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TOEIフルオーダー考察 vol.5

ツーリングバイクではいかり肩のクラウンを使用することが一般的
TOEIフルオーダーの場合にはボカマ型と呼ばれるタイプ(¥4,000-)と剣先と呼ばれるタイプ(¥7,000-)の2種と、1・3/8用(内側寸法約48mm)と42B用(内側寸法約55mm)の2種類の計4種類が一般的です
勿論、使用するフォークブレードはΦ23OVAL

今回入荷のフレームは、剣先タイプで650x38Bですが、42B用の幅広クラウンにしています
使用する泥除けは未定ですが、幅が狭い1・3/8用クラウンですと本所工研のH50(幅約51mm)を使用すると、どうしてもフォークブレードの内側と泥除けが干渉してしまいます
僅かな干渉なので、泥除けを凹ませたりそのまま見て見ぬふり(驚)でも気にはならないのですが、H50を使用するなら42B用クラウンの方が良いと思います


人気は剣先クラウンですが、剣先というと上写真のタカハシテクノのクラウンを思い浮かべる方もも多いと思います
velocraftでは単品での販売もしていますが(¥3,720-)、生産は終了していますのでいずれは無くなってしまう部材ではあります

良く見て頂きたいのですが、タカハシテクノのクラウンよりもTOEIの方が中央のヒゲが長く先端が鋭くなっていますよね

ボカマタイプと剣先タイプでは同じクラウンを使用しており、剣先の場合は後からヒゲをつなぎ目が解らない様に継ぎ足しています
その為、2種での価格差が大きくなっています

このピンッと尖ったヒゲをフォークブレードにピタッとロウ付けするのって、凄い技術力なんですよ
クラウンサイドの厚みは僅か1mm程度ですし、尖っている部分は質量も小さいですからロウ付けの為に火で炙ると直ぐに温まってしまいます
クラウンの上部は、その時にはまだ温まり切りません

そうすると温まったヒゲの部分は反り返る様にフォークブレードから離れて隙間が出来てしまいます
反り返りを防ぐ為に適度に板金用の小さなハンマーで叩きながらロウ付けを行い、更にロウがヒゲの周辺からはみ出さない様に調節しないと、綺麗な形に浮き出てくれません
勿論ロウが足りずに隙間が空いてもいけません

温度調節・形状維持・ロウ材調節の3つを同時に行わないと、この綺麗なラインは出てきません
しかも大きな熱量が必要なクラウン付近ですから尚更です
東叡社の職人さん達にとっては当たり前なのかもしれませんが、本当に難しい箇所だと思います


また、今回のクラウンは「補強板無し」で製作しています
見ためはスッキリしますが、見方に寄っては物足りなく見えるかもしれません

補強とはクラウンの裏側に鉄板を一枚追加することで、クラウン周辺の剛性感を強くする工作です(¥3,000-)


補強版を入れると上写真の様になります

殆どの方が剛性感よりも見ため重視で選ばれる傾向が強いですが、実際には裏側ということもあり、泥除けやホイールで組み立てると殆どみえません(涙)

また、補強版自体に約1mmの厚みがありますので、左右で2mm程内側のクリアランスは狭くなりますので、泥除けの選択如何によっては泥除けと補強版の干渉という問題も出てくることがあります



クラウン裏にもチェーンステーブリッジ・シートステーブリッジにも補強版を追加することが出来ます(各¥2,500-)

ドチラも菱形の鉄板をステーとブリッジの間に挟み込みロウ付けされています

特にチェーンステー側の写真をご覧頂きたいのですが、補強版を変形させてシートステーの潰し加工の位置も完璧に仕上げられています

チェーンステー側はBB周辺の剛性感、シートステーはブレーキの剛性感に違いが出てくるはずですが、その差は限定的だと思っています


今回のフレームはシート&チェーンステー共に、補強板は入れていません

また通常では補強版とブリッジは直角に角が立つように付いていますが、丸みを帯びさせる為に補強版とブリッジの境をフィレット加工の様にロウ付けすることも可能です(時価)


補強版は剣先クラウンだけでなく、ボカマタイプでも可能です

剣先は恰好良いと思っていますが若干主張し過ぎる傾向もあるので、あえてオーソドックスなボカマタイプにするのも良いかもしれませんね

スタンダードフレームでは基本ボカマタイプのクラウンが装着されてきます
※場合により他種のクラウンの可能性もあります スタンダードでは使用部材の指定は基本出来ません


Φ24OVALのクラウンは、この様なスロープタイプが1種のみ選択可能です(¥4,500-)
基本ロードバイク用ですので、幅は狭く内側寸法は35mm程しかありませんので、ツーリングロード等で、同クラウンを使用して泥除けを取付ける場合は35mm以下の泥除けを選ぶ様にしてください

スロープ形状はセンタープル台座を取付ける事が出来ませんので、この点も注意が必要です

その他のクラウンを使用したい場合には持込でご依頼ください(時価)

Φ23mmOVALフォークブレードの場合には古物(本物のボカマやナベックス等が人気ですね)以外のご依頼は極めて少ないのですが、Φ24mmOVALでは持込も多くなります

丈夫なフォークにしたい為にΦ24mmOVALを使用したいが、スロープ形状は好みでは無かったり、幅が広い物が必要だったりと目的は様々

その中でも特に人気なのが、通称nagasawa crownと呼ばれるクラウン
枻出版社・西山氏のTOEIスポルティフにも採用されていましたね
※大槻のSW WATANABEにも使用しています

Φ24OVALのスポルティフ用クラウンとしては、最強だと個人的に思っています
写真も実物も今はありませんが、ネット検索して頂ければ簡単に見つかると思いますので、探してみてください

角の立ったいかり肩で、シンプルなルックスに裏側補強板付きで恰好良くがっしりとしたつくりが特徴です

中央部のヒゲレス形状ですが、このクラウンを使用してヒゲを追加加工して剣先クラウンにするなんて言う裏メニューも可能です(時価)

その他、ボカマタイプも含めて、完全に中央部分を削り落としてしまい、剣先の換わりにTOEIの「T」の文字をあしらった飾りを入れることも可能です(時価)

フォーククラウンはフロントフォークという大きな部品の「顔」となる部分ですから、実用面と装飾面どちらも妥協せずに決めたいですね

続きます・・・

TOEIフルオーダー考察 vol.4

TOEIで使用されるエンド(ドロップアウト)は主に3種類
泥除け用のアイレットが付いたオリジナル(¥8,000-)、キャリアダボも付いたダブルアイレットのタカハシ型(¥8,000-)(タカハシテクノ製では無いそうです)の2種類はストドロと呼ばれるアジャスト出来ないタイプ
ロードバイク等のアジャストタイプはカンパのショートエンド(¥8,500-)

ツーリングバイクでは主にストドロタイプが使用されて、キャリアダボの要不要で2種のどちらかを選ぶのが一般的

但し、大型の荷物を積まないリアキャリア(パニア台)の場合には、アイレットひとつに泥除けステーとリアキャリアを共に固定する場合もありますし(上写真)、フロント側は泥除けステーを2本取り付ける場合もありますので(下写真)絶対ではありません

オーダーの前にキチンと決めておく必要がありますね

またダボ数だけでなく、フレームサイズによっても変化する場合があります
例えば、センターステーを取付ける6本バッグのフレーム(スタッカードやミキスト)はどうしてもリアエンドのところに左右3本づつのパイプが取り付きますが、フレームサイズが小さくTOEIエンドですと、スペースが足りずに使用出来ない場合があります
BBドロップやホイールサイズにより変化はありますが、6本バックの場合470mm以下のフレームの場合にはタカハシ型のエンドを使用せざるを得ない場合もあります

ちなみにTOEIエンドはフレームサイズが530mm位の時に丁度良い角度になる様に設計されているそうです

ロードバイクでダボ穴が不要な場合ストドロを選択すると、タカハシ型のエンドのダボを切り落として使用しています

velocraftの実績として、TOEIエンド8:タカハシ型2位の割合で圧倒的にTOEIエンドを採用される方が多くなります

タカハシ型を選ばれるのはキャンピングやグランツーリズムを製作される方と、使用目的がまだ曖昧で「ひょっとすると大型のキャリアを取付けるかも」と言う方限定

TOEIエンドに比べてタカハシ型の方が前後共に厚みが1mm程薄くなっており、チョット華奢なイメージ
使用上の問題は無いのでしょうが、大きな荷重が掛かるキャンピング系のフレームの方がエンドの厚みが薄いので、本当は厚みのあるエンドがあると良いですね




今回入荷のフレームはスタンダードでは承れないメッキ処理をしていますが、そのUP写真

表から見た時は綺麗にメッキが乗り輝いていますが、裏側はどうしても細かい溝と言うかスペースが多く磨き入れません
その為、どうしても若干の曇りは出てしまいますので予めお知り置きください
殆ど見えない部分でもありますので問題は無いと思いますが

また、TOEIエンドの特徴として、ホイールと接触する部分が約1mm程突き出ています
タカハシプレスのエンドですと約0.5mm程の突出しなので、かなり出ている印象です

これは、右シートステーとチェーンとのクリアランスを稼ぐ為と泥除けを固定する際のダルマネジのナット部分が逃げやすい様に加工されている為です

写真のフレームはエンド幅130mmですのでトップギアがかなり外側に取り付く為に、このクリアランスでもダルマネジナットとトップギアが干渉してしまいますので、泥除けダボの内側を削り込んでナットが外側に付く様になっています


ご指示が無い場合はエンド幅が120mmや126mmの場合には内側は削り込みません
リアエンド幅が広くても(例えば130mmや135mmエンドに7段ギア)削り込みが必要無い場合は、しっかりと指示を出す必要がありますし、逆に120mmでも削り込みたい場合も指示をお願い致します

その他、ダルマネジのハカマ部分を省略してギロチンネジ部とナットのみで、泥除けステーを固定する様に泥除けダボの内径を広げる工作も可能です

TOEIエンドのみの承りとなりフレームへ直に泥除けステーが接触する為、塗装フレームの場合には塗装剥がれが置きますが、見ためスッキリとしますので、人気の工作です(¥2,000-)
その際には本所等のアーレンダルマやコケシダルマ等は使用出来ませんのでご注意ください

次回に続きます・・・

TOEIフルオーダー考察 vol.3


今回入荷のフレームはセンタープルブレーキ台座を備えています
使用タイヤを650x38Bに設定しているので、使用するブレーキは現行品ならグランボア・シュエット3642かダイアコンペのGC700(DC750も可)ですが、フレームの格を考えてシュエットの寸法にして貰っています
シュエット3642はマファック・ライドと同寸で作られているので、古物でしたらライドも使用可能です

TOEIのセンタープル台座はオリジナルの部材が使われており、スプリングの受けも直付けされています(¥7,500-)

ブレーキの種類により同じホイールサイズでもブレーキ台座の位置は異なりますし、フレームサイズによっても多少の制約があります

例えば600mmを超える様な大きなサイズで車輪径が小さいとシートステーの間隔が広くなり過ぎて、適正な幅にブレーキ台座を取付けることが出来ません
その場合にはシートステーを内側に曲げて調整するのですが、シートステーを曲げるのがシルエット的に好みで無い場合は、センタープルを諦める必要が出てくるかもしれません


上写真はダイアコンペ製のセンタープル台座ですが、スプリングの受けは別体のアルミ板を差し込む様になっています

機能的には勿論問題ないのですが、どうしても野暮ったくなってしまいますよね
折角の高級フレームなら、スプリングの受けも直付けで止めたくなると思います

TOEIでしたらオリジナル部材がありますので、なんら問題はありませんが他社ですと部材が無いことからダイアコンペの部材を使用せざるを得ないことがありますのでご注意ください

ダイアコンペ台座のアルミ板を使わずに受けを直付けでOKか?っというと、台座の長さがアルミ板分の1mm長くなってしまいスプリングの収まりが悪くなりますから、そのまま使用することも出来ません 台座長の調整も必要になります


TOEIのカンチブレーキ台座です(¥3,000-)

カンチブレーキ台座はチョット大きめで四角いタイプの台座が採用されています
部材自体はスタンダードでもフルオーダーでも変わりません

velocraftでカンチ台座で製作を承る場合、もうチョット小振りな台座にしたいとご相談を受けることが度々あります

そんな時は、ロイヤルノートンで普段使用している台座をご紹介しています


円筒っぽい形状で、スッキリして見えると思いますがいかがでしょうか?

個人的にはコレも良い台座だと思っています


コチラは単品での販売もしていますので、東叡社へ持込で製作して貰うことが可能です(前後で¥1,200-追加)

フルオーダーでは部材の持込がOKですから、東叡社に在庫が無い部材ならコチラで用意して持ち込みます

勿論、古物のマファックのカンチ台座なんて恰好良いですし、お持ちになっているかたも多いと思います(velocraftでは在庫ありません)

恐らくは大丈夫でしょうが、マファックのブレーキなら台座長は16mmですが、最近のカンチブレーキは16.5mmに設定されていることが多いので、マファック台座を使用して現代のブレーキを装着する場合は注意してください
必要があれば、ブレーキアーチを削って調整することもあります

勿論カンチブレーキもブレーキの種類やリムの幅によって、カンチブレーキ台座の位置も変わってきますので、オーダーを出す場合には「何のブレーキを何のリムに使用するのか」をしっかりとご指示頂く必要があります

カンチブレーキはセンタープルと比べればシビアではありませんが、綺麗に組み上げるならやっぱり必要な項目です

このシビアさが、価格にも反映されていますね
同じ様な部材を取付けるだけなのに、カンチブレーキが¥3,000-に対してセンタープルブレーキが¥7,500-ですから、倍以上の価格差となっています

今回はここまで、更に続きます・・・
本当は年内いっぱいで書き上げて、終わらせるつもりだったのですが、この調子ですと終わらなそうです(汗)
途中でフレームが売れたら頓挫してしまうかも??