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日本縦断後のメンテナンス vol.4

田村編集長が日本縦断したキャノンデールCAAD12Discのメンテナンスのその4

今回はブレーキのオイル交換です


CAAD12Discはシマノ製ブレーキですので、使用するオイルは純正品

1本50ml入で、通常のホース長なら大体前後入れ替えて丁度良い位
オイル自体は¥1,301-(税抜)ですから、ワイヤー式のインナーワイヤー2本分とさほど価格は変わりませんので、オイルディスクだから特にメンテナンス費用が掛かる訳ではありません
オイルのパッケージには排出するオイルの受け皿としてのビニール袋と誘導する為のチューブが付属しています


ディスクブレーキのメンテナンスには色々と専用工具が発売されていますが、必ずしもそれらを使用しなくてはならない訳ではありません
専用工具で必須なのは上写真のじょうご(オイルファンネル)のみで、価格は¥363-(税抜)ですから、高価なものではありません
その他はカッター・7mmレンチ・プライヤー・プラスティックハンマービニールテープがあればOKです(店では色々と専用工具を使用していますが、その方が作業スピードが早いという程度です)

ちなみに業務用に大容量の1ℓサイズオイルも発売されており価格は¥1,879-(税抜)とアンバランスな値段設定
オイルの価格というよりも、手間や付属品の価格差なのでしょう

勿論沢山使用するなら1ℓの方がお得ではありますが、オイル自身は空気や湿気に触れると劣化していきますので、早く使い切らなくてはなりません

一般的には、使い切りサイズの50ml入りをお勧めします

後は作業に掛かるのですが、まずは古いオイルを除去していきます


ピンク色だったオイルの色が黒っぽく濁った色に変化しています

シマノのミネラルオイルは最初がピンクで劣化していくと色がドンドン変わっていくのが特徴でピンク→透明→黄色がかった透明→黒ずみ、といった感じ

目に見える部分ではありませんので、開けてみないと解らないのが最大のネックですが、透明になった時点で取り換え時期を迎えているとお考えください
シマノの説明書でも「変色が著しい時は交換」と記載されています

今回の場合には交換時期から随分過ぎてしまっている状態です
1年でこの状態ですから、良く乗る方は半年を目安にすると良さそうです

最もオイルの劣化を早めるのが「熱」
ブレーキを掛けるとどうしても熱が発生し、その熱でオイルを痛めてしまいます
昔のオイルディスクブレーキはパッキンの不具合やネジの固定力の問題でブレーキ内に空気が浸入してしまうトラブルが多かったですが、最近はオイル漏れや空気や湿気の浸入は殆ど見られなくなりました

どれだけブレーキに熱が加わったかがポイントなので、放熱の為にディスクローターやパッドに空冷用のフィンを付けたり、ローターの内側に熱伝導性の高い素材を使用したりしている訳です

勿論空冷装置はオイルの劣化だけでなく、オイルを沸騰をさせない為のものでもあります
ディスクブレーキではペーパーロック現象という、オイルが沸騰したことによる気泡の発生が大きな問題となります
この気泡でブレーキが全く効かなくなってしまいます
シマノ製のオイルの沸点は不明ですが、通常のミネラルオイル(鉱物油)の沸点は335℃ですから、ブレーキの熱がそのままオイル自体に伝われば、結構簡単に達してしまう温度です
それを防ぐ効果もあります

その後新しいオイルを充填していく訳ですが、大槻の場合は前後合わせて30分位の作業時間となります
ワイヤー式の交換とさほど時間も変わりません

オイルディスクはメンテナンスが大変と言われることが多いですが、工具の費用も作業時間もワイヤー式より特に掛かる訳ではありません

但し、ワイヤー式と違い目で見て判断が出来ませんので、作業完了かどうかは音と指先の感覚に頼るしかないのが、最大の難点だと思います

オイルディスクのオイル交換にチャレンジする場合には、まずは正常にブレーキが作動している状態を手や耳で感じ取り、異常な状態との差異を的確に判断する必要がありますので、その辺が敬遠される理由だと思います

今回のCAAD12Discも問題無く、オイル交換は終了

これで殆どのメンテナンス作業は終了したので、次回はバーテープを巻いたりタイヤを交換したりしてから、全体チェックで全て終了となる予定です

日本縦断後のメンテナンス vol.3

田村編集長が日本縦断したキャノンデールCAAD12Diskのメンテナンスのその3

リアディレーラーは今回走行5000km程度ということもあり、オーバーホールはせずにプーリーに付いたヘドロ状のゴミを取り除くだけに留めています

ディレーラーのトラブルはディレーラー自身の故障というよりも、リプレイサブルのディレーラーハンガーの方が多いですから、ハンガーもチェックしておきます

案の定固定ボルト2本が緩んで微妙にガタツキが出ていました
一旦外して、汚れをふき取りボルトを脱脂してからネジ緩め剤を塗布して元に戻しておきます

これでまたひとつトラブルの可能性を減らすことが出来ました


上写真は、キャノンデールのクランクを外す為の専用工具です
近年のパーツ類の進化は目を見張るものがありますが、それに合わせて今までの常識や工具が通用しない場合も増えてきました

この自転車も専用工具が無ければクランクを外すことは出来ません

それぞれのパーツに専用工具が必要だったりしますから、ショップやユーザーの工具への設備投資は結構負担になってきていると思いますし、全てのメンテナンスを作業するだけの工具を用意するのは不可能になってきました

その為、取扱いメーカーを少なくするしか無かったり、修理の度にメーカー依頼で日数も時間も掛かる様になったりと性能向上のメリット以外のデメリットも目立ちます
デイリーユースで使用するクロスバイクや長距離を走るツーリングバイクでは、走行性能よりも対メンテナンス性で自転車を選んだ方が良いことも多いと思います

この辺もショップの考え方が色濃く出る場所ですね
ツーリングバイクを主とするvelocraftでは修理のしやすさ優先になりますし、レースや機能優先のショップでは、走行性能優先になると思います
どちらが正解という訳では無いと思います


クランクを外したら、BBのベアリングをチェックします
ヘッドパーツ同様に異常は感じられませんでしたので、掃除と防錆剤塗布だけで、そのまま元に戻します

但し、戻すのはシフトワイヤーを張った後に行います
CAAD12Diskは、シフトワイヤーの交換時は内蔵式の為、クランクを取り付けていない状態で行うのが普通
田村編集長は、旅中にシフトインナーを交換していますのでクランクを外さなくても交換は可能なのですが、その労力は相当だったと思います


ということで、シフトワイヤーを取付けます
インナーとハンドルバー側のアウターはシマノ純正に交換していますが、ディレーラー側は、特別なアルミ製アウターなので、内側のライナー部だけ交換して外側はそのまま使用しています


チェーンは走行距離5000kmですから、丁度交換時期と言って良いでしょう
念の為、パークツールのチェーンチェッカーで測ると0.75%の伸びでした
正確に0.75%なのかどうかは疑問が残りますが、サビも出ていますし問答無用で交換してしまいます


シフトワイヤーを取り付けてクランクも分解はせずにザッと掃除をしたら、元に戻します

次は、ブレーキ周辺のメンテナンスに掛かります

日本縦断後のメンテナンス vol.2

田村編集長が日本縦断したキャノンデールCAAD12Diskのメンテナンスのその2

まずは、自転車をバラバラにしていきますが、自転車修理の時に最も重要なのは「バラシながらの製品チェック」だと思っています

修理や調整が必要な箇所が解っていればどんな作業も基本簡単なのですが、修理箇所を探し出すのが最も難しい作業なんです

注意深く、悪い箇所が無いかをチェックしながら1か所1か所バラバラにしていきます


まずはホイールをフレームから外します 当たり前の作業ですね

そこで、早速トラブル発生
ローダーもホイールも振れや異常は見受けられませんでしたがリアハブにガタツキを発見
ホイールはまだ、数か月で5000km程しか使用していないので、何もする予定は無かったのですが、急遽ハブをバラシてグリスUP
リアハブのみの異常でしたが、念の為フロントも作業しました

フロント側のグリスはキレイでしたが、リアは結構ゴミが溜まり元々白いグリスも真っ黒状態でしたので、今のうちに作業が出来て良かったです


次にブレーキパッドを外します
シマノ製のブレーキパッドは厚みが0.5mmになったら交換が基本ですが、一部は0.0mmになって、パッド部が無くなり台の部分にまで微妙なローターの跡があります

走行距離は10000km程度ですから、ブレーキパッドは10000kmは絶対に持たないことが証明されました
リムブレーキのブレーキシューよりも断然長持ちするディスクブレーキパッドですが、7~8000kmが限界値でしょうね

ちなみにフロント側は0.5mm程残っていたので、田村編集長はフロントよりもリアブレーキ重視の乗り方なのが解りました

通常のロードの場合はフロントブレーキ重視が普通ですが、制動力の高いディスクの場合にはリア偏重のブレーキの方がタイヤロックの転倒リスクを考慮してリア重視でも良いのかもしれません

この様なデータが自転車屋としてとってもありがたい事だと思っています
通常ここまで短期間で10000kmを走行する方はあまりいませんし、走行ログがあやふやで実際に何km走行しているのかはっきりしない方が多いですから
自転車を修理・メンテナンスをしていて最もテンションが上がって楽しい一瞬です
これで、ディスクブレーキに関する自身の経験が増えて一段階レベルUPしましたからね!
この様なデータをドンドン蓄積出来れば、次のお客様により良いアドバイスが出来ますし、次の製品開発や商品の展示ラインナップにも繋がっていきます


ヘッドパーツのベアリングはサビも無く、キレイな状態でした
オーバーホールなら問答無用で交換になることが多いですが、今回は異常を感じない箇所はそのままにしておきます
掃除をして、防錆剤を塗布してそのまま元に戻すことにします



例の5円玉事件の為、フレームのディレーラーアウター受けを新しくご用意して、はめ込もうとしましたが、フレームの一部が変形してしまい、そのままではうまく入らなくなってしまっていました

その為、内側をヤスリ掛けしフリーハンドですが、なるべく真円になる様にしてアウター受けを綺麗に取り付けることが出来ました


ディレーラーも勿論外してチェックします
走行距離5000kmで、この汚れ方・・・
如何にプーリーが早く回転して、汚れが溜まりやすいかが良く解る写真ですね・・・

今日はココで時間切れ、次はディレーラーの掃除から始めて行きます

続きます・・・