2017年05月
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velocraft流組立て基本編 vol.14

今回でギアシフト系のパーツアッセンブルは終了します

シマノやカンパニョーロ等のコンポーネントで制作する場合は、ギア比以外はさほど考えて制作する必要は無いのですが、サードパーティメーカーを採用すると、とたんに難しくなるのが自転車パーツ

ツーリング車用のコンポーネントはありませんから、基本的にメーカー推奨や縛りに頼らずに自らの経験と技術でアッセンブルしなければいけません
ビンテージパーツを採用する場合がその極め付けだと思いますが、現行品であっても多くのデータが必要です


シフトレバーはシマノのWレバーSL-7900を使用します
左・フリクションの右・インデックスの10段タイプとしてシマノ製唯一の製品です

その他代表的なWレバーにマイクロシフトとダイアコンペがありますが、マイクロシフトはバーコンをダウンチューブに取り付ける様な形状で好きになれませんし、ダイアコンペはラチェットタイプのフリクションですから、インデックス機構が無く、操作は指先の感覚に頼ることになります

5段や6段ギアでしたら、フリクションタイプでもテクニックで操作可能だと思いますが、10段ともなると、僅かなレバー操作でギア選択を行いますので、シフト操作を1発で決めることはほぼ不可能

ギア変速をする度に微調整が必要になりますので、ハンドルバーから手を放す時間が長くなり、安全で使いやすいとは言えないと思います

「フリクションなら調整が狂っても操作し続けられる」と言われることもありますが、調整が狂ったなら調整し直せば良いだけですし、調整が狂った時の為に平常時に操作感の悪さを我慢する必要はないと思います

どうしてもフリクション機能を残したいなら、9段仕様のSL-7700や旧モデルの10段仕様のSL-7800を使用する手はあります

勿論「操作感の悪さを楽しむ」という遊び心は、大槻として大いに賛成出来る考え方です
「シングルスピードの固定ギア」「前後のブレーキを外してトリックをするBMX(公道以外専用パークでの使用)」「FATバイクで舗装路」なんかと同じ考え方ですよね
最近のBMXですと、あえて「前輪をはずす」なんて人も出てきています(笑)


Wレバーは左は手で締め込むだけで、右はマイナスドライバーで固定するだけで簡単に取付け出来ます

Wレバー台座は塗装されていないことが殆どですから、薄くグリスを塗布しておきます


このフレームはBB裏にM5ネジを切っていますので、プラスティック製のワイヤーリードを取り付けておきます

この時に気を付けるのが取付ボルトの長さで、長すぎるとBBと干渉してしまいますので、適正な長さに合わせる必要があります

おおよそ10~12mmの長さで緩み止め用のスプリングワッシャーを取り付ける様にしています

BBを取り付ける前にワイヤーリードを付けてしまうと、BBを傷つける可能性があるので、通常はこの段階で作業していますし、BBを外す時は先にワイヤーリード固定ボルトを緩めてから作業しています


リアディレーラー部アウターワイヤーもWレバーに付属していますので、長さを合わせておきます
アウターキャップはフレーム側が黒いプラスティック製でディレーラー側はシルバーのアルミ製を使用します

ディレーラー側はアウターのカーブがキツくアウターキャップが変形しやすい為です
アウターワイヤーのロゴマークも出来るだけ合わせておきましょう


インナーワイヤーも通したら、シフト調整を行います

マイクロシフトのディレーラーには英語の説明書が付属していますので、トルクを含めてそれに合わせて調整すればOKですが、ほぼシマノ違いがありませんので、オンラインで公表されているシマノの説明書を参考にしても良いと思います


調整が終了したら、余分なインナーワイヤーをカットします
大槻は15~20mm位の長さにカットしています
上写真は15mm残してカットしたものですが、比較的短めだと思います
リアディレーラー側はあまり気にしなくて良いのですが、フロントは脚に近い場所なので、少しでも当たり難くする為で、当たりやすいとインナーキャップが取れて解れたワイヤーが脚に刺さることを少しでも減らすことが目的です


その為、インナーキャップは手で引っ張ったくらいでは取れない様にすこし大げさすぎる程度に固定しています

これで、シフト系はおしまい、次はハンドルからのブレーキ系です
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.13

次はペダルとチェーンを取付けますが、実際の取付けは一瞬で終わってしまいます

取付け方法と言うよりもvelocraftでのパーツの選択方法のご紹介がメインになります

ペダルは基本3種類から選択しています
1・両面踏みでトークリップ無 2・片面踏みでトークリップ有 3・ビンディングペダル
仮採用や最初の1台の方には1を、スニーカーや軽登山靴で乗られるツーリストには2を、その他全ての方に3をオススメする様にしています

オーダーメイド車を制作する場合には、ペダルとシューズが決まっていないとフレームの正確な設計が出来ませんので、ご注意ください
特にシューズが決まっていない場合、velocraftではフレーム寸法は大よその予測で設計しています
※イメージとして、5mm単位が10mm単位になる感じです


両面踏みペダルはMKS・ツーリングライトSとシルバンツーリングをご用意しています

シルバンツーリングが販売量は圧倒的に多いですが、より高品位をお求めの方にはツーリングライトSをオススメしています

両面踏みタイプですが、トークリップの装着も勿論可能ですので、自転車に慣れてきたらトークリップという方にも良いと思います


片面踏みタイプはカンパニョーロに近い形状のシルバンロードとリオタープラットフォームに近い形状のアーバンプラットフォーム
どちらも、必ずトークリップやハーフクリップを取り付けて使用してください

近年はスニーカーで自転車に乗る方が多いので、踏み面の広いアーバンプラットフォームが特に人気があります

シルバンツーリングはツーリングロードやサイドプルブレーキを採用したスポーティなスポルティフに似合うと思います
昔ならカンパ・レコードを採用していたであろう車種というイメージでしょうか


ビンディングシューズはシマノ・PD-M324とPD-M520をご用意
ビンディングシューズでしか乗らない方には両面ビンディングのPD-M520をお勧めし、ビンディングとスニーカーを併用する方や初めてビンディングという方には片面ビンディング・片面フラットのPD-M324をお勧めしています

最近はトラディショナルなツーリング車でもビンディングペダルの使用率が上がってきています
ロードバイクからツーリング車に乗り換える方も多いので、ビンディングペダルへの恐怖感も薄らいできているのでしょう
乗り味の追求や正確なポジショニングや歩行のしやすさでビンディングペダルは、有用だと思います

以上の6種がvelocraftでオススメしているのですが、実際には一部のペダルにはカラーバリエーションや仕様の違いがあります



シルバンツーリング&ロードにはプライムシリーズという高品位タイプがあります
主にシャフトの仕上げの差なのですが、上写真の左側がノーマルタイプで右側の少し輝きが有る方がプライムになります
表面の仕上げの違いから、よりスムースな回転をしてくれますので、プライムシリーズの方が人気が高いと思います


アーバンプラットフォームとツーリングライトSにはEZYスーペリアという着脱式タイプもラインナップされています

チョットの操作で簡単に左右ペダルが着脱出来ますので、輪行時に大変便利ですし盗難防止に自転車から離れる際にペダルを外しておくことも出来ます

また、着脱可能なEZYというタイプのペダルもあるのですが、着脱の際にプラスティック製のリング状パーツも着脱しなければならず、冬場には良くそのパーツが割れてしまうので、あまり使いやすいとは言えず、基本店頭に在庫はしていません
有名なところではアラヤ・スワローランドナーに採用されているタイプです


今回は基本編ということで、シルバンツーリングのプライムシリーズ(プライムシルバンツーリング)をトークリップ無しで取付けます

シルバンシリーズは座面(クランクと接触する箇所)が15mmレンチで固定する様になっており、フランジの無い切りっぱなしの形状ですので、そのまま締め付けるとクランクに傷が付いてしまいますので、ペダルワッシャーを使用して固定をします
ネジ部には固着を防ぐ為にグリスも塗布しています

後は締めつけるだけですが、締付けトルクの指定が特に説明書に記載されていません
MKSの他種には35~40Nmとありますし、MKSホームページには30Nm程度とあります
どちらなのでしょう??
ちなみにシマノの説明書には35~55Nmとなっています
そこで、通常velocraftでは40Nm「程度」で締めつけています

ペダルの場合に悩むのが、メーカー指定トルクで締めつけても、ペダルから異音がすることがあるということ
「メーカー指定組み付け方法で異音が発生=不良品」と言えなくはないかもしれませんが、少しオーバートルクで締めつけると異音が消える場合が殆ど
常識の範囲内ですが、そんな時はオーバートルクで締めつけてしまいます

この辺の塩梅はショップによって異なるところでしょうか?

ペダルの締め付けトルクを計測するには15mm薄口スパナ形状の専用工具が必要な場合が多いですが、上記の殆どのペダルは取付けネジの裏に6mmアーレンで締め付ける為の穴が開いていますので、アーレンキタイプの工具でトルク管理出来るのが魅力です
但し、EZYスーペリアは構造上アーレン用穴は無いですし、15mmスパナも超薄口でないと取付けが出来ないので、専用工具もアクセス出来ませんからトルク管理は行っていません


チェーンはシマノ製を使用しますが、10S用チェーンは3種類あります

左からCN-6701(HGフロントダブル用)CN-6600(HGフロントトリプル用)CN-HG54(HG-X用)

今回のパーツ構成では正直どれを使用しても問題ありません
シマノの純正パーツはスプロケットだけですが、スプロケットにHGとHG-Xの違いが無いこと、フロントダブルですが、フロントトリプル用のCN-6600はダブルでも使用可能です

その為、どれでもそれなりに変速してくれます
勿論、シマノ推奨の組み合わせではありませんから(クランクもディレーラも他社を使用している)基本的には自身での判断となります

今回は単純に軽量なCN-6701で組み付けることにします



チェーンをインナーxトップに通していきます
気を付けるのがチェーンの向きですので、上写真をご確認ください

チェーンは左右板と中央部ブロックをピンで繋ぎ合わせていますが、クランク側に左右板・リアディレーラ―革に中央部ブロックにします
そうすることで、チェーン切れが少なくなります
シマノの説明書でも、この仕様を「強く勧めます」と記載されていますので、ソレに合わせるのが普通でしょう

その後チェーンの長さを決めるのですが、velocraftでは「ディレーラーのキャパシティ以内なら」インナーxトップでリアディレーラーのバネが効くギリギリ緩い位置に合わせて、「ディレーラーのキャパシティを超えているなら」アウターxローでチェーンの長さがギリギリ足りる長さにしています

シマノの説明書と違う設定方法なのですが、この方法が一番簡単に長さ設定が出来て、トラブルも少ないと思います(シマノをフルセットで使用する場合には説明書に合わせていますし、キャパシティを超えるセッティングもしません)


後は専用工具とアンプルピンでつなげばOK

さて、ペダルとチェーンが付きましたので、次回はWレバーからのシフトワイヤーですね
続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.12

第12回は、クランク周辺の取付けです

基本的には説明書通りに組み付けていけばトラブルになることは無いと思いますが、フレームとの相性もありますので、チェックしながらの取付けが必要です

まず、今回使用するクランクセットですSUNXCDのクランクとチェーンリングでクランク長は165mm・リングは46-30Tを使用していきます

ロードバイクと比べてツーリングバイクの場合にはペダリングによる大きなトルク変化は少なく、急加速をするわけではありませんので、比較的短めの165mmを採用することが殆どですが、ロードバイクのペダリングを求めている方へ若干長めにすることもありますし、身長に合わせて160cm以下なら160mmや180cm以上なら170mmなど変化させることもあります

勿論、オーダーメイドの場合には使用するクランクやギア比等に合わせてシートアングルを変化させますし、マスプロ車ならフレームとの相性で使用出来るクランク長が決まってしまう場合もあります

SUNXCDのクランクは昔のシクロツーリストや49D等と同様のアウターリングがスパイダーを兼ねているタイプですので、8S以下のリアギアの場合にはTA社の5VISリングを使用することも可能ですが、今回は10Sですので純正のSUNXCDリングを使用します

クランクとチェーンリングの取付けは難しくはありませんが、まずアウターとクランクを取り付けてからインナーを取り付けてください
先にチェーンリング2枚を取り付けてしまうとクランクとアウターの取付けボルトが干渉してしまい、取り付ける事が出来ません

また、取付ボルトはクランクとアウターは9mmレンチと4mmアーレン、アウターとインナーは4mmアーレン2本を使用しますが、ボルトと工具の掛かりが浅い設定の為、ボルトに傷を付けない様に慎重に行ってください


クランクを取り付ける前に防錆の為、BBシャフトにグリスを薄く塗布しておきます

スギノのCBBALはシャフトが黒仕様なので、銀色にメッキされたBBシャフトと比べて若干サビ易い傾向があります

グリスはホンの少しでサビの進行を遅らせてあげられます


クランクは14mmのソケットレンチで固定出来ます
SUNXCDの場合には特に説明書も無く、指定トルクは解りませんがシマノの説明書によるとスクエアテーパーBBのフィキシングボルトの締め付けトルクは35~50Nmですので、今回は40Nmで固定しています

トルクが緩いとネジの緩みが気になるますし、締めすぎはクランクの取付け部が広がってしまったり、割れてしまったりが気になりますので、メーカーには適切な締付けトルクやグリスの有無をしっかりと明示してもらいたいですね

フィキシングボルトを固定したら、クランクキャップを取付けます
SUNXCDはアルミ製のネジ込みタイプが付属しており、恰好は良いですが、取付けの5mmアーレン部はかなり弱いので、ちょっとオーバートルクになるとナメてしまいます、注意してください



クランクを取付けたらフレームとの相性をチェックします
SUNXCDクランクの指定BBシャフト長は110mmなので、そのサイズで今回は組み付けています(チェーンライン43.5mm)

インナーチェーンリングとフレームとの隙間は約4mm、クランクとフレームとの隙間は約9mm開いています

この隙間がチェーンリング側で2mm以下フレーム側で5mm以下になると、ペダリングの際にフレームがタワミ、パーツとフレームが干渉してしまいます
今回は最低箇所が4mmですので、通常使用に問題になることはありません


しかし、通常使用が問題無ければそれで良い訳ではありません
外装式ギアの場合には、どんなに調整してもどんなに丁寧に乗車してもチェーンが外れる場合があります

チェーンの切れ端を用意して、チェーンが外れた際のフレームとの干渉をチェックします

チェーンが外れる事を前提に自転車を組み立てるなら、インナーとフレーム側は4mmしか隙間がありませんが、チェーンの厚みは約5.9mmありますので、チェーンがインナー側に引っ掛かりフレームにダメージを与えてしまいますから、BBシャフト長を長く変更させる必要があります
そうすると、チェーンラインは外に広がってしまいますので、多少なら使用上問題は無いのですが、アウターxローギアでチェーンを逆転させるとチェーンが落ちてしまう等の別のトラブルが出る可能性もあります

今回は「極普通」に組み立てるのがテーマですので、メーカー推奨の110mm長のままで進めていきます
※でも本当は113mmの方が良いと思います

フレームとチェーンリングの隙間はフレーム・チェーンステーの潰し方とラグ形状で決まりますので、オーダーする場合にはチェーンリングの大きさを決めておく必要があります
逆にオーダーの際にチェーンリングサイズを聞いてこない事があったら、適当に制作されてしまうこともあり得ますので、ご注意ください
場合によっては、ビルダーにパイプの潰し方を指定する必要もあります
ロードバイクの場合でしたらインナーギアは39~42Tの間でしょうから、そこまで気にする必要はありません



取付けるフロントディレーラーはマイクロシフトのR52SFです
このタイプは直付けタイプしか輸入されていませんので、別売のFDバンドと併用して取り付けます
使用するSUNXCDのバンドは前面が平らなので、FDに付属しているカラーを外してから取り付けます

マイクロシフトのFDはカラーが外れるタイプなので、ベストなFDバンドですが、カンパニョーロのFDはボルトとカラーが外せない機構ですので、別メーカーのFDバンドの方が(ダイアコンペ等)相性は良くなっています


FDの取付けは極標準的で難しくは無いと思います
平行に気を付けて、FD高さをアウターチェーンリングの上端から約1.5mmの位置にしています

さて、これでFDとクランクセットが付きましたので、次回はペダルとチェーンを取り付けていきます