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velocraft流組立て基本編 vol.18

いよいよ組立ても仕上げの段階に入ってきました
今回はバーテープを巻いていきます


バーテープはツーリング車の基本とも言って良いVIVAコットンバーテープを使用します

今回の様な小さめブレーキレバーを使用する場合は、コットンや同じくVIVAのアースバーテープの様に薄めのバーテープが似合います
機能上問題は一切ないのですが、コルク製などの厚めを選んでしまうと、ブレーキレバーと比べて、見ためハンドルバーが極端に太く見えてしまう為、シルエットが若干崩れてしまいます


バーテープを巻き始める前に、ブレーキレバーバンド部に印を付けておきます
バーテープを巻いている最中にブレーキレバーバンドの位置がズレテしまっても修復できる様に保険を掛けています


ハンドルからブレーキワイヤーを外して、ステムをフレームから取り、作業台に固定します
velocraftで使用している作業台は、クルクルと回転してくれるので、フレームにハンドルバーを取り付けた状態で作業するよりも、数段作業が簡単になります


次にブレーキレバーバンド部に巻く為にバーテープを切り、ブレーキレバーバンドに貼り付けます
このバーテープの粘着力で、ブレーキレバーバンドを固定するので、力が加わると簡単にズレテしまいますから、先ほど油性インキで印をつけた訳です

そうしたら、ブレーキレバー本体をハンドルバーが外します
これで、下準備はOKです


エンドキャップの大きさとハンドルバー内径の相性を確認したら、ピッタリとエンドキャップが収まるのに必要な分のバーテープをハンドルバー外に出してから巻いていきます

つまり、エンドキャップが変わるとバーテープの巻き方が変わるということで、この作業をしておかないと、バーエンドキャップが緩いor入らないということが起きてしまいます

例えば、今回使用しているニットウB135ハンドルなら、VIVAのプラ製バーエンドキャップなら、コットンバーテープを1周分裏側に折り込んで丁度良いですが、ニットウのアルミ製バーエンドキャップですと、一切ハンドル裏側に折り込みません
バーエンドキャップを他種に交換する時はご注意ください


バーテープを1~2周巻いたら、バーエンドキャップを取付けます
この時点で、キチンとバーエンドキャップが装着出来、バーテープにも無駄なシワが無く、ハンドルバーが剥き出しになっていないかを確認します

コットンバーテープの場合には少ないですが、大槻の場合コルク製ですと5回に1回位、革製ですと5回に4回位、満足のいく仕上がりになっておらず、やり直します
自転車屋になって25年、バーテープも数千本は巻いていて、苦手な作業という訳では無いのですが、この位の確率でやり直す必要がある箇所です

よく、雑誌やメンテナンス本を見ると、バーテープを全て巻き終えてからバーエンドキャップを装着する様に書いてあることが多いですし、バーテープに付属している説明書にも同様に書いてある場合が殆どです

なんででしょうね?????


後は等間隔で巻いていき、ブレーキレバーバンド部はたすき掛けにします
ブレーキレバーの内側に入る箇所ですし、ブレーキレバー全体をたすき掛けにする訳では無いので、比較的簡単なやり方だと思います

バーテープの重なり具合を均一に近づけたいので、重なり具合を調整しながら、ピッタリくる様に何度も巻き直しますが、コットンバーテープの場合、テープ自体が伸びると伸びっぱなしになるので、なるべく1~2回の巻き直しで済むように慎重に行います
巻き直しをせずに1発で決まることは殆どありません

イメージですが、0.5mm単位で重なりを調整する必要がありますので結構シビア

勿論、ご要望があればブレーキワイヤーやシフトワイヤーがハンドルバーに沿う現代的なタイプでも、同様にバーテープを巻くことは可能ですが、自転車組立て全体の作業順序は変わりますし、比較的時間が掛かるので、UPチャージを頂いています


ブラケットを超えたら、また均一に巻いていき、最終箇所はハンドルバーの真下で真っ直ぐに切り終了です

最後の巻きが太くならない様に、重なり具合を調整して巻き終わりが真下に来るようにしてください

コットン以外のバーテープでは、巻き終わりに飾りテープやビニールテープを巻くことが多いですが、コットンの場合は基本切りっぱなしです
麻糸を巻いて補強するのを、アメリカメーカーを中心に見かけますが、ご要望がある場合にのみ作業しています


巻き終わったら、ブレーキレバーを戻して、最終チェックです
この時点で不具合が見つかると最初から全てやり直しですから、緊張の一瞬です


作業がすんだら、バーテープをラップで包みます
この後も作業は残っていますし、今回は展示用に組み立てていますので、汚れやすいバーテープを保護する意味合いがあります


反対側も作業して、フレームにハンドルを戻してワイヤーを掛ければバーテープ巻きは完成!

大槻が集中して作業するとバーテープ巻きは基本30~40分位で出来上がります
見ためがキレイではなくても、重なりが不均一で段差があっても、事故に繋がる様な部分ではありませんので、メンテナンスをこれから自身で始めようという方に、まず挑戦して頂きたい箇所
おおよそ片側1時間、両側2時間位の時間は最初必要だと思いますので、チャレンジしてみてください

さて、次回はサドル取付け~最終チェックをしていきます
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.17

今回はカンチブレーキの調整です

チドリとアーチワイヤーを使用することで、純正品のみの取付けでは出来ない様々なセッティングにすることが出来ます

まずは、今回のセッティング方法をご紹介します


普通のセッティングにする場合には2つの事をまず確認しておきます
1・前後のカンチ台座の幅
2・Y型ユニットリンクのアーチ部角度

今回のフレームはフロントのカンチ台座幅が73mm・リアが82mmでした
Y型ユニットリンクの角度は約80°

この2点が決まれば、セッティングは簡単です
カンチ台座の幅はBR-CT91の場合には約65~90mmの台座幅に無理なく対応出来ます
※台座幅は経験値です シマノのお客様相談窓口に以前問い合わせたところショップには教えない方針とのことでした

台座幅がフロント73mmですからシューの突出しは短めのシューシャフト長の1/3程度で、リア82mmですからシューの突出しは2/3程度すれば良さそうです
Y型ユニットリンクの角度は80°ですから、今回使用のアーチワイヤーも約80°にセッティングしてあげればOK

この2点のみで、簡単にセッティングの位置が全て決まります
後はそれに合わせて上げれば・・・



簡単に調整は終了です

以上、終わり!

インナーワイヤーはシフト同様に脚に当たっても簡単に取れてしまわない様にシッカリと止めて、飛び出している部分は折り曲げておきます



ちなみに、チドリの位置を変更するとブレーキフィーリングは大きく変化します

ブレーキの絶対的な制動力を上げたいなら、チドリの位置を下げたセッティングにします
ブレーキシューの移動距離が短くなり、制動力が上がります
但し、ブレーキシューの潰れやフレームの開きでグニュッとしたフィーリングになりますし、泥つまりが多くなり、オフロードには向きません

逆にチドリの位置が高いと、制動力が落ちてカチッとしたフィーリングに変化します
泥つまりが少なくなりますので、オフロードの使用に向いていますが、シクロクロス的な使用方法に限定されます
制動力が弱まっていますので、長いオフロードダウンヒルでは握力が無くなってしまいますからね
シクロクロスレースの写真を色々見て頂けると解ると思いますが、どれもチドリ位置が極めて高いセッティングになっていると思います
※最近はディスクブレーキが増えてしまっていますが・・・

よくマファック・クリテリウムの効きが悪いというご相談を頂くのですが、大体セッティングはチドリ位置が高い状態になっている場合が殆ど
クリテリウムの場合、あまりチドリを下げるとブレーキ本体とアーチワイヤーが干渉して切れやすくなってしまうので、チドリ位置を本体に当たらないギリギリ下にセッティングするだけで、大幅に制動力は改善しますので、ご参考まで

これで、メカニカルな部分は終了し、次はバーテープ巻きをしていきます
完成までもう少し、続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.16

今回から2回に分けてブレーキを取り付け調整していきます

ブレーキが終わればメカニカルな部分が終了し、バーテープとサドルを取付ければ組立ては終了ですから、先は見えてきました


ブレーキアーチは前述のシマノBR-CT91を使用しますが、このカンチブレーキには上写真にあるY型ユニットリンクと呼ばれる、チドリとアーチワイヤーがひとつの部品になったものが付属されています

このパーツを使用することで、ブレーキシュー調整やレバーのストローク調整が簡単に済むのですが、ブレーキワイヤーを外してハンドルバーを抜くタイプの輪行方法ですと、作業が難しくなるので使用しません



昔ながらのチドリとアーチワイヤーを使用します
上写真はどちらもダイアコンペ製の一般的なパーツですので、費用の追加も多くは掛かりません

このタイプにすることで、ブレーキ本体からアーチワイヤーの片側を外すと、Y型ユニットリンクよりもワイヤーの自由度が高くなりますので、ブレーキレバー側でのワイヤー着脱に向いています

また、カンチブレーキはチドリとアーチワイヤーの調整で、様々なブレーキフィーリングにすることが可能になり、パニックブレーキ優先やコントロール性優先、カチッとしたフィーリングやフニャッとしたフィーリング等、ユーザー個人のフィーリングに近づけることが出来ます

但し、今回は普通に組み立てるので、一般的な調整に留める予定です


ブレーキレバーのアウター受けは基本アウターを受けるだけなのですが、今回は上写真のアジャスト機能が付いたタイプに変更します

乗車していると徐々にブレーキシューが擦り減りストロークが長くなっていきますので、乗車中でもブレーキストロークの調整が出来る様にこのタイプを採用します

今回の自転車はフロントアウター受け(コラム部)にもアジャスターが付いているので、フロントの意味は少なくなってしまいますが、リアアウター受けはフレーム直付けのアジャスター無しなので、リアブレーキには特に有用になってくれます

使用するパーツが揃ったら、ワイヤーを取り付けていきます

今回はシマノのSLRブレーキアウターとステンレスインナーワイヤーを使用します

シマノ製は最近人気の日泉製ワイヤーと比べて、コシが有り固めですので、ブレーキング時のフィーリングがダイレクトで、制動力のロスが少なくブレーキが良く効く様になります

よく、古いブレーキワイヤーを使用している方が「ブレーキの制動力をもっと上げたい」とご相談頂くことも多いのですが、ブレーキワイヤーをインナーアウター共にシマノ製に変える事を第1歩としてオススメしています

カンチブレーキの本体を交換するよりもずっと制動力が変化することも多いと思います


アウターワイヤーにはシマノのロゴがプリントされていますので、アウターの長さを決める時にロゴが綺麗に見える様にセッティングしています
SHIMANOが上下逆に見えたらみっともないですよね 勿論性能に違いは出ませんが・・・

ロゴマークが付いているのはヤダという方も多くいらっしゃると思いますが、その際には日泉のワイヤーはロゴがプリントされていませんので、スッキリと出来ます

自転車の組立てで最も難しいのがアウターワイヤーだと思っています
※修理で一番難しいのは「パンク修理」

アウターワイヤーの色は?長さは?ワイヤーのカーブとアウターの許容範囲は?アウターの縮み量は?等、検討する課題は多岐に渡ります

店頭におりますと、ホイール組立てや泥除け取付けの作業をご依頼頂くことが多いですが、確かに、この様な作業も簡単という訳ではありませんが、ある程度の法則と作業手順が決まっていますので、悩む事は皆無です
しかし、アウターワイヤーの長さはコレといった正解が無く、今回の様なブレーキレバーの場合には本来使用するバッグにもよりますし、車種・フレームサイズ・ブレーキレバーの向き、配色のバランス・フレームとの相性等、毎回大いに悩んでしまいます

いつまで悩んでいても仕方が無いので「基本的なセッティング」をご紹介します


ステムをMAXまで上にした状態でハンドルバー上からブレーキアウターの頂点までの距離を11cmにしています
勿論、全ての自転車のアウター長さを統一しているわけでは無く、状況で変化させています

ロードバイク・・・9cm
スポルティフ・・・10cm
ランドナー・・・11cm
キャンピング・・・12cm
ロードバイクの場合にはフロントバッグを付けませんから短くてOKですし、キャンピングの場合には重厚感を出したいので、長めに取っています

ここから、フレームサイズで調整していきます
500mm未満・・・マイナス1cm
560mm以上・・・プラス1cm

左右のワイヤーの交差によって更に調整していきます
左右のブレーキワイヤーが交差しない・・・マイナス1cm


ハンドル上部でブレーキワイヤーが交差するかしないかはフレームアウター受けの位置で決まりますし、アウター受けの位置は使用するバッグの形状で変化します(フロントバッグのフタが前開きなのか後開きなのか等)場合によってはベルの位置によっても変化します

今回の場合は・・・
ランドナー+フレームサイズ560mm・ハンドル上部で交差しない=11cmとなります

勿論、この式が全てではありません
キャンピングの大きめフレームサイズであっても、ハンドル下部を肘をしっかり直角程度まで曲げて、峠をアグレッシブに下る方は恐らく14cmもハンドル上部からワイヤーが出ていると顎にワイヤーが当たってしまうかも知れませんし、ワイヤーは短い方がブレーキの効きが良くなりますから、超小型のフロントバッグを使用したスポルティフならロードバイクと同じ程度にアウターを短くした方が良いこともあります

しかし、大槻としては、店頭に並べている展示車のアウターワイヤーの長さばバラバラなのはキレイでは無いと思っていますし、ご購入頂くユーザー様にvelocraftの組立て方法をご理解頂き、展示車と納車のイメージがなるべく同じになる様に寸法を決めています
ご購入の場合は、ご指示頂ければ勿論ソレに合わせますので、「コダワリ」では無くイメージ作りなんだとご理解ください

さて、これでワイヤーが通りましたので、次回はブレーキ調整に入ります
続きます・・・