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velocraft流組立て基本編 vol.11

組立て紹介も、もう11回目
いよいよパーツをアッセンブルしていきます

まずは、前回紹介のギア系を付けていきます
先にハンドルバーを付けてしまうと、作業中に回転してフレームを傷つけてしまうかもしれませんし、サドルはダミーのシートピラーを付けていますので、作業手順としてはギア系が効率よく作業出来ると思います


まずはスプロケットを取り付けますが、今回使用している5800系105のリアハブは基本11段用ですから、10段スプロケットを装着する場合には上写真の専用スペーサーをフリーボディ奥に入れておく必要があります
スペーサー自体はハブに付属していますので、箱から出したときに無くさない様に


スプロケットをハブに差したら専用の工具で固定していきます

シマノの指定トルクには幅があるのですが、velocraftでは基本中間位の40Nmでトルクレンチを使用して固定しています

最近は自転車店ではトルクレンチの使用も当たり前になりましたよね
逆に一般ユーザーの方も普通に使用しますので、コスト的な負担は増えてしまいました


BBはスギノのCBBALを使用します
タンゲ・LN-7922やシマノなどからも対応BBは販売されていますが、スギノは最初から緩み止めが塗布されていて、緩みやキシミが少ない様に感じます
転がり抵抗は計測した訳ではありませんが、各社そんなに違いは感じません

また、スギノの同タイプは他社よりも中央部の直径が小さいので、ダイナモコードやシフトワイヤーを通す際には非常に有用なBBです
※毎回現物確認をしています 不可の場合もあります


BBのネジと左ワンの内側にグリスを塗布します

スギノの説明書にはグリスを塗布するとも塗布しないとも記載されていませんので、どちらでも良いのかも知れませんが、防錆効果を意識して今回は塗布しています

シマノのBBはグリスを塗布するタイプと、してはいけないタイプがありますし、近年のカンパニョーロは塗布してはいけない物が多いので、取付けの際にはお気を付けください

昔ながらの自転車組立てのイメージだと「BB取付けネジ=グリスを塗布」なのですが、近年は昔の常識が非常識になってきているので、戸惑うこともしばしばありますね

各社説明書がありますので、その都度説明書でご確認ください
説明書の内容だけでは解らない事もあるので、その際はメーカーに直接問い合わせるのがベストですが、、同様のシマノ部品の説明書を確認して、それに合わせてしまうこともあります


BBネジの取付けは必ず最初のうちは(今回の場合緩み止め直前まで)手のみで締めていきます

最初から工具を使用してしまうと、ボルトが捻じれてナナメに締ってしまうことが多い為です
BBのネジは非常にネジピッチが細かく、ナナメに入りやすいので特に注意が必要です

大槻もBBがナナメに入った自転車や、それが原因で廃車になった自転車を数多く見てきました
恐らくユーザーが考えている以上に多く起こるトラブルだと思います
※新車のメーカー完成車でも充分起こり得ることなんです・・・


今回のBBは右側から締め付ける必要がありますが、ボルトを締めていくと、塗布したグリスと元々付いていた緩み止めがはみ出してきます


BBを締め切るチョット前の段階で一旦止めて、はみ出た緩み止めとグリスを拭っておきます

折角BBフェイシングをしたのに、こんなゴミが間に挟まっていたら何の意味も無いですからね


勿論最後はトルクレンチで固定します
今回はメーカー指定の中間値60Nmにしています

トルクレンチを使用する場合は、ネジの目立てがしっかりしていないと雄雌ねじ同士の摩擦て適切な軸力が得られません
ネジの摩擦が大きすぎると適正なトルクで締めても適正な固定力にはならない事をご承知置きください

大槻が仕事をし出した頃は「ネジはキツイ方が緩まなくて良い」なんて言っていたのですが、完全に間違いですよね


次にリアディレーラーを取り付けます
使用するマイクロシフトのディレーラーは取付けボルトがアルミ製ですので、適切なトルク管理が必要です

5mmアーレンキ1本の作業なので、ココは簡単ですよね



リアディレーラーを付けたらリアホイールをハメて、この段階で、トップ位置とロー位置の調整をしておきます

そうすることで、チェーンの取付けが容易になりますし、シフトワイヤーを張った状態でのディレーラー調整でリアホイールとの干渉も防げます

まずはパーツを全て取り付けてから調整では無く、必要な箇所は取付けと同時に調整が必要です
勿論、現段階での調整は仮調整なので、最終的な調整は後で作業することになります

とりあえず今回はこの辺で、続きます・・・

velocraft流組立て基本編 vol.10

前回までで、最も時間が掛かる泥除け取付けとホイール組立てが終了しました

これからは、コンポーネントと呼ばれるギア系やブレーキ系・ハンドルやサドルを取り付けていきます

ホイールや泥除けに比べて作業は楽なのですが、パーツのチョイスで自転車の基本性能や格好良さは大きく変化しますので、どんな部品のどんなサイズを取り付けるかが重要ですし、シマノやカンパニョーロなど、の基幹部品メーカーは「ツーリング車用パーツ」は一切販売していませんから、ロード用やMTB用のパーツとサードパーティのパーツを上手くミックスさせてアッセンブルしていく必要があります

最近はニットウやサンエクシード・アラヤ・ダイアコンペ等ツーリング車に取り付けて恰好良くて使いやすい部品がかなり増えていますので、選択肢が出来て楽になってはきました

velocraftがオープンした当時では考えられない位の種類が新たに発売されたりリバイバルされてきました

今回使用するパーツを紹介していきます


まずは、クランク
SUNXCDのクランクは往年のTAシクロツーリストやストロングライト49Dやスギノプロダイ等と同じ規格で、アウターチェーンリングがスパイダーを兼ねている形状です

見ためもシルバーでスッキリとしたデザインで、どんなツーリングバイクにも似合いそうですし、velocraftでも現在は圧倒的な人気を誇るクランクです


チェーンリングもSUNXCDを採用します
44T・46T・48Tのアウターと28T・30T・34Tのインナーがラインナップされていて、スポルティフ的な自転車からキャンピング的な自転車まで幅広く対応しています

このチェーンリングは基本的にリアギアが10段用に設計されているので、リアギアは10段で組立てていきます

ちなみにメーカー推奨では無いかもしれませんが、9段や11段での取り付け実績もあり、問題はまず無いと思います


アウターとインナーを固定する専用PINですが、ボルト・ナット・スペーサーの他に0.5mm厚の非常に薄いスペーサーもセットで付属しています

この0.5mm厚スペーサーは9~11段で使用する時には使用せず、8段以下で使用する場合にチェーンの厚さが増す分の逃げとして使用します

つまり、5~11段までSUNXCDのチェーンリングは使用出来ることになります
但し、相性がありますので、全てOKという訳にはいきません
経験上ですが、カンパのチェーンとの相性は良く無く、特に10段のチェーンは「つかえない」レベルの相性の悪さでした

8段以下を採用される方は、現在も販売されているTA社の5VISチェーンリングにすることが圧倒的に多い傾向があります
26T~40Tまでのインナーと44T~52Tまでのアウターがあり、SUNXCDに比べてラインナップの幅が広く、ダブルだけでなくトリプルにも対応しているメリットがあります


フロントディレーラーはマイクロシフト社のFD-R52SFを使用します
輸入元のダイアコンペさんのカタログや商品の化粧箱に記載されている情報とは違いますが、経験上velocraftでは「対応アウターギア36~48T キャパシティ16T」で使用しています

SUNXCDのチェーンリングはアウターが44~48Tですので、全てのサイズに対応していますし、44-28T・46-30T・48-34Tの組み合わせでキャパシティもクリア出来ますので、非常に使いやすくなっています

勿論、ダイアコンペのカタログにある様に「48T使用時にはキャパシティ18T対応」としても使えるので、48-30Tという超ワイドギアにすることも可能です
若干アウターからインナーに落とす際にチェーン外れが多くなりますが、チェーンウォッチャー等で充分対応可能な範囲ではあります


スプロケットはシマノCS-HG500-10を使用します
ツーリングバイクでは、ワイドなギア比を求められる方が多いので、12-28Tか11-32Tのどちらかを使用することが殆どです

自分なりのギア比で組みたいという方向けにTAから1枚づつ選択出来るタイプも販売しておりますが、近年の多段化傾向では、特殊な選択肢だと思います


スプロケットのローギアを28Tにする場合はリアディレーラにマイクロシフトのRD-R47Sを多く選択しています

シマノのティアグラは新モデルの4700系とシマノのWレバーとの相性が悪く上手く動きませんし、ガンメタカラーでツーリングバイクに似合うとは思えません

そこで、マイクロシフトの「シルバーカラー」を使用する訳です


ローギアが32Tの場合には上記マイクロシフト・RD-R47Sではキャパシティが足りないので、SUNXCDのリアディレーラーを使用しています
ローギアが28~34Tに対応していますので、12-28Tを採用した場合でも使用出来るのですが、ディレーラのゲージは短い方が恰好良いと思っているので、基本使用しません

ローギアの最大歯数が34T対応ですから、必要ならば11-34Tのスプロケットを使用することも出来ますが、実際選ぶ時にスプロケットの大きさが気になってしまい、ご要望が無い限りご提案はしていません


こんな感じのパーツセットがvelocraftでの基本構成です

つまり、フロントギアが44-28T・46-30T・48-34Tのいずれか、リアギアが12-28T・11-32Tのいずれかで、計6種類の選択肢があります

現代のツーリング車では「登りでキツかったら、押して歩けばよい」は通じません
大槻自体は、疲れたら直ぐに自転車から降りて歩いてしまうのですが、(疲れ切る前に計画的に降りて歩き、筋肉がほぐれたら乗車して漕ぐイメージ)
「押して歩くのが恥ずかしい」という方が大半の様な気がします

そこで、なるべく歩かない様に、ローギア設定が重要だと思いますし、最も多く使う常用ギアも重要です

下りでは筋肉がコワバッてしまわない様に下っている時もペダルを回して欲しいのですが、下りは惰性でしか進まないという方が大半なので、トップギアが考慮に入れません

上表は、常用速度での時速と最低速度での時速をメジャーなタイヤサイズを例にして算出しています

常用速度時はフロントがアウターでリアが10段ギアの真ん中周辺を使用した時の数値です

走りはじめは常用速度時のギアから2枚分軽くしておき、スピードに乗ったら2回シフトアップで常用速度になる様にしています

走りはじめはスプロケットのトップギアから7枚目か8枚目になるはずですから、アウターギアでも無理ない程度のチェーンの捻じれで、停車中のペダル逆回転でもチェーンが落ちる心配は、ほぼ無いと思います

上記表を見て頂くと解ると思いますが、常用速度は20km/h台前半で、最低速度は6~7km/h台に大体収まっています

つまり、上記6種はどんなギア比を選択しても実際の走行速度への影響は少ないと考えています
一番重たいギア比の34-28T・700x32Cの場合では最低速度が7.85km/hですが、ペダル回転数を40rpmまで落とせば、6km/h台前半まで速度は落ちます

疲れ切った時にはそれ以下まで速度は落ちますので、より軽いギア比を選ぶというのは間違いでは無いですし、確実に楽に走れますので、適切だとは思いますが、実際の速度に変化はほぼ無いと考えています

ではvelocraftではどこでギア比を決めているの?っと言いますと、スバリ・・・

車種とフレームサイズ

スポルティフ系だからフロントは48-34Tでリアが12-28Tとか
フレームサイズ470mmだからフロントは44-28Tでリアが12-28Tとか
フレームサイズが560mmだからフロントは46-30Tでリアが12-28Tとか
今回はコレ↑↑
フレームサイズが600mだからフロントは48-34Tでリアが11-32Tとか
キャンピングだからフロントは44-28Tでリアが12-28Tとか
オフロード系パスハンターだからフロントは44-28Tでリアが11-32Tとか
モチロン、体力に自信が無いからフロントは44-28Tでリアが11-32Tは有り

そんな感じ(笑)

ギア比はそんなに悩みながら決めてないのが大槻流(?)です

次回は、上記組み付けに入ります

続く・・・

velocraft流組立て基本編 vol.9

前回でリア泥除けが付きましたので、ソレを分割加工していきます

折角取付けた泥除けですが、一旦全部バラしてからのスタートです


分割加工には本所工研から販売されている分割金具を使用します
勿論単品販売もしております

丸穴が2か所とM5ネジが切られた穴が1か所あり、丸穴はどちらか一方を使用しますが、カンチブレーキの今回は、内側を使用します

丸穴とネジ穴の寸法は30mm

ちなみにセンタープルの場合には外側の穴を利用します


泥除けを半分にカットする箇所にマスキングテープを貼ります

シートステーから後方に20mmの箇所を切っていきます
分割金具の穴間寸法は30mmですから、フレーム側泥除けに20mm取り外し側泥除けに10mmの位置となります

この辺は感覚で決めて頂いてよい寸法で15mmと15mmでも問題はありません

カットする時は金ノコを使用しフリーハンドで切っていますが、力強くノコ歯をたてると泥除けが変形してしまいますので、弱い力で何度もノコを往復させていく様にしてください



カットした断面はバリが出ていますから、ヤスリ等で整えてください
上写真がカット後、下写真がヤスリがけ後になっています

イメージですが、断面を指でなぞっても指が痛くない、引っ掛かりが無い程度まで、丁寧に作業してください


シートステー部に分割金具を挟んでフレーム側の泥除けを取付けます

分割金具はボルト一本で固定されているだけですから、左右に回転しますので、しっかりと分割金具が左右にズレていないことを確認してください


取り外し側の泥除けをフレーム側の泥除けに沿わせて、開けるべき穴の位置をしっかりと確認して、Φ5mmの穴を開けます

この位置はシッカリと合わせておかないとキレイなアールを描いてくれなくなりますので特に注意が必要なポイントです


分割部に取り付けるボルトを用意します

今回はステンレス製の環付きネジを用意しました

但し、環付きネジは単品で販売されておらず、本所の環付きダルマのネジを1個拝借して付けています
手で回せますし、トルクが必要な時にはコインを利用して締められるので便利ですが、なかなか簡単に入手出来ないのでネック
勿論、普通の工具で回すボルトやウイングボルトでも良いと思います

ココも泥除けが割れない様に革パッキンを用意しておきますが、他の箇所と違い厚みが必要な訳では無いので1.5mm厚程の薄い革パッキンを使用しています


一旦ボルトで固定します

この時点で、最初にピッタリと合わせたはずのアールが若干ズレていると思います
必要に合わせて再調整をしていきますが、その範囲は微調整に留まると思います

その後ステーやダルマなど全てのパーツを付けておきます



今回は泥除け止めのリフレクターを取付けます

キムラ製作所等恰好良いリフレクターもありますが、一般的なキャットアイ製にしておきます

キャットアイのリフレクターはどれもΦ45mm以上の大きさがあり、細みの自転車には似合いませんが、今回のH50泥除けは幅が51mmもありますので、さほど違和感は無いと思いますし、何と言っても非常に安価なのが魅力です

きちんと、反射面が地面に対して垂直なる位置に泥除けを穴あけして取り付けてください

ココまできたら全ての作業は終わりですので、一旦全てのリア泥除けを外してピカール等で磨いていきます

フロント側同様に狭い箇所はフレームに付いている状態では磨き込めませんので、外してから必ず作業します


作業代から自転車を外して、地面に置き、少し離れたところから全体像をチェックします

バランスは良いか、リフレクターの角度は良いか、分割部分が目立たないか、等々チェックしてOKなら泥除け取付け終了です

ココまでくれば、後はロードレーサーやクロスバイク・シクロクロスなどと作業は同じです

ホイールにタイヤをはめる・ブレーキアーチを取り付ける・ヘッドパーツを取り付ける・コラムをカットするの4点を除けば、他のスポーツバイクはココから組立て始める訳です

組立て基本編ブログも今回9回目で、撮った写真は100枚弱
如何にツーリングバイクの組立て行程が多いかがご理解頂けると思います

しかも今回は「基本編」ですから、ダイナモコードを通したり、泥除けに特殊な加工を施したりもしていません
実際velocraftのオーダー車組立ての中で最も簡単で雑(悪い意味で捉えないでくださいね)な方法でご紹介しています
複雑な工程の組立ては今回ご紹介している作業内容から3~5倍位の時間が掛かる自転車も多々あります
今回の泥除け取付けの場合、作業工賃は¥11,000-(税抜)ですが、作業工程が多い泥除けの場合には¥35,000-(税抜)位の作業工賃を頂くこともありますので、その作業時間の長さがお解り頂けると思います

これからは各種パーツを取り付けていきますが、そのパーツ選びや考え方・美的感覚を意識して組立てていきます

作業時間的には7~8割を超えた位ですが、文章量やノウハウはイッパイありますので、恐らく今回で折り返し位かな?

続きます・・・