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velocraft流組立て基本編 vol.20

組立て作業は全て完了していますので、最後に自転車以外のアクセサリーについてご紹介します

トラディショナルなランドナーの使用目的と言えば、輪行を伴った日帰りツーリング~数日間の宿泊まりツーリングですから、積極的なナイトラン・担ぎを中心とした山サイ・長大な荷物を運ぶキャンピング・高速域での巡航では無いと思います

勿論懐の広い車種ですから、あらゆる使用にも自転車は優しく応えてくれるとは思いますが、本来の目的からは外れてしまいます

日帰り~数日間のツーリングならば、荷物は多くならないでしょうから、リアキャリアを取り付けることも無いと思います(取り付けることは可能な自転車です)

フロントバッグ1つをメインに据えて、場合に寄ってはサドルバッグを追加
ツーリング中に行程が遅れて、仕方が無く夜走ることもあるでしょう
輪行は世界を広げる為にも必須装備
その他水筒やスピードメーターもあった方が良いでしょう

それらを全て整合性を持って取り付けてから、いよいよ完成!となる訳です
自転車のみでは走ることは出来てもツーリングは出来ませんからね


フロントバッグで最もい相性が良いのは、オーストリッチF-104でしょう

昔から定番で変わらずに販売され続けている逸品です
veloorangeのFバッグサポーター付のFキャリアとも相性良く取り付けることが出来ます


velorangeのFキャリアは、天板部分の長さが約20cmあり比較的大型のキャリアです

上写真の様に奥行が深いF-104と組み合わせると丁度バッグの底面先端とキャリアの先端の位置が一致してキレイに装着出来ます


同じオーストリッチ製の奥行が狭いF-104Nを取り付けるとキャリアの先端部分が飛び出してしまい、使用上の問題は一切ないのですが、恰好良いかの判断は人によると思います

この様なバッグを装着するなら、ニットウのNF-21等の長さが短いタイプのFキャリアにした方がキレイに積めます

荷物が少ないからFバッグは小さくしたいという方は、バッグの形状に合わせてFキャリアを選びましょう


逆に大きなフロントバッグを装着したいからと、オーストリッチ帆布製最大のF-106を選んでしまうと、上写真の様にブレーキブラケットとバッグの間に隙間が無くなり、手が入りにくく乗りにくくなってしまいます

F-106を使用したいなら、ハンドルバーを同じB135の450mmにするか、B105の420mmにすることをお勧めしますが、どちらも自転車の大きさと比べてハンドルバーが大き過ぎてバランスは崩れてしまうと思います


荷物を増やすならFバッグを大型化するのでは無く、サドルバッグを追加します
オーストリッチのF-104なら、同素材同色のサドルバッグS-2が販売されています

このサドルバッグを取り付けるのには、サドルにバッグループと呼ばれる台座が必要ですから、今回のブルックスB17の様にバッグループ付きのサドルか後付けのバッグループが付けやすいサドルを選ぶ必要があります

つまりサドルバッグを付けるのか付けないのか、付けるなら何を付けるのかで選ぶサドルが変化する訳です


S-2サドルバッグはぶら下げるだけですと安定しませんから、VIVAのサドルバッグサポーターを併用します

この二つは専用品かと思わせるほど相性が良いので、必ず使用してください

但し、サドルバッグサポーターの耐荷重は3kgですので、そんなに重たい荷物を運べるわけではありません

サドルバッグを併用する時は宿泊を伴うツーリングであることが多いでしょうから、着替え等の嵩張るけど軽い物にした方が良いでしょうし、荷物は後輪側よりも前輪側に荷重を掛けた方が自転車は乗りやすくなります

特に剛性感の低いノーマルサイズスチールフレームの場合、その影響は顕著に表れます

今回の自転車とは関係ありませんが、近年流行のバイクパッキングでは、キャリアと取り付けずにフロントバッグ・フレームバッグ・サドルバッグを取り付けて、かなりの荷物を運ぶことが出来ます
雑誌等で「バイクパッキングをするなら、最初に大型サドルバッグを付けよう」みたいな記事を見かけますが、スチールフレームに乗っているなら完全に間違いです
フレームのタワミが大きくなり過ぎて、自転車全体が左右に振られてしまい、乗り味は最悪です
フロントバッグとフレームバッグを取り付けて、荷物が入りきらなければサドルバッグを併用するが、自転車の運動性能を下げにくく良いと思います


ライトは今回ダイナモも付けていない様に、積極的なナイトランは想定していません
バッテリータイプのライトを付けておき、もしもの時の為の保険としてのライト装備とします

velocraftでは、ナイトランを楽しむ方(ブルベ含む)や通勤等にも自転車を使用する方には、ハブダイナモを装備してもらうことが非常に多く、バッテリーライトだけは電池のランニングコストや明るさの面から少数となっています

フロントバッグを装備するツーリング車ではハンドルバーにライトを取付けることは出来ませんから、Fキャリアに取り付けることが殆ど
veloorangeのキャリアは左右にM5ナットが2か所づつ装備されていますので、キムラ製作所のライトが取付け可能です


キムラ製作所のライトは見ための格好良さからも人気ですが、入手性の悪さから気軽に購入できる物ではありませんし、価格も1万円以上してします

取扱いもデリケートで、説明書通りの取付けや使用をしないと結構簡単に故障してしまいます
お客様にもキムラ製作所のライトは普段から取り付けているけど、故障が怖いからフロントバッグにキャットアイのライトを忍ばせているという方は意外と多くいらっしゃいます

テールライトは必須ではありませんが、リアエンドのキャリアダボに取付けが出来ますので、ご要望次第でどちらでも良いと思います(付けた方が安全ですが)


コストを下げて、ライトを取付けるならハブ軸にハンドルバー用のライトを取付ける為のアタッチメントを付けて使用します

トモダさんのヤジロベーの現代版と言う感じでしょうか
但し、ライト位置が低いと光が縦長になってしまい暗く感じますし、地面に近いことから故障も増えますので、ご理解の上ご使用ください

上写真をご覧頂けるとお解り頂けますが、見ためは非常に恰好悪くなりますので、オススメはしていません


輪行袋はマルトのRK-02がオススメ
最近はこの輪行袋ばっかり販売しています

横長でツーリング車でも余裕を持って入りますし、チャックでしっかりと袋を閉じますので輪行中に自転車が飛び出てしまう様なことも殆どありません

今回の自転車なら、ブレーキワイヤーをレバー側で外し、前後輪を取り、後ろ泥除けを分割させるだけで収納が可能ですし、横型はリアエンドが上に来ますから、リアディレーラー周辺の故障も減り、エンド金具も必須という訳ではありません

横型輪行袋は床面積が増えてヤダという方もいらっしゃいますが、リアにエンド金具を取り付けてしまえば、立てて置くことも可能です

また、収納袋が四角いのでフロントバッグへの収まりが良いのもオススメポイントのひとつです


その他アクセサリーですが、ボトルケージは他のパーツとの見ための相性からメッキやステンレス系の見ためがオススメです
上写真はゼファール・veloorange・ニットウの3種類
チープさを出したいなら、TAのアルミ製シルバーも面白いかもしれません

スピードメーターは、現行品で恰好良いと思える物は皆無ですので、目立ち難いキャットアイの小型メーターか実用重視でガーミンのGPSが良いと思います

携帯ポンプも恰好良い商品が有りませんので、昔ながらの長めのフレームポンプの様にフレームに固定するのでは無く、小型のポンプをFバッグに収納するのが良いと思います

携帯ツールも必要でしょうから、ポンプ・ツール合わせて収納方法を工夫していきましょう

アクセサリー類は、自転車のシルエットを崩さない様にオトナシク・目立ち難くが最近の妥協線でしょう


さてさて、以上でロイヤルノートンの組立て作業のご紹介は終了です!!

velocraftでは日々こんな感じで、自転車を組立てたり、オーダーのご注文を承っています

少しでもご覧の方の参考になれば良かったのですが、如何でしたか??
なんとなく、大槻の脳内をお解り頂けたでしょうか??

【価格】¥310,000-(税抜・完成車・アクセサリー除く)

velocraft流組立て基本編 vol.19

殆どのパーツ装着と調整が終了し、いよいよ今回で自転車の形が出来上がります


velocraftではダミーのシートピラーを入れて、それをクランプして作業台に固定しています

つまり、使用するシートピラーを入れると、作業台に固定することが出来なくなるので、最終の作業がシートピラーとサドルの取付けとなります

まずは、その前に今までの作業で汚れた自転車を綺麗に掃除しておきます
既に泥除けは磨いてありますので、作業中に付いた汚れや指紋をふき取る程度ですし、フレームやパーツ類もメッキやアルミ部が磨きになっている物は使用していないので、ウエスでの乾拭き+α程度の作業となります


シートピラーはハンドル・ステムと同メーカーのニットウS65を使用します
同メーカーに合わせることで、磨き具合やアルマイト具合が一致するので、見ためのバランスが取れると思っています

ハンドルバーがveloorangeならシートピラーもveloorangeやハンドルバーがダイアコンペならシートピラーもダイアコンペという具合です

勿論、寸法さえ間違えなければ他社製品を組み合わせても一切問題はありません

サドルはブルックスのB17スタンダードのハニーカラー
大槻がパーツをチョイスする場合、サドル・ブレーキブラケット・バーテープの3か所を2色使いで選ぶ様にしています

今回なら、ブレーキブラケットとサドルが茶色系でバーテープをホワイトにしています
3か所全てをブラウン系やブラック系で統一してしまうと、ちょっとうるさいかな?と思っています
但し、ブレーキブラケットとサドルをブラウンにして、バーテープのシェラックニス塗りは比較的良くやる組み合わせですので、これだけは例外かな?



革サドルは、他素材のサドルと比べて表面がツルッとしていますので、一般的な上辺を水平にしてしまうと、お尻が前にズレテくる感覚になってしまいますので、若干前上げのセッティングにしています

ココは基本重視の部分では無く、フィーリング重視ですから、基準はあると思いますが、お好みで合わせて良いと思います


シートピラーの出しろは約8cmに合わせます
シートピラーの出しろはサドルの高さの位置調整には使いません
サドル高さはフレームのシートチューブで合わせるのと、ハンドルの高さで合わせます

シートピラーの出しろをハンドル高さで合わせるというのは、一般的では無いかも知れませんが、ハンドルバーが低いセッティングの方はフレームサイズを小さくしてシートピラーの出しろが長くなりますし、ハンドルバーが高い方はフレームサイズを大きくしてシートピラーの出しろが短くなります

学校(東京サイクルデザイン専門学校)の授業やCWSスタッフへの教育の時にも良く言うのですが、フレームサイズはサドルとハンドルの高低差で決まるのです
※それ以外にも要素は沢山ありますが・・・

ちなみにサドルの厚みが約6cmなので、シートチューブ上端からサドルトップまでの距離が約14cmとなり、薄いサドル(レーサー系の)にする場合にはシートピラーの出しろは長くして、サドル+シートピラーの出しろで14~15cmにしています
サドルが薄い場合には、スポーティなサドルになるということですから、スポーティさや見ための速さややる気を重視して、シートピラーの出しろを長く取っています
厚みが4cmのサドルなら、シートピラーの出しろは10~11cmという訳です

このことから2015年に発刊された「旅する自転車 ランドナー&スポルティーフの本(枻出版社)」に寄稿したフレーム設計の記事も、シートピラー出しろ+サドルの厚みを38mm幅のタイヤのランドナーでフレームサイズが560mmの場合には150mmという寸法で記載しました

勿論この位がバランスは良いと思いますが、8cmの出しろにしなくてはならない訳ではありませんから、ポジションや車種や全体のイメージで出しろは調整してください

ステムは首の長さは6cmにしておきます
MAX上にあげた状態が約8cmですから、2cm下げた位置

乗車ポジションや乗り心地で合わせるべきところですが、今回は展示用組立てということで、ステム長の2/3程度の突出しにしています

ステムを下げた事により、ブレーキワイヤーの高さが最初の設定である11cmから長くなりますが、これはアウターワイヤーが短くて、フロントバッグが開けにくくなることを避ける為で、元々ポジションが決まっているユーザーへの組立てなら、ステム位置を決めた時点でブレーキワイヤー長を合わせるのが、本来の基本だと思います
今回は展示用ということで、妥協しての組み付けとお考えください


全て終わったら、自転車を少し離れたところからチェックします

組立てのバランスは悪くないか、付け忘れが無いか、恰好良いか、など忘備チェックと主観で判断していきます

その後、シフトやブレーキなどのメカニカルチェックをしていきます







チェックが終わったら、自転車組立ては終了です

しかしツーリング車はこの状態では、まだ使用出来ません
ライトやバッグは自転車の一部だと思っていますし、スピードメーターやボトルなどのアクセサリーも必要です

次回は、このランドナーに取り付けるべきその他パーツ類をご紹介していきます
いよいよ、次回が最終回です 続きます・・・


velocraft流組立て基本編 vol.18

いよいよ組立ても仕上げの段階に入ってきました
今回はバーテープを巻いていきます


バーテープはツーリング車の基本とも言って良いVIVAコットンバーテープを使用します

今回の様な小さめブレーキレバーを使用する場合は、コットンや同じくVIVAのアースバーテープの様に薄めのバーテープが似合います
機能上問題は一切ないのですが、コルク製などの厚めを選んでしまうと、ブレーキレバーと比べて、見ためハンドルバーが極端に太く見えてしまう為、シルエットが若干崩れてしまいます


バーテープを巻き始める前に、ブレーキレバーバンド部に印を付けておきます
バーテープを巻いている最中にブレーキレバーバンドの位置がズレテしまっても修復できる様に保険を掛けています


ハンドルからブレーキワイヤーを外して、ステムをフレームから取り、作業台に固定します
velocraftで使用している作業台は、クルクルと回転してくれるので、フレームにハンドルバーを取り付けた状態で作業するよりも、数段作業が簡単になります


次にブレーキレバーバンド部に巻く為にバーテープを切り、ブレーキレバーバンドに貼り付けます
このバーテープの粘着力で、ブレーキレバーバンドを固定するので、力が加わると簡単にズレテしまいますから、先ほど油性インキで印をつけた訳です

そうしたら、ブレーキレバー本体をハンドルバーが外します
これで、下準備はOKです


エンドキャップの大きさとハンドルバー内径の相性を確認したら、ピッタリとエンドキャップが収まるのに必要な分のバーテープをハンドルバー外に出してから巻いていきます

つまり、エンドキャップが変わるとバーテープの巻き方が変わるということで、この作業をしておかないと、バーエンドキャップが緩いor入らないということが起きてしまいます

例えば、今回使用しているニットウB135ハンドルなら、VIVAのプラ製バーエンドキャップなら、コットンバーテープを1周分裏側に折り込んで丁度良いですが、ニットウのアルミ製バーエンドキャップですと、一切ハンドル裏側に折り込みません
バーエンドキャップを他種に交換する時はご注意ください


バーテープを1~2周巻いたら、バーエンドキャップを取付けます
この時点で、キチンとバーエンドキャップが装着出来、バーテープにも無駄なシワが無く、ハンドルバーが剥き出しになっていないかを確認します

コットンバーテープの場合には少ないですが、大槻の場合コルク製ですと5回に1回位、革製ですと5回に4回位、満足のいく仕上がりになっておらず、やり直します
自転車屋になって25年、バーテープも数千本は巻いていて、苦手な作業という訳では無いのですが、この位の確率でやり直す必要がある箇所です

よく、雑誌やメンテナンス本を見ると、バーテープを全て巻き終えてからバーエンドキャップを装着する様に書いてあることが多いですし、バーテープに付属している説明書にも同様に書いてある場合が殆どです

なんででしょうね?????


後は等間隔で巻いていき、ブレーキレバーバンド部はたすき掛けにします
ブレーキレバーの内側に入る箇所ですし、ブレーキレバー全体をたすき掛けにする訳では無いので、比較的簡単なやり方だと思います

バーテープの重なり具合を均一に近づけたいので、重なり具合を調整しながら、ピッタリくる様に何度も巻き直しますが、コットンバーテープの場合、テープ自体が伸びると伸びっぱなしになるので、なるべく1~2回の巻き直しで済むように慎重に行います
巻き直しをせずに1発で決まることは殆どありません

イメージですが、0.5mm単位で重なりを調整する必要がありますので結構シビア

勿論、ご要望があればブレーキワイヤーやシフトワイヤーがハンドルバーに沿う現代的なタイプでも、同様にバーテープを巻くことは可能ですが、自転車組立て全体の作業順序は変わりますし、比較的時間が掛かるので、UPチャージを頂いています


ブラケットを超えたら、また均一に巻いていき、最終箇所はハンドルバーの真下で真っ直ぐに切り終了です

最後の巻きが太くならない様に、重なり具合を調整して巻き終わりが真下に来るようにしてください

コットン以外のバーテープでは、巻き終わりに飾りテープやビニールテープを巻くことが多いですが、コットンの場合は基本切りっぱなしです
麻糸を巻いて補強するのを、アメリカメーカーを中心に見かけますが、ご要望がある場合にのみ作業しています


巻き終わったら、ブレーキレバーを戻して、最終チェックです
この時点で不具合が見つかると最初から全てやり直しですから、緊張の一瞬です


作業がすんだら、バーテープをラップで包みます
この後も作業は残っていますし、今回は展示用に組み立てていますので、汚れやすいバーテープを保護する意味合いがあります


反対側も作業して、フレームにハンドルを戻してワイヤーを掛ければバーテープ巻きは完成!

大槻が集中して作業するとバーテープ巻きは基本30~40分位で出来上がります
見ためがキレイではなくても、重なりが不均一で段差があっても、事故に繋がる様な部分ではありませんので、メンテナンスをこれから自身で始めようという方に、まず挑戦して頂きたい箇所
おおよそ片側1時間、両側2時間位の時間は最初必要だと思いますので、チャレンジしてみてください

さて、次回はサドル取付け~最終チェックをしていきます
続きます・・・