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velocraft流 ケルビム・スポルティフ作り(中編)

前回に引き続き、ケルビム製スポルティフフレームの制作過程をご紹介します


前回で、ホイール・ブレーキ・キャリアの装着が終わりましたので、次は泥除けを取付けます

いつもの様に前泥除けの前端部&後端部、後泥除けの後端部を写真の様にヤスリがけをして、見た目を整えます

この作業を行うことで、見た目はスッキリして恰好良いと思うのですが、折り返しが無くなる為先端が多少鋭利になりますし、強度も落ちますので必ずしもメリットばかりではありませんので、オーナー様の指示や自転車の使用方法などで、処理したりしなかったりマチマチです


泥除けには取り付け用の穴は開いていませんから、必要な箇所に印を付けておきます

泥除け取付け作業で最も注意すべき作業で、泥除けの取付け方にもよりますが、1台に付き8~20か所位の数を開けます
1か所でも位置がズレてしまうと、泥除けがパーですから慎重に作業していきます


velocraftでは穴あけにはボール盤を使用しています

本来は泥除け専用穴あけ工具が存在していたのですが、現在は生産もされておらず大変貴重な存在になってしまいました
velocraftでも工具自体はあるのですが、程度の良い「歯」が無い為使用出来ません

勿論ボール盤等の電動工具が無くても、本所工研の泥除けは0.6mm厚アルミ製ですから、キリの様な物とリーマーがあれば作業出来ます


穴を適正な位置に開けてフレームに取り付けたら、泥除けステーを固定します
H35-700Nというスポルティフ系に似合う細身泥除けを装着するので、基本Φ4mmのステーを使用します

今回は、オーナー様が輪行を多用する可能性が高いのでΦ5mmのステーを使用していきます

ステーは本所工研製でグランボアオリジナル商品のポリッシュタイプを使い、泥除けとステーを取り付けるボルトは東叡社のステンレスダルマを使用します

1台の自転車に3社のフレームビルダーを使用するという贅沢が味わえますね


フレームとステーを取り付けるのは本所工研のステンレス環付きダルマを使用しています

但し写真の様に、環付きダルマのネジは使用せずにステンレス製のイモネジに交換しています

輪行の際に後泥除けを外す輪行方法を想定しているので、前泥除けはそのままになります
その為、環付きである必要がありませんので、見た目がスッキリするイモネジを採用しました


後泥除けは分割式に加工します

本所工研から販売されている分割金具を使用するので、適正な位置で泥除けを半分にカットします

基本フリーハンドで切っていますが、カナノコの歯が当たって泥除けを傷つけてしまわない様に、バーテープの切れ端を取って置き補助テープとして活用しています


後泥除けの前方部をフレームに装着します
勿論、分割金具も一緒に取り付けておきます

後方部を分割金具に当てて、固定ボルトを位置を確認しておきます

位置が完璧に揃ったら、ボール盤で穴を開けていきます


取付けは先程前泥除けで使用しなかった環付きネジにしておきます

これで、ステー部分2か所と分割部が全て同じ環付きネジになりますので、見た目も良いですし、手で付け外し出来ますし、しっかりと固定したい場合にはコイン等を使用して増し締めすることも出来ます

泥除けの装着が終わったら、一旦フレームから泥除けを外して磨き上げます

再度装着したら、全体のバランスやタイヤとのクリアランス等をチェックします

OKならその他のパーツの取付けに入りますが、ココまでで組立全体の7割以上が終了ですので、ホッとする瞬間でもあります


パーツ類は基本オーナー様がお持込になっています
コンポーネントは1世代前のコーラスをベースにしていますが、上写真の様にコーラスのカーボンクランクにアテナのインナーリング、CT'Sさんのオーダーメイドアウターリングを使用しているなど、コダワリを強く感じます
velocraftではCT'Sさんのお取扱いはございません

クランクのほか、ディレーラーやハンドルバー等を準備・組み付けしていきます

エルゴパワーもお持ち込みですが、ブラケットカバーがヘタっているので、カバーのみ新品に交換しますが・・・
 

ココで痛恨のミス!!!
 
 


ブラケットカバー装着時に、無理に引っ張り過ぎた為か、ブチっと切れてしまいました(大汗)

どうしよう???っと考えましたが、どうしようもありません!!

大至急カンパニョーロから部品を取り寄せて、交換しなくてはなりません!!!

「今日中に組立て終わるかな?」「泥除けが終われば、終わったも同然!」と気の緩みがあったのでしょう
今後気を付けます

っということで、本日の作業はこれ以上出来なくなってしまいました・・・続きます・・・

velocraft流 ケルビム・スポルティフ作り(前編)

お客様からご依頼頂いておりましたケルビム製スポルティフフレームが本日入荷しましたので、本ブログで組み立て過程をご紹介したいと思います

今まで、TOEIを始め数々のツーリングバイクやロードバイクを所有してきたベテランのオーナー様ですので、コンセプトがハッキリしています

ケルビムらしい現代的な機能とフランスツーリングバイクの伝統を融合させたスポルティフ

今までvelocraftでは現代の機能を持ったうえで、どこまで伝統の様式美に迫れるか?という制作ばかりしてきたので、かなり難易度高めです

すでに、2年前にフレームの設計や取り付けパーツは決まっていますので、後は組み立てるだけなのですが、どんなシルエットのスポルティフになるのか、チョッピリ心配です(汗)


ホイールは既に仕上がっています
カンパのレコードハブのブラックカラーにアンブロッシオ時代のハードアルマイトリムを組み合わせて、タイヤはコンチネンタルのオールブラックカラーを採用しています

銀輪ばかりを見慣れているので精悍な印象を強く受けますね


まずはお約束のフレーム下処理からスタート

ヘッドは内側を見ると、塗装後のリーミングをした形跡があるので、殆ど制度は出ていましたが、フェイシングがなされていなかったので、念の為削っておきました
写真はありませんが下玉押しのクラウンも同様で塗装を剥ぐ程度ではありましたが、処理をしてあります


BBもタッピングはされていましたので、フェイシングのみ作業をしています

フレーム制作時にはどんなBBを使用するのか解りませんので、フェイシングをしてからフレームが納品されることはありません

BBに合わせてアッセンブル時に作業するのが一般的です
ユーザーがフレームから組み立てる際に、この辺が敷居が高い部分ですね
工具だけでも数十万円の費用が掛かりますし、作業をするしないで仕上がりに大きな差が出るポイントだと思います


フェイシングが終了した後の写真ですが、大槻は1周全てを完璧に削るのでは無く、若干塗装が残っている状態で終える様にしています

僅かな塗装残りでしたら、BB装着時のワン変形はほぼありませんし、なるべくBBシェルを削り取りたく無い為です

ココも作業者の考え方が大きく出てくるところですね
「ちゃんと削ってないじゃん」と言われそうですが、ワザとなんです・・・


もっと後からの作業でも良いのですが、今回はBBを先に取り付けました(特に理由はありません)
BB周辺はカンパを取り付けるので、作業自体は説明書通りに行えばOK

特別なテクニックもコツもありません
説明書の指示に従うのが最も部品の性能が発揮されると信じています
勿論指定トルクも重要ですから、トルクレンチは必須アイテムです


フレームの下処理が終わったら次はブレーキアーチの取付けです
写真の様にアーチはGC450の新型を直付けで装着します

リアブレーキは単純に取付けをするだけですが、リターンスプリングは左右均等になり、ブレーキの引きが軽くなる様に調整しています

長年センタープルブレーキの作業をしているおかげで、最近はバネの調整は手の感覚でほぼ解る様になってきました

「このブレーキアーチにこのブレーキレバーでこのワイヤーだと、バネのテンションはコンナ感じ」
っというイメージです

文章に出来ない感覚ですので伝えられないのですが、100台位センタープルブレーキの自転車を組み立てれば、誰でも解るレベルだと思います(笑)


次はフロントブレーキです
写真はブレーキ台座のアップですが、GC450用の短いタイプでは無く、GC610用の長いタイプを使用しています
理由は勿論フロントキャリアを取り付ける為ですので、もしキャリアを取付けないなら短い台座にします

台座自体はダイアコンペから販売されている物を使用していますが、何故か左右逆に付いています
リターンスプリングを取り付ければ、全く見えないですし、機能上の問題もありませんので、このまま進めます

スプリングの受けの為の穴は元々ははめ込み式にする様になっていますが、高額なケルビムですから、そんな雑な仕上げではオーナー様に申し訳ないですし似合わないので、スプリングを直付けする様に指示していました


ブレーキを取付けるとブレーキ台座が飛び出ています
勿論、そのままではいけませんので、予め制作しておいたスペーサーを装着します


予定通り、ピッタリとブレーキ本体と台座の面位置が揃いました
これで、キャリアを装着することが出来そうです・・・が!!!!

ちょっとしたトラブルが発覚しました

左側の台座が適正と比べて僅かに短く、左ブレーキが動きません

「え~!!」と思われるかもしれませんが、ハンドメイドフレームでは良くあることなので、慌てずに修正していきます


ココで万能工具(笑)ヤスリの登場です
台座の根本を削って、ブレーキの入る部分を長く調整します

ほんの僅かな調整なので、塗装を落とす程度で充分でした


見事にピッタリとブレーキが装着出来ました

リアと同様にリターンスプリングを調整して、適度なブレーキタッチになる様にバネの反発力を弱めます

リアに比べて、ワイヤーの短いフロントはバネの強さをリアと同じにしてしまうと、前後のバランスが崩れますので、若干リアに比べてバネを強く設定するのが、コツですネ


後は、キャリアを取付ければOKです

ケルビムはキャリアを制作することが出来ませんので、ケルビムだけでは恰好良いツーリングバイクを作ることは出来ません

今回のキャリアはvelocraftの協力工房で別途制作してもらいました
(工房名は伏せさせてください)

ライト用のダボも無く、天板は枠のみで、真ん中のステーも無い非常にシンプルな形状にしています
これはオーナー様の意向で、指示をしていますので、付け忘れた訳ではありません

取付けボルトはアーレンキ―止めでは恰好悪いので、東叡社の天丸ボルトを使用しています

しかも今回のキャリアは、オーナー様が工房制作時の仕上げが気に入らずに、ご自身で更に磨き上げた特別仕様となっています

フレーム制作にオーナー自らが参加することで、より愛着を持てる1台になるのではないでしょうか?

とりあえず、本日の作業は終了 作業自体は2日間あれば仕上がると思いますが、他の作業もあるので、組立時間は1週間程度になると思います

続きます・・・

アラヤ ツーリスト vol.3

引き続きアラヤ ツーリストをご紹介していきます
最終回は自転車のスペックを少々・・・


ハンドルバーはランドナーバーでは無く、マースバータイプが装備されています
最近は「ランドナー=ランドナーバー」とお考えの方が多いですが、昔は快走系ランドナーはマーズバーで、重装備系ランドナーはランドナーバーでしたよね

アラヤ・ツーリストはタイヤサイズ650x35Aで実寸33mm程度で快走系ですから、マースバーという選択は良いと思いますし、変にランドナーバーを使用してしまうと、ブラケット部が狭すぎて大き目フロントバッグとの相性が悪いことがありますので、ブラケット位置が広いマースバーの方が気にせず、バッグを選ぶことが出来ます


アラヤはサイドクランプ式のフロントアウター受けを採用しています
ヘッドパーツと干渉しない様に、10mmスペーサーを入れてある為、通常よりも約17mmのハイコラム仕様となっています

ハンドルを高くしたい方には良いですが、チョット恰好は良くありませんし、ヘッド抜き輪行の際には手間がひとつ増えますので、ダイアコンペの1255等はめ込み式の薄いアウター受けに交換した方が良いと思います



ギア周辺はフロントが48-38-28Tのトリプル仕様
スギノ製のXD型ですが、王冠マークにするあたりが、昔の製品を思い起こさせますね
リアはローギアが32Tありますので、ギア比も1:1以下となり、どんな坂道でも登れそうですが、さすがに黒いスプロケットはいただけません
コストの問題だと思いますが、ココはシルバーのスプロケットへの交換がオススメ
それだけで、グッと恰好良さが増すと思いますし、32Tは大き過ぎてっと言う方は28Tでも良いと思います


全景です
現在(H28年4月2日)の在庫はグリーン490mmとネイビー570mmが御座いますので、是非店頭でご確認くださいませ

現行マスプロランドナーで最もオススメしやすい1台に仕上がっています
大槻も、かなり気に入っています!

なにせ・・・自分用に購入しちゃいましたから(笑)

ストックのままで乗ることはありませんから、これから色々カスタムしていきますので、実走はもう少し先ですが、約30年ぶりにマスプロランドナーを買っちゃいました!