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velocraft流組立て基本編 vol.15

15回目はハンドル周辺のパーツ選び

無数にあるハンドルやステムですが、普通のWレバーを使用したランドナーバーに絞って紹介致します


ランドナーバーはニットウ製のみオススメしています

ハンドルや種類だけでなく、ハンドル幅サイズも多種存在します
しかし、velocraftでオススメしているハンドルバーの種類は非常に限定的だと思います

1・B135 420mm幅
一番ポピュラーなランドナーバーだと思います
サイズは420mmの他に390mmと450mmがありますが、特殊な場合を除き(身長2m前後orオーストリッチF106をランドナーバーで使用時のみ450mm)420mmをお勧めしています
身長が低めの方ですと、ついつい390mmを選んでしまいがちですが、ツーリング車のアイデンティティーでもあるフロントバッグが装着出来なくなってしまう為、選ぶことはありません
ブレーキレバーで一般的なフーデッドレバーの場合にはこれを選択します

2・B136 400mm
身長が160cm程度の方にはB136がおすすめ
ハの字に広がるランドナーバーの中で最も垂直に近い広がりでエンド部とブレーキレバー部の幅の違いが少なく、幅が400mでもB135の420mmとほぼ変わらない幅を持っています
レバー部の幅が同じでもエンド部の幅が狭いので、小さ目のフレームサイズでも違和感無く、装着することが出来ます

3・B132 410mm
リーチが長く、ギドネットレバーとの相性が良い
他のランドナーバーと比べて、20mm位リーチが長いので、ギドネットレバーとの相性も良く使いやすい形状
コチラも幅390mmもラインナップされていますが、フロントバッグが装備しにくくなるので、ご提案することはありません
またリーチが長いので身長が大きい方でも、無理にトップチューブやステムを長くする必要が無くなるので、バランスが取れたシルエットが演出出来ます

今回はB135 420mmを使用します


ステムは上写真の3種類から選択します


1・ニットウ NTC-150
最もポピュラーなタイプで、どんなツーリング車にも対応しやすいと思います
グランボアから発売されているFバッグサポーターも取り付け出来ますので、機能としても申し分ありません
コスト最優先の場合に最適です

2・ニットウ NPステム
パールからマイナーチェンジしたNPステムは、NTCよりも高級品にしたい方に最適
サイズもNTCはΦ25.4mmのみですが、NPステムはΦ26mmもラインナップされていますので、ロード用バーとの組み合わせもしやすくなっています
グランボアとニットウからFバッグサポーターもラインナップされています

3・グランボア クロモリステム
クラシックな雰囲気を求める方や乗り心地を柔らかくしたい方にオススメ
ニットウのアルミ製と違いクロモリ製にメッキ処理ですので輝きが違いますから、よりクラシックさや高級感を出したい時にオススメです
このステムはアルミ製ステムと比べてタワミが大きいので、よく言えば乗り心地が柔らかい、悪く言えばブレーキング時に前にツンノメルという差があります
その形状からFバッグサポーターの高さ調整がしやすいので、大きめサイズのフレームに特に相性良く使用出来ます

今回はニットウNTC-150 80mmを使用します


フーデッドレバーはダイアコンペのDC204Qを使用します
その他高級版のGC202Qもありますが、「普通」のランドナーに似合うフーデッドブレーキレバーはこの2種類しかありません

カラーは基本204がブラックorブラウン、202がブラウンorホワイトとなります
(場合により、他カラーを選択出来る場合もあります)

これで、ハンドル・ステム・ブレーキレバーが決まりました
そのセッティングはどうしましょう

ハンドル下端の延長線上にブレーキレバー先端

ハンドル下端の延長線上からブレーキレバー先端が上2cm

ハンドル下端の延長線上からブレーキレバー先端が上4cm

セッティングで重要なのが、ブレーキレバーの取付け位置でしょう
上写真で解りやすく3種のセッティングをしました
どれが正解でどれが不正解という訳ではありませんが、大事なのはフードの上から手をかぶせた時のブレーキレバーの握りやすさとハンドルバー下を握った時のブレーキレバーの握りやすさのバランスでしょう

ブレーキレバーが下に付いているとハンドルバー下を握った時にはブレーキが掛けやすくなりますが、フードの上に手を置いた時には手首が後に返ってしまい、握りやすいとは言えません
積極的に下ハンを握る方に向いているセッティングです
よくハンドルの高さとサドルの高さが同じか若干ハンドルの方が高い極端にハンドルバーが高い方がいますが、これはハンドル下を積極的に握る方のセッティングで、ブレーキレバーが下方に付いていることが多いですよね

逆に上に付けると、フードの上に手を置きやすくなりますが、下ハンドルは握らないというセッティングですね
カンチブレーキやセンタープルの様に近年のサイドプルやディスクブレーキと違い制動力が弱めのブレーキの場合は下り坂は厳しくなります
フード上からのブレーキングではスピードコントロール程度は可能ですが、パニックブレーキはほぼ不可能だと思います(握力によりますが)

過去に自転車専門誌(どの雑誌だったか忘れました(汗))に寄稿したことがありますがスポーツバイクの場合ブレーキに求められる性能はスピードコントロールとよく言われています
しかしパニックブレーキも非常に重要です
いくらコントロール性が良くても絶対的な制動力が無ければイザという時に止まりきれませんからね
ブレーキを製造しているメーカーさんの話しでもコントロール性と制動力は相反する箇所があり、そのバランスは各個人で感覚が違い、万人に受け入れられる性能バランスを出すのが設計で最も難しいと仰っていました
正にその通りだと思います

その為、レバーを4cmも上げる様なセッティングをした自転車は峠に行く様なことがない、平地用のセッティングとなり、ツーリングバイクとしては使えないセッティングと言えると思います
但し、近年のロードバイクは制動力が極端に上がっていますので、フード上からのブレーキングのみで、強力な制動力を持っています
強力なパニックブレーキ性能を保持しながらスピードコントロール性も考慮しているという印象で、パニックブレーキ側に重きを置いていると感じています
レバーを上げるセッティングは強力なブレーキングパワーがあるブレーキシステムのみとしてください

っということで、基本的にvelocraftでは上写真真ん中のハンドルバー下端の延長線上からプラス2cm位で組み付けています(オーナーの指示があればソチラを優先します)


ステムにはコレ以上コラム内に埋め込まなくてはならないラインが書いてありますので、ラインぎりぎりのところでフレームに固定します
つまり、一番ハンドル位置が高い箇所ということです
これはブレーキワイヤーの長さを決める為に、そうしているだけなので、ステムが一番高い位置で乗るという訳ではありません


ハンドルバーの角度は、先ほどのブレーキレバー取付と同じで、前上げにし過ぎるとハンドルバー下が持ち難くなりますので、ハンドルバー底面が地面に対して平行~前上げ5°程度としています

次はブレーキのセッティングです
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.14

今回でギアシフト系のパーツアッセンブルは終了します

シマノやカンパニョーロ等のコンポーネントで制作する場合は、ギア比以外はさほど考えて制作する必要は無いのですが、サードパーティメーカーを採用すると、とたんに難しくなるのが自転車パーツ

ツーリング車用のコンポーネントはありませんから、基本的にメーカー推奨や縛りに頼らずに自らの経験と技術でアッセンブルしなければいけません
ビンテージパーツを採用する場合がその極め付けだと思いますが、現行品であっても多くのデータが必要です


シフトレバーはシマノのWレバーSL-7900を使用します
左・フリクションの右・インデックスの10段タイプとしてシマノ製唯一の製品です

その他代表的なWレバーにマイクロシフトとダイアコンペがありますが、マイクロシフトはバーコンをダウンチューブに取り付ける様な形状で好きになれませんし、ダイアコンペはラチェットタイプのフリクションですから、インデックス機構が無く、操作は指先の感覚に頼ることになります

5段や6段ギアでしたら、フリクションタイプでもテクニックで操作可能だと思いますが、10段ともなると、僅かなレバー操作でギア選択を行いますので、シフト操作を1発で決めることはほぼ不可能

ギア変速をする度に微調整が必要になりますので、ハンドルバーから手を放す時間が長くなり、安全で使いやすいとは言えないと思います

「フリクションなら調整が狂っても操作し続けられる」と言われることもありますが、調整が狂ったなら調整し直せば良いだけですし、調整が狂った時の為に平常時に操作感の悪さを我慢する必要はないと思います

どうしてもフリクション機能を残したいなら、9段仕様のSL-7700や旧モデルの10段仕様のSL-7800を使用する手はあります

勿論「操作感の悪さを楽しむ」という遊び心は、大槻として大いに賛成出来る考え方です
「シングルスピードの固定ギア」「前後のブレーキを外してトリックをするBMX(公道以外専用パークでの使用)」「FATバイクで舗装路」なんかと同じ考え方ですよね
最近のBMXですと、あえて「前輪をはずす」なんて人も出てきています(笑)


Wレバーは左は手で締め込むだけで、右はマイナスドライバーで固定するだけで簡単に取付け出来ます

Wレバー台座は塗装されていないことが殆どですから、薄くグリスを塗布しておきます


このフレームはBB裏にM5ネジを切っていますので、プラスティック製のワイヤーリードを取り付けておきます

この時に気を付けるのが取付ボルトの長さで、長すぎるとBBと干渉してしまいますので、適正な長さに合わせる必要があります

おおよそ10~12mmの長さで緩み止め用のスプリングワッシャーを取り付ける様にしています

BBを取り付ける前にワイヤーリードを付けてしまうと、BBを傷つける可能性があるので、通常はこの段階で作業していますし、BBを外す時は先にワイヤーリード固定ボルトを緩めてから作業しています


リアディレーラー部アウターワイヤーもWレバーに付属していますので、長さを合わせておきます
アウターキャップはフレーム側が黒いプラスティック製でディレーラー側はシルバーのアルミ製を使用します

ディレーラー側はアウターのカーブがキツくアウターキャップが変形しやすい為です
アウターワイヤーのロゴマークも出来るだけ合わせておきましょう


インナーワイヤーも通したら、シフト調整を行います

マイクロシフトのディレーラーには英語の説明書が付属していますので、トルクを含めてそれに合わせて調整すればOKですが、ほぼシマノ違いがありませんので、オンラインで公表されているシマノの説明書を参考にしても良いと思います


調整が終了したら、余分なインナーワイヤーをカットします
大槻は15~20mm位の長さにカットしています
上写真は15mm残してカットしたものですが、比較的短めだと思います
リアディレーラー側はあまり気にしなくて良いのですが、フロントは脚に近い場所なので、少しでも当たり難くする為で、当たりやすいとインナーキャップが取れて解れたワイヤーが脚に刺さることを少しでも減らすことが目的です


その為、インナーキャップは手で引っ張ったくらいでは取れない様にすこし大げさすぎる程度に固定しています

これで、シフト系はおしまい、次はハンドルからのブレーキ系です
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.13

次はペダルとチェーンを取付けますが、実際の取付けは一瞬で終わってしまいます

取付け方法と言うよりもvelocraftでのパーツの選択方法のご紹介がメインになります

ペダルは基本3種類から選択しています
1・両面踏みでトークリップ無 2・片面踏みでトークリップ有 3・ビンディングペダル
仮採用や最初の1台の方には1を、スニーカーや軽登山靴で乗られるツーリストには2を、その他全ての方に3をオススメする様にしています

オーダーメイド車を制作する場合には、ペダルとシューズが決まっていないとフレームの正確な設計が出来ませんので、ご注意ください
特にシューズが決まっていない場合、velocraftではフレーム寸法は大よその予測で設計しています
※イメージとして、5mm単位が10mm単位になる感じです


両面踏みペダルはMKS・ツーリングライトSとシルバンツーリングをご用意しています

シルバンツーリングが販売量は圧倒的に多いですが、より高品位をお求めの方にはツーリングライトSをオススメしています

両面踏みタイプですが、トークリップの装着も勿論可能ですので、自転車に慣れてきたらトークリップという方にも良いと思います


片面踏みタイプはカンパニョーロに近い形状のシルバンロードとリオタープラットフォームに近い形状のアーバンプラットフォーム
どちらも、必ずトークリップやハーフクリップを取り付けて使用してください

近年はスニーカーで自転車に乗る方が多いので、踏み面の広いアーバンプラットフォームが特に人気があります

シルバンツーリングはツーリングロードやサイドプルブレーキを採用したスポーティなスポルティフに似合うと思います
昔ならカンパ・レコードを採用していたであろう車種というイメージでしょうか


ビンディングシューズはシマノ・PD-M324とPD-M520をご用意
ビンディングシューズでしか乗らない方には両面ビンディングのPD-M520をお勧めし、ビンディングとスニーカーを併用する方や初めてビンディングという方には片面ビンディング・片面フラットのPD-M324をお勧めしています

最近はトラディショナルなツーリング車でもビンディングペダルの使用率が上がってきています
ロードバイクからツーリング車に乗り換える方も多いので、ビンディングペダルへの恐怖感も薄らいできているのでしょう
乗り味の追求や正確なポジショニングや歩行のしやすさでビンディングペダルは、有用だと思います

以上の6種がvelocraftでオススメしているのですが、実際には一部のペダルにはカラーバリエーションや仕様の違いがあります



シルバンツーリング&ロードにはプライムシリーズという高品位タイプがあります
主にシャフトの仕上げの差なのですが、上写真の左側がノーマルタイプで右側の少し輝きが有る方がプライムになります
表面の仕上げの違いから、よりスムースな回転をしてくれますので、プライムシリーズの方が人気が高いと思います


アーバンプラットフォームとツーリングライトSにはEZYスーペリアという着脱式タイプもラインナップされています

チョットの操作で簡単に左右ペダルが着脱出来ますので、輪行時に大変便利ですし盗難防止に自転車から離れる際にペダルを外しておくことも出来ます

また、着脱可能なEZYというタイプのペダルもあるのですが、着脱の際にプラスティック製のリング状パーツも着脱しなければならず、冬場には良くそのパーツが割れてしまうので、あまり使いやすいとは言えず、基本店頭に在庫はしていません
有名なところではアラヤ・スワローランドナーに採用されているタイプです


今回は基本編ということで、シルバンツーリングのプライムシリーズ(プライムシルバンツーリング)をトークリップ無しで取付けます

シルバンシリーズは座面(クランクと接触する箇所)が15mmレンチで固定する様になっており、フランジの無い切りっぱなしの形状ですので、そのまま締め付けるとクランクに傷が付いてしまいますので、ペダルワッシャーを使用して固定をします
ネジ部には固着を防ぐ為にグリスも塗布しています

後は締めつけるだけですが、締付けトルクの指定が特に説明書に記載されていません
MKSの他種には35~40Nmとありますし、MKSホームページには30Nm程度とあります
どちらなのでしょう??
ちなみにシマノの説明書には35~55Nmとなっています
そこで、通常velocraftでは40Nm「程度」で締めつけています

ペダルの場合に悩むのが、メーカー指定トルクで締めつけても、ペダルから異音がすることがあるということ
「メーカー指定組み付け方法で異音が発生=不良品」と言えなくはないかもしれませんが、少しオーバートルクで締めつけると異音が消える場合が殆ど
常識の範囲内ですが、そんな時はオーバートルクで締めつけてしまいます

この辺の塩梅はショップによって異なるところでしょうか?

ペダルの締め付けトルクを計測するには15mm薄口スパナ形状の専用工具が必要な場合が多いですが、上記の殆どのペダルは取付けネジの裏に6mmアーレンで締め付ける為の穴が開いていますので、アーレンキタイプの工具でトルク管理出来るのが魅力です
但し、EZYスーペリアは構造上アーレン用穴は無いですし、15mmスパナも超薄口でないと取付けが出来ないので、専用工具もアクセス出来ませんからトルク管理は行っていません


チェーンはシマノ製を使用しますが、10S用チェーンは3種類あります

左からCN-6701(HGフロントダブル用)CN-6600(HGフロントトリプル用)CN-HG54(HG-X用)

今回のパーツ構成では正直どれを使用しても問題ありません
シマノの純正パーツはスプロケットだけですが、スプロケットにHGとHG-Xの違いが無いこと、フロントダブルですが、フロントトリプル用のCN-6600はダブルでも使用可能です

その為、どれでもそれなりに変速してくれます
勿論、シマノ推奨の組み合わせではありませんから(クランクもディレーラも他社を使用している)基本的には自身での判断となります

今回は単純に軽量なCN-6701で組み付けることにします



チェーンをインナーxトップに通していきます
気を付けるのがチェーンの向きですので、上写真をご確認ください

チェーンは左右板と中央部ブロックをピンで繋ぎ合わせていますが、クランク側に左右板・リアディレーラ―革に中央部ブロックにします
そうすることで、チェーン切れが少なくなります
シマノの説明書でも、この仕様を「強く勧めます」と記載されていますので、ソレに合わせるのが普通でしょう

その後チェーンの長さを決めるのですが、velocraftでは「ディレーラーのキャパシティ以内なら」インナーxトップでリアディレーラーのバネが効くギリギリ緩い位置に合わせて、「ディレーラーのキャパシティを超えているなら」アウターxローでチェーンの長さがギリギリ足りる長さにしています

シマノの説明書と違う設定方法なのですが、この方法が一番簡単に長さ設定が出来て、トラブルも少ないと思います(シマノをフルセットで使用する場合には説明書に合わせていますし、キャパシティを超えるセッティングもしません)


後は専用工具とアンプルピンでつなげばOK

さて、ペダルとチェーンが付きましたので、次回はWレバーからのシフトワイヤーですね
続きます・・・