様で、各種ボルト類も全て1点もののチタンボルトで組み立てている、まさに「隙の無い自転車」

オーナーの情熱と関わってきた多くの職人さん達の技術をつぎ込んだ1台・・・なのですが、これに似合うサイクルコンピュータが無い!!

現在販売されているキャットアイやその他様々なコンピュータも全く似合いませんし、旧品の機械式スピードメーターやカウンターもゴツすぎてスマートな車体に似合うものが見当たりません

なら、取付無くても良いという選択肢もあるのですが、実走派のオーナー様としては、そうもいきません

そこで大槻が出した答えは、諦める(笑)

サイクルコンピュータが無い状態が完成状態で、付いている状態が蛇足状態

その為、今回選んだのがガーミン25J
GPSサイクルコンピュータの中で最も小型タイプ

GPS内蔵ですから本体単体でスピード・距離等が表示されますし、取付も輪ゴムの様なゴムバンドのみで手で簡単に外せます

使用する時は見ためを妥協する、写真撮影や眺める時は簡単に外せて見ためスッキリ
そんな理由での採用です

ホイールにマグネットを付けたり、フォークやチェーンステーにセンサーを付けるタイプと比べると良いと思いませんか?

【価格】¥16,800-(税抜)